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二郎(CV:大塚明夫)のブログ一覧

2022年04月19日 イイね!

ポルシェ911(996)インプレ⑥「走行インプレッション前編」

⑥走行インプレッション前編

・ゆっくり覚醒

 さていよいよエンジン始動です。スマートキーやプッシュスタートスイッチなんてある時代のクルマではないので、ハンドル左の穴にキーを差し込んで回すという古式ゆかしいイニシエーションを経てフラット6が目を覚まします。ちなみに996はこのキーシリンダーがよく壊れるとのことで。エンジンかけられない、はもちろん困りますがエンジン止められない、もなかなかに困りますのでなにか変な兆候を感じたらすぐに交換した方がよさそうです。



 以前ゴルフ2に乗っていた時のクセでキーONにしたら燃料ポンプの動作確かめて少し待ってからさらにキー回してエンジン始動、という流れが身体に染み付いているそんな私です。始動時に内燃機関に火入れるタイプのクルマに乗り続ける限りこの習慣は続けていくのでしょうね。さらに先述のシリンダーかじり問題もありますのでエンジンに負担をかけないように、少なくともアイドリング落ち着くまではじっくり暖機します。この時間を生かして(もちろん電動じゃなくて手動の)サイドミラー広げたり、荷物積み込んだり、ドライバーの心の方の暖機もしたりするのが吉。国産車みたいにパッと乗り込んでサッと走り出す、という風にはいきません。





・プレアデス星団

 車外で聞くアイドリング時のエンジン音量はまあまあ。スポーツカーだから、ポルシェだから、という先入観で身構えると拍子抜けするほど静か。音量でなく音質の方に耳を傾ければ大排気量NAらしい迫力というかオーラも感じさせます。
 実はこのエンジン、往年のスバリストが聞いたら思わず咽び泣いてしまうだろう「不等長エキマニの水平対抗エンジン」なんです。BE・BHまでのレガシィやGDAまでのインプレッサが奏でる「ドロドロ」いわゆる「ボクサーサウンド」の発生がこの不等長エキマニに起因することはよく知られていることです。スバルのボクサーサウンドほどドロドロ感はありませんが、なんとなーくの「気配」はこのポルシェからも感じることができます。

 ポルシェとスバル、と言えばちょっと話がそれますが。「3600cc水平対向6気筒エンジン」「RRベースの4WD」という基本構造を基にこのポルシェを乱暴に説明すると
「バックで285km/h出せるスバル・アウトバック3.6Rみたいなもん」
こう言うとある程度クルマ詳しい人に「あーなるほど(笑)」と納得してもらえます。はい、余談です。


※画像はWebCGより

・クセが強いんじゃ(by千鳥ノブ)

 さあいよいよ走り出します。MTなので①サイドブレーキ解除②1速へ③発進という手順を踏みます。でなんとこの①②③だけでもそれぞれクセがあります。

 まず①サイドブレーキ解除について、解除自体は普通なんですがかける方にクセがあります。結構上まで力込めて引かないとしっかりブレーキかからないんです。納車直後の話ですが、前後に傾斜してる駐車場に止めて降車しようと思ったらスルスルとクルマが動き出してあわててフットブレーキ踏みこんだ、なんてこともありました。これはこの個体特有のことなのか、調整できるものなのかは分かりません。次に整備してもらうときに相談してみましょうかね。



 ②1速へ、というところでは1速とリバースとで少々ミスシフトしやすいというのがあります。リバースに入れる方法はメーカーやクルマによって色々で、私の過去のクルマたちでも様々でした。上から押し込んで、とかリングを引いてなど明確に操作方法が違うシフトパターンなら間違えにくくて特に問題ないのですが。このポルシェはNから左に、さらに左上に押し込んでリバースに入ります。1速が左上なので慣れないと間違えることも。納車直後に信号待ちからの発進でエンスト(このクルマ、エンストしやすい!)したときに、焦ってシフトしたらリバース入れちゃったことがありまして。急にガクガクするわ、バックランプは光るわ、またガクガクしたかと思ったら直後ブレーキランプ光るわ、で後続のクルマはかなり怖い思いをしたでしょう。ごめんなさい・・・・・。



 ③発進では、今までにないシフト特性に最初は戸惑います。今まで好んでマニュアル車を乗り継ぎバイクにも乗ってる私ですが、こういう特性のマニュアルは初めてです。

 シフトストロークは長くもなく短くもなく。ギアに入った時の感触はそこまでソリッドでもなく、かといってやわやわでもなく。クラッチがつながる位置は奥でもなく手前でもなく。ペダルの踏力に関しては重くもなく軽くもなく。とにかくすべてにおいて独特です。

 で、いざ走り出して自動車学校から●●年やってきた感覚で、今までと同じように①クラッチ切って②アクセル少し踏んで③少しづつクラッチつ繋げ始めて④クラッチを完全に繋げる、でシフトアップしようとするとこれはこれはどうしたことか、予想以上にギクシャクしてしまってかなり面食らいます。とにかくこのエンジンは回り方・吹け上がり方がハンパないので③クラッチ繋げ始めるステップの時にエンジンがブォンッ!と意図しない空ぶかし状態となり④クラッチ完全繋げるステップに至ってガックンガックンとボディが、自分の身体が、そしてちっぽけな私のプライドまでもが揺さぶられる結果になるのです

・ユーミンパパ

 何度ギヤチェンジチャレンジしてもなんかしっくりこない。で、これを解決する救世主、ヒントになってくれたのは松任谷正隆さん。松任谷さんが以前おぎやはぎの愛車遍歴に出演した回のことをふと思い出して。何台ものクルマを乗り換え続けている松任谷さんがこれだけは手放せないという996GT3をおぎやはぎ小木が運転するという場面で松任谷さんがアドバイスしたのが「ポルシェ乗りの方法だけ教えましょうか。MTの930からポルシェ乗ってる人は必ず発進の時にアクセル踏みません。まずクラッチを上げていってフッと動いた瞬間に初めてアクセルを踏む。だからこう最初にブーンってやってる人はポルシェをあんまり知らない人(笑)」。で、もちろんそのあと小木がブーンをやらかして、ひと笑いあるんですが(笑)。

 これを参考にしてアクセルペダルを一切踏まずにクラッチ操作だけで発進というのを何回かやって身体で感じたらなるほどなるほどなるほど、と。これでようやく「感じ」を掴めてきたのです。松任谷さんのアドバイスを思い出さなかったらモノにするまでかなり時間かかってただろうと。松任谷さんありがとうございます。

・クセじゃ(by千鳥ノブ)

 あと1速の受け持つ範囲がかなり広いというのもこのクルマの特徴。今までのクルマの1速というのは本当に発進の瞬間だけ使うとか坂道発進の時に威力を発揮するとかそういう役割のギア。だから1速で走り出してクラッチ完全に繋ぎきる前に2速にチェンジした方が圧倒的にスムーズなクルマがほとんど。AMGC36のATなんてウインターモードだと2速発進していたぐらいだもの。でもこのクルマは1速で完全にクラッチ繋ぎ切るぐらいでちょうどいいことがだんだん分かってきました。

 逆にシフトダウンのときも回転数合わせるためにアクセル吹かすのはあまりよくなさそう。先述の通り恐ろしく吹け上がりの鋭いエンジンなのでアクセル踏んだ瞬間にエンジン回りすぎて逆効果に。ヒール&トゥなんかしないで普通にクラッチ継いだ方がよっぽどスムーズに走らせることができる。無理に合わせようとするとお高いクラッチがあっという間に逝ってしまいそうです。

 と、かなり購入当初かなり戸惑ったMTですが、ある程度操れるようになってくると「なるほどこのクルマの特性、エンジニアの思いからすると納得のMTだわ」と思えるようになってきます。とはいえまだまだ理解が足りない部分もあるのでこれからも精進あるのみです。

・お堅いショ(ッ)ク(アブソー)バ(ー)

 お次は乗り心地関連です。このクルマは率直に足回りがカタいです。大多数の人が「カタすぎ」と感じるであろうセッティングです。少なくとも購入前の私の予想以上に「乗り心地がよいと言えないクルマ」です。

 低速域の乗り心地は褒められたものではありません。確かにやっすいパーツで構成されたクルマの足のやっすい感じはしません。でもだからと言って上質とかカドが丸められているとかまったく不快さを感じないかとか、というとそうでもありません。なんというか「重さと硬さで押さえつけている感じ」がして、特にタウンスピードだとこれが顕著に表れます。

 じゃあ高速道路走るぐらいのスピードレンジで乗り心地が良くなるかというとそうでもないのです。今まで私が乗ってきたドイツ車は例えば高速道路の継ぎ目を越えるときは「タタンッ」と上手にいなして走るイメージがありました。でもこのクルマの場合は同じようなシチュエーションでかなり「ドタバタ」します。車歴18年10万kmにしてかなりのボディ剛性があるのでとっちらかることはないのですが決して好ましい感触ではありません。古いクルマなのでヘタリやヤレもあるでしょうが、でも先述の納車直後整備でアッパーマウントその他ある程度のリフレッシュしているので経年劣化による影響はそんなんでもないでしょう。4Sはターボと同じ足回りなのでカレラやカレラ4よりハードな味付けなのは理解はできますがいやぁそれにしてもこれは。

・グランツーリスモの知識(笑)によると

 で、いろんな乗り方走らせ方をしてクルマの反応を見て、ひとつの予想が立ちました。アウトバーンよろしく200km/hぐらいのスピード域、もしくはカーブやブレーキング等で大きな荷重がかかった時にようやく「タタンッ」っぽい感触のよく動く足回りなのではないかと。

 で、よく言われているように態勢乱れた状態で激しくブレーキングすると急にリヤの荷重抜けてかなり唐突にオーバーステアの挙動を示すRRの悪癖を軽減させるためにこういうセッティングになっているのではないかと。高度な電子制御や997から採用されたPASM(可変減衰ダンパー)がない時代の設計だからなおのこと、という側面もあるのではと。

・・・・・・私の乏しい知識ではこのぐらいの推察が限界ですごめんなさい許してください。

 いよいよメインディッシュ、エンジンのお話をしていきましょうか。

 と、長くなりすぎたのでここで一区切り、走行インプレッションは後編に続きます。
Posted at 2022/04/21 19:04:13 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記

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