常々思っていたんだが
ものすごく操作性がよく、便利なiPod-nano系列だが
操作系が筐体のスケールなりに小さく、運転時のBGM装置としては若干、心もとない。
さりとて、振動や揺れの連続する車内で、
iPodクラシックのようなHDDデバイスなどを使う気はない。
ある時、ハードオフ店内で
懐かしい
「iPod mini」を見掛けた。
この大きさ、機能性。
車内用に最適ではなかろうか。
但し、内臓ストレージはHDD(コンパクトフラッシュ(CF)型マイクロドライブ)。
…当時、CFの512Mですら相当な値段がしていたころ
まさしくケタ違いの容量を持つ革新的デバイスとして登場したものだ。
当時モノだが、価格は10万円を軽く超えていたっけ。
これが内臓アッセー部品としてビルトインされているにも関らず、マイクロドライブ単体より
遥かに安い価格で出ていたのが、このiPod-mini(と、ウチで今だ運用可能な状況にあるライバル機・Creative MuVo-2系列)
目端の利く奴は、これを取り出して
値崩れまでの一瞬のスキを突いて、暴利を貪っていたっけ。
懐かしいなぁ。
つまり、このまま使用するには
容量も足りないし耐久力もなく、根本的解決にはならない。
が。
スロットがCFである以上
フラッシュメモリのCFとは互換性があるわけだ。
登場当初からそのように思ってたんで、改めてちょっと調べたら
まあ出るわ出るわ改造事例、中には64Gなんてのを突っ込んだ剛の者もいるとかなんとかw
そこまでの容量は無くていいにせよ、いま使っている第4世代型iPod-nanoの倍程度…
16Gもあれば、かなりの使い勝手になるはず。
しかも装置自体がソリッドステート化するので、ちょっとやそっとの衝撃や振動に動じることはない。
ハードオフには5000円で置いてあったが、絶対そんな値段がするわきゃないw
当然、某オクに掛け合いまして
nano第3世代型(8G)と抱き合わせて3000円ほどwww
実質1500円するかしないか、ですねw
(バッテリが死んでるとかHDDがお釈迦とかなれば、それこそ1000円を割ることもあるみたい)
到着時の状態で、トラブル等まったくなし。
心配だったバッテリも、存分に生きている。
なんかちょっと加工するのがもったいなくもあるがw
こうして、ブツは揃った。
インストールするのは、先日まで現役稼動してた「MuVo-2」1号機の本体ご臨終により
取り出して保管されていた、極めて中庸な感じの16Gコンパクトフラッシュ。
昨今の廉価粗悪なものでもなければ、そうそう相性問題は出ないようなので、行けると踏んだ。
(つまり、以前から今回同様の魔改造をされたMuVo-2を運用し続けているわけでもあるw)
分解記事には事欠かないが、やはりそこは整備手帳ブログ(←
掲出して困る人はいないはずだw
さあ分解。
まず、上面プラカバーを剥ぐることから始める。
スキマが見当たらず、実質的にハメ殺しといっていい部分なので
一箇所だけ、極力見栄えに支障しない方向性で、ドライバーでこじった跡を付けた。
今後、バッテリ交換とかの必要性が出てくれば、ここを取っ掛かりにしてアクセスしよう。
カバーは両面粘着テープで止まっているだけ。
これを剥がすと、本体両端に小さなネジが付いてるのが見える(矢印の部位)ので
ネジ山を舐めないよう注意して(ネジ止め剤で固着されているので慎重に)、これを外す。
次は、底面ドックコネクタのカバーを剥ぐる。
上面同様、全くスキマはないので、ここも無理と思うなら
こじり穴を開けてしまってもいいだろう。
今回はたまたま、無傷で外れた。
固定は粘着テープと小さなツメ。あまり固くはないので、さほど気にすることはない。
曲げたり折ったりしないよう、焦らず剥がせばいい。
カバーの下には、このような止め金具が入っている。
形状はともかく、原理自体は外はめ式のCリングだ。
スナップリングプライヤがあれば一発なんだが、残念ながら手許にないので
これまた本体を歪ませたりしないよう、ドライバーで外側から慎重にこじって外す。
最後に、このコネクタを必ず外しておく。
iPodの操作系の要・クリックホイールのハーネスだ。
忘れたまま解体を続けると、ハーネスを引きちぎって泣きを見るぞ。
まあまあタイトな実装で、内部に余裕はあまりないので
結構きつく感じるが、焦らずそろりそろりと本体上側へ向けて押し出す。
くれぐれも引っ掛かりに注意。前面にへばり付いたクリックホイール部が強敵だ。
そして、肝心のマスストレージはというと
その裏側に、バッテリと並んで実装されている。
バッテリは中国組み立てながらも、安心と信頼のサンヨーブランド。
ストレージは、薄いビニテというかポリエステルというか・・・の粘着テープで
防振ゴム製ベゼルとコネクタに、がっつり固定されている。
これを剥がし、コネクタを引っこ抜く。・・・と簡単には言ってみたが
コネクタのピンや基部が相当華奢なので、じりじりと、焦らずに
両側から均等に抜いていく感じで。
・・・粘着テープの糊がベゼルの柔軟剤で沸いてしまってベタベタだぁ_(┐「ε:)_
CFの向きに厳重に注意!!
誤挿入防止措置はないので、逆向きでも刺さってしまう。
CFは側面の溝の太さで向きが解るので、これを従来のストレージの向きに合わせて。
常識的には、レーベル面が表面に来ればいいが
ラベルなしのバルク品だったりすると、表裏の区別が付かないことも稀にあるかもしれない。
…そもそも、そんなバクチ的な品物はあまり使いたくないがww
こうして、無事装着に成功。
この状態で通電だけ確認し、問題ないことを確認
(ホールドスイッチのオンオフで確認は可能だ)
さて、こうして組み上げたわけだが
不可解な動作を見た。
何でストレージが変わったのに普通に楽曲が流れるわけ?!!?!
一曲だけキャッシュに取り込まれてた?
いや、
次の曲も前の曲も出るぞ?!!?!
わけがわからないよ!
CFはフォーマットとかはしておらず
以前のMuVo-2装着当時のまま(つまりFAT32フォーマットの単なるマスストレージ)
楽曲データもそのまま。
まさかプレイリストにあるファイルを強引にサーチして探り当てた???
が、そのうち動作が怪しくなってきたw
さっき出た曲が出なくなり、選曲するとプチフリーズみたいになって
延々次の曲目を表示しては再生できず探し続け・・・
うーん、やはり大容量の本体キャッシュを持っているということだろうかw
バッテリは外した場面がなかったので、本体OS的には休止状態停まりだから
試運転時のキャッシュが揮発してなかったということか。
なるほど、そう考えるなら
HDDからは予想されるデータ(プレイリストの前後何曲か、かな)を前もって読み出したうえで停止させ
消費電力の抑制とハードウェアへのダメージ極限。この両面を実現する・・・
そういうシステムなのかな?と推測される。
というわけで、額面どおり「問題のあるiPod」状態になったのでw
迷わずPCに接続し、修復に掛かる。
あっさりと自己修復させ、再起動。
リンゴのマークが出て、真っさらの「白紙iPod」となった。
ここで重大事項。
USBポン付けで修復可能なのは、今回選んだ
『第二世代モデル(Rev-2)』
初代miniは、Firewire給電設備がないと、修復を完了させられない。
最後に必ず、Firewire→ドックコネクタの給電を認識させないと、
更新完了後コンセントマークの表示にになったまま再起動できなくなるらしい。
むろんFirewire変換ケーブルがあれば、どうという事はないのだが
このため、簡便に更新操作の出来るRev-2を選択したのだ。
簡易な識別ポイントは「本体裏面に[4G]などの容量表記があること」
これがRev-2最大の特徴。
更新完了、容量16G(実容量15G)を表示、転送/同期、再生、各種操作よし!
改造成功。大容量なタフプレーヤーの完成だ。
車内用プレーヤーのみならず、単身旅行時の超長時間プレーヤーとすることも出来る。
いいものが出来ました・・・・:*(*'ω'*人)*:・
で、私は
こういう機械モノには、必ず予備機…フェイルセーフを用意するという習性があり……w
さて、最後に余談。
当然ながら、この使い古された外観から窺い知れるように
このiPod miniは「中古ジャンク」です。
いま立ち直りつつある黒ゲート号には
その出自を偲ばせる「コーナーポール」が残っています。
人の手を渡った中古機械に、遍歴あり。
それは、このiPodも同じでした。
ひところ流行った「刻印サービス」。
本体に、レーザー彫刻で文字を刻印するカスタマイズサービスです。
その痕跡が、残されていました。
『(我流意訳)いつも心にユーモアを。 3/17』
誰が、誰に宛てたものかは判りません。
が、このiPodは
誰かが誰かに宛てたメッセージを、確かに載せていました。
本当はね。
外観まで完全リフレッシュして、フリントブラックでガッツリ決めようと思ってたんです。
現物が届いて、これを見るまでは。
キッパリやめました。
このまま使い倒しますw
バッテリが供給され
CFというマスストレージが顕在で
マザボが致命的な故障を起こさない限り。
こいつに載せられた想いの欠片を引き継ぐのは、この私です。
一度は命運尽きたはずの、iPod-mini
これからも、音楽を奏で続けて行きます。
もちろん、その音を受け止めるのは
「フリッツ・ゼンハイザー」。