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赤川次郎の「三毛猫ホームズの推理」

再読しました。（画像は光文社文庫版。カッパノベルス版も持っていたのだけど行方不明）

私はこの作品のおかげで推理小説に夢中になりました。

その当時の私は本屋に行ってもマンガのコーナーにしか行かなかったのですが、何を思ったのか小説のコーナーに行って見つけたのがこの小説でした。


物語の随所にちりばめられたユーモアがこの作品を読みやすくしています。

現に、その当時活字にあまり慣れていなかった私が、そう時間も掛からずに読了してしまった覚えがあります。

そして密室トリック。

そのトリックを解き明かすのに必要な伏線が、堂々と物語り中に、それもあからさまに明示されているのに全然気付かなかった。

そのトリックが結構大掛かりで私の好みにピッタリだったんです。

そしてその後、推理小説ではなく赤川次郎という作家の作品に夢中になりました。

あまり活字に慣れていなかった私が夢中になったのだから、この作品は推理小説初心者の格好の入門用テキストだと思います。


その頃はまだ赤川次郎はそれほど有名ではなく、その数年後に「セーラー服と機関銃」の映画化で一気にブレイクするのですが（このブレイクの仕方、形は違うけど東川篤哉に似ている）それと同じ頃に私の心は赤川次郎から離れて行った。

それ以降は推理小説というよりも大衆小説に近くなった様に思う。


「三毛猫ホームズの推理」や第二作である「三毛猫ホームズの追跡」、「マリオネットの罠」や短編ではあるが作者のデビュー作「幽霊列車」のような推理小説を、もう一度見せてもらいたいと願います。