久しぶりに整備ネタです。
買ったときからエアコンが効かなかった61マークⅡ。
去年真空引きをしてみたら、イケそうな感じがしたのでガスを入れたんですが…
残念ながらコンプレッサーがロックしてしまい重症化しました。
そこで!
今年は中古コンプレッサーを用意して、本格的にエアコンを修理しました。
この夏はなにかとスーツでイーグルに乗ることが多く、暑さや汗が重大な問題となったこともきっかけでした。
作業自体は6月17日、20日、27日の3日間です。
今回は携帯電話で撮った写真がメインなのであまり画像が綺麗ではないです。
さて、仕入れた中古コンプレッサーの状態ですが、オイル漏れの形跡があり、ハブまわりとケース前側が黒ずんでおりました。
この状態で組んでも失敗したら意味がないということで、思い切ってコンプレッサーオーバーホールに挑戦しました。
GX61のコンプレッサーは前期と後期で違いまして、後期型は新開発の10P15C型になります。基本的にはGX71やGX81とコンプレッサー本体は同じものだと思いますが、ガスの取りだし口の形状が違います。
GA61セリカXXやGZ10ソアラなども同じコンプレッサーですが、取り出し口が微妙に違う場合があるようです。
そんな10P15CコンプレッサーのO/Hキットなんて国内では出るはずもなく途方に暮れていると、とある日本人のポルシェ乗りの方がブログでエアコン修理の記事を書いているのを発見。
そのポルシェもなんと、10P15Cのコンプレッサーでした。
そのブログを参考にして、アメリカからO/Hシールキットを取り寄せました。
それがまた…
クレジット払いしか対応できない
クレジットの住所以外の場所には納品できないとか何とか。
しかもそれほんとに郵便番号か?正しい住所と郵便番号教えてくれって内容のメールが英語で届きました(笑)
てなわけで英語でメールのやり取りをして無事に日本にシールキットが届きました。
メールのやり取りをして
"Your order is completed."の文字が出た瞬間一安心でしたね(笑)
さて、前置きが長くなってしまいましたがここからが本番です。
まずはハブを外します。
シャフト先端のナットを外してプーラーを使って抜くとマグネットクラッチが現れます。
Cリング2個でクラッチ側とマグネット側が固定されていますので、マグネットクラッチを外します。
とりあえず古いシャフトシールは無視してフロントカバーのボルトを六角レンチで緩めてカバーを外します。
外すとこんな感じです。
このとき、小さなピンが2本取れやすいので失くさないように気をつけます。
この画像では上側がカバー側にくっついてきたのでなくなってます。
下側は付いてますね。
そして順番にばらして行って、パーツがわからなくならないように整理して保管します。
ここではすべて分解してしまいましたが、組む時に悲惨な思いをしたので全部分解することはお勧めしません…。
ケースが前後で半分ずつ別れるので、片方ずつ外して清掃、Oリング交換をすることをお勧めします。
すべて分解した様子がこちら。
ピストンの灰色の部分には特殊なコート剤が塗布してあるので傷をつけないように気をつけなくてはなりません。さらに、シャフトにピストンを保持する玉は、場所が変わると当たり面の関係であまりよくないのでずれないように保管します。
そして各部を簡単にパーツクリーナーで洗浄して、新しいOリングを取り付けてコンプレッサーオイルを十分になじませながら再度組み立てて行きます。
プレートの向きや上下に注意しながら組み立てたら、フロントケースカバーのシャフトシールを外してふたをします。
初日はここまでで終了。
後日のために段ボールに入れて保管します。
二日目はシャフトシールを挿入するところから開始。
Youtubeに10P15シリーズのシャフトシールの入れ方の動画がありましたのでそれを参考にしました。いろいろ検索すると出てくると思います。
シャフトシールの切り欠きとシャフトの切り欠きの位置に注意しながら十分にコンプレッサーオイルをなじませてゆっくりと挿入します。
シャフトシールを傷つけないように挿入したら、インパクトのコマのような筒状のもので奥まで挿入します。
そしてCリングをはめればシャフトシール装着完了。
マグネットクラッチとハブを組み立ててコンプレッサーは完成!
続いて内装関係に行きます。
コンプレッサーのオーバーホールができたので、今度はエバポレーター、コンデンサ、配管を洗浄します。
まずはエバポレーターを外すためにグローブボックスと助手席アンダーカバーを外しました。
エンジンルーム側EPRとのジョイントを切り離し、室内側から固定しているナットとボルトを外せばOK。
ちょっと外れにくいですが、これで外れました。
こちらが外したエバポレーターの様子。
綺麗ですね。
ちょっとフィンが歪んでますが、ドライバーで起こしておきました(笑)
コンプレッサーがロックしてしまったので鉄粉などがライン内部に入り込んでいる可能性があります。
コンデンサ、エバポレータ、配管は内部にパーツクリーナーを念入りに吹いて洗浄しし、エアブローして乾燥させます。
大事なエキスパンションバルブは新品に交換します。
同時にレシーバも新品に交換しました。
組み付け。
各配管のジョイント部はなるべく綺麗に磨いてサビを落とし、コンプレッサーオイルを十分になじませて新品のOリングを取りつけます。
オーバーホールしたコンプレッサーはオイルを注入してから取り付けます。
コンプレッサーにはSとDがありますが、S側からオイルを注入します。
10P15Cのコンプレッサーオイル規定量は153ccですので、今回はすべて内部洗浄したので150ccくらい入れました。
二日目はここで終了。
三日目は真空引きからスタート!
すべてが組みあがったら真空引きをします。
あとは普通にガスチャージをするだけ!
エアコンガス充填中…
レシーバーのサイトグラスに泡がでなくなるくらいまでガスを入れます。
GX61の冷媒容量は0.7kg(700g)です。
ガスは旧ガスR12を使いました。これは自分のこだわりです(笑)
1週間くらい様子を見て、念のため漏れ止添加剤を注入してエアコン修理が終了しました。
その後…
昨年までとは変わって、この夏は非常に快適に過ごせました。
現在でもエアコンはガンガン効いており、漏れの形跡もないようです。
MAXCOLDで吹き出し口の温度は6℃!
30年以上前の車としては十分です(笑)
とりあえず、来シーズンも大丈夫そうかな?
一応、エアコン修理は大成功と言うことになりました。
あぁ、コロナと81のエアコンも直さなきゃ…(苦笑)