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二郎(CV:大塚明夫)のブログ一覧

2022年04月20日 イイね!

ポルシェ911(996)インプレ⑦「走行インプレッション後編」


⑦走行インプレッション後編

・炎上案件

 さあこのクルマというか多くの内燃機関車のメインデッシュたる内燃機関すなわちエンジンについてワーワー言わせてもらいます。

 結論から言うとこのエンジン、最高。今まで乗ったどのエンジンとも違う感触にして至極のユニット。このエンジンだけのためにこのクルマを選んでも一片の悔いなしと言い切れる(もちろんエンジン以外の部分も素晴らしいクルマなんですけど)、そんな名機です。詳しく見ていきましょう。

 まずはエンジンの回り方。もうねぇ、もうねぇ、これがねぇ、これがねぇ、もーう最高なんですわ。直列6気筒、V型12気筒、そしてこの水平対向6気筒はいわゆる完全バランスエンジンと言われ圧倒的な振動の少なさを誇ります。V12は流石に経験がないけれど、直6はAMGC36で所有経験があります。あれはレッドゾーンまでウルトラスムースに回りきる上に内燃機関らしい艶っぽさも兼ね備えた極上のユニットでした。で、ポルシェの方はどうかというと直6に比べると高回転でバタつく感じ。バタつくと言っても決して嫌な揺れ方でなく息吹のようなもの。直6がシュルシュルと回るとすればフラット6はシュバババというオノマトペがいいかしら。

 エンジンそのものがスムーズに回る性格にして、なんといっても大排気量NAというのがさらにその魅力を増加させています。回せば回すほどに淀みなく湧き出るジューシーなパワー感は他のどの形式のエンジンでも味わえない芳醇かつすっきり爽やかな味わい。2010年前後のダウンサイジングターボ旋風で駆逐されもはや絶滅危惧種になってしまったこの世界遺産を生で味わえるこの幸せたるや。

 バリオカムプラスという可変バルブリフト機構が搭載されていて、ネットの情報によると2ステージで切り替わりがあるとのことで。ホンダのVTECみたいに明確に切り替えを演出するタイプではないけれど、確かに回していくと回転数域によって少しづつ表情が変わっていくのは分かります。

・モリモリモリブデン、チタチタチタンダエル

 と、ここまで褒めちぎっていますが維持していく上でもちろん先述の爆弾2つ(インターミディエイトシャフト問題・シリンダーかじり問題)は考慮しなければいけません。現状オーナーとしてできることは乗り方とオイル管理に気を配ることです。さらにここでひとつ添加剤の使用を試してみることに。納車してしばらくというところで一時ネットでかなり話題になった斎藤商会さんの丸山モリブデンを注入してみることに。オイル添加用とガソリン添加用のダブル使いです。



 で、その効果はというとまず素人の私でもはっきりわかるのはエンジン音が劇的に静かになったということ。もともと静かなエンジンではなく、18年10万kmの個体ということも考慮する必要はあると思いますがこうかはばつぐんだ。吹け上がりその他も好調のように感じます。どうやらエンジン内の各種パーツにいい影響がありそうなのでこれからも様子みていきます。同じような添加剤ではベルハンマーも、私、気になります!結構先になりそうだけど丸山モリブデンの効果が切れてきたらベルハンマーの使用も考えましょうか。

・ハイオク満タンつゆだくで

 ちなみに燃費ですが、古いドイツ車らしく乗り方で大きく変動します。街中でトロトロ走っていると燃費はガンガン落ち込んでいきます。車載の燃費計で4km/l台とかなんとか表示されてアチャーってなります。ガソリン価格の高騰が続く今日この頃、ハイオク満タンで1万円近くいくのでなかなかにクるものはあります(ちなみに給油口が右フロントタイヤ付近にあるのもこのクルマの特徴です)。







 一方、高速をタラーっと流すような走り方をすると燃費はガン上がり。先日は高速主体の区間燃費は10.8km/lをマークしました。車歴重ねた1.5㌧超4WDスポーツカーにしては優秀でしょう。通勤等で毎日使うならあまり歓迎されることではありませんが、私のように趣味と割り切っているのなら納得できる、というか納得するように自己催眠かけられるレベルの燃費と思います。



・春のポルシェ祭り

 さて、ハンドリングは「重厚なんだけれど重厚すぎない」という感じ。純粋なRRでなく4WDで、聞いた話では常に駆動力が伝達される設計の4WDということで手ごたえのある感触。今路面がどういう状態になっているか、クルマがどう動きたいのか、といった情報がかなりの高解像度でハンドルから伝わってきます。

 また、4WDではありますが切り返しやUターンなどの場面で前輪がよく切れる印象があります。全長の割にホイールベース短いので余計にそう感じます。直前に乗っていたアバルト595がちっちゃいボディの割にまったくハンドル切れなくて大回りになってしまうことに慣れていたので、もはや感動的なまでに小回り効くと感じてしまいます。



 このホイールベースの短さはワインディング走るときに役に立ちます。納車してまもなく椿ライン(箱根から湯河原を繋ぐ道幅狭め半径小さめのカーブが続く峠道)を走らせたのですが、最初は道に対して大きめのボディに四苦八苦してました。ところがとある小さめのカーブに差し掛かって今までになく大きめにハンドル切り込んで4つのタイヤの位置関係を強く意識したとき、ああそういうことか!とホイールベースの短さに気づいたのです。頭の中でお祭りなどで見かける山車をイメージしながらステアリング操作するといい感じにカーブを料理できることを(大げさに言うと)発見したのです。もちろん箱根ターンパイクや伊豆スカイラインのような中高速コーナーが連なる道の方がクルマのキャラには合ってるのですが、意外とちょこまか曲がるワインディングでも楽しめます。

 カーブ駆け抜けていくときに今までのクルマと違うなと感じることのひとつに低い車高があります。スポーツカー然とした低く構えたディメンションは右に左にとハンドルを切る場面でまったくボディがロールしないことでよく感じられます。今まで乗ってきたクルマでわっしょいわっしょい!と上屋が動くところをこのポルシェはビター、シャキッと。それでもロー&ワイドを強調した最新型の911に比べるとひょっこりした印象も受けます。日常使いで気負いなく取り回せるサイズというのは911では996や997世代までかなぁというのが個人的な感想です。

・宇宙一ィィィィ----!

 そしてスポーツカーで、いやすべてのクルマで一番重要なブレーキ。よく「ポルシェのブレーキは宇宙一」と言われますね。このクルマのブレーキも実によく効きます。が、例えばブレーキ効きますと聞いてからこのクルマで走り出し、いざブレーキ踏むときっと多くのクルマ好きはまったく逆の感想を持つはずです「あれ?聞いていたよりもブレーキ効かない?」と。

 はい、このクルマのブレーキは踏んだら踏んだ分だけ効くタイプです。一時期のBMWのようにブレーキペダルに足を乗せただけで一気にガッと効くカックンブレーキではないのです。踏んだら踏んだだけ効くということはブレーキ力をコントロールしやすいということです。先述のRR特有の急激なオーバーステアを防ぐためにも不用意な前荷重状態にならないようにこういう味付けにしているんでしょうか?もちろん奥まで踏み込むと宇宙レベルのストッピングパワーを発揮してくれます。

 欧州車の常である「ブレーキよく効くんだけどブレーキダスト多すぎ」はもちろんこのクルマにも当てはまります。私も過去所有のクルマはすべて欧州車でノーマル状態ではあっという間にホイール真っ黒になってきました。ところがこのクルマはホイールのデザインが秀逸でブレーキダスト自体は大量に出るのですが洗車するとさらりとダストが流れ落ちるホイールデザインになってます。今使ってるブレーキパッドが寿命を迎えたらそこで初めて低ダストタイプを考えてもいいのかなと、今は思っています。




・ゴルフやべぇよゴルフ

 純粋な速さについて。もちろん速いことは速いです。RRベース4WDの圧倒的なトラクションでグングン加速していきます。アクセル踏み込んでいった時の恍惚感はたまりません。ところが冷静に数字を見てみると0-100km/hは5.1秒。これは私が過去に所有したゴルフ7Rヴァリアントとほぼ同じ。ちなみに最新のゴルフ8Rに至っては4.7秒だそうです。いやぁゴルフって速いんだなぁ。もちろん室内スペースや燃費維持費コスパその他はゴルフの方が圧倒的に優れているわけで・・・かなわないなぁ。さらに言うと加速感、パワーが弾けてワープする感じってのはターボエンジンの方が勝っています。ゴルフのそれは控えめですが、アバルト595のブースト感といったらそれはそれは刺激的でめっちゃ楽しかったです。



 だからもう数字とか数値、あるいは体感的なものでもこのクルマじゃなきゃいけないというものを指折り数えたら実は少なくて。多くを犠牲にしてそれでもわずかに残ったいくつかの濃厚な「味」とも言うべきものを粋に楽しむのがこういうクルマを所有する流儀なんですね。そうなってくるとこのクルマに乗ることの意義ってのはもうロマンでしかないわけで。

 そう、私はロマンを買ったのです。
Posted at 2022/04/21 19:06:39 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記

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