
RaceChipというサブコンピュータがありまして(長いです)。
Fiat500 TwinAir用とポルシェマカン用,本家(ドイツ)から両方を同時に買って,もちろん同時に日本に到着したので,ほぼ同時に同じように装着したんですが……
ポルシェのほうはエラー吐きまくりでまったく動きませんでした(副産物としてエラーを消すのはうまくなりました)。Fiat500用は一発で動いて何も問題がないのに,同じ手順を踏んだマカン用はエラーの嵐です。
↓Fiats 500SのRaceChip記事
https://minkara.carview.co.jp/userid/657286/car/2730932/9830796/parts.aspx
Macan Sのエンジンルームご開帳(カバー取り外し済)。Racechipのコネクタが物理的に差せる場所は何か所かあるので,一応いろいろ試してみました
ターボ圧センサー部のコネクタと,マニフォールドセンサー部のコネクタの2か所にRaceChipのケーブルを割り込ませるという製品なんですが,割り込ませるケーブルをチェンジしてみたり(ペライチのマニュアルが間違えてる可能性もあるし),コンピュータ信号のクリアのためにロックしてから2時間ほど時間を置いてみたり(マニュアルには15分ってあるけど,まぁ一応),最初からコンピュータユニットは付けないでケーブルだけでエンジンを起動して様子を見てみたり(コンピュータ付けた瞬間にエラー出ましたけど),いろいろなことを試してみましたが,もうどうにもなりません。
標準状態で340馬力あるわけだし,まぁもう別にいいや疲れたし,と思って諦めて,本家にメールしました。さすがに代理店にメールしたって意味ないですし,そもそも本家公式サイトには
「30日以内ならrefundするよ」と書いてあります。時間を見てあれこれいろいろ試してたので30日ギリギリだったし,極東の島国のメールなんか適当にあしらわれても仕方ないなーと思ってたんですが,5日ほど経ったとき(最初の1通目は返信に時間を要しました),大変ていねいなメールが帰ってきました。曰く,
「まず以下の5stepに沿ってもう一度トライしてみてほしい。それでもエラーが出る場合は,あなたがどこにどのケーブルを付けたのか写真に撮って送ってくれませんか。で,これらはこちらからの勝手なオファーなので,30日のrefund期間は10日ほど延長しておきます。なので出来れば試してほしいです!」(意訳)
という内容です。私も別に強くrefundを望んでいるわけじゃないし,ここまで言ってくれるならまぁやってみるか……と思ってやってみました。これが
4月15日。結果として手順どおりにやってもダメだったわけですが,ここからRaceChip社の怒濤のフォローUpが始まります。
「じゃあこっちの方法でやってみてください」
「ケーブルが断線してるかもしれないし交換してみましょう」(←EMSの送料向こう持ちでホントに即送ってくれました。「交換」とは言うもののこちらからの返品はなし)
「Macan SのコネクタについてTechチームにもう1度聞いてみます」
「試しに逆に挿してみてくれませんか?」
「じゃあこっちの手順だとどうでしょう?」
45通ほどのメールのやりとりを経たあたりで,双方万策尽きました。
「これで動かないのはもう理由が思い付きません」
ここで先方も最後のカードを切りました。
「コンピュータユニットを送ってくれませんか。中身がおかしいのかもしれないし」
こやつがコンピュータユニットです。紫の部分はコネクタなので,実際にはそこから上の部分だけがメインユニットになります
さすがにケーブルのように追加で送るわけにはいかないようで(当たり前),先にこちらからEMSでドイツに送り出します。送料が2200円ほどかかりましたが,それは速攻でこちらの銀行に振り込んでくれました。つまり送料先方持ちです。
待つこと2,3日。「基盤に欠陥が見つかったので新しいのを送りました」とのメールが。不幸にもそのタイミングで中国出張10日間が入ったので,帰国して即到着したユニットを装着したところ……一発で動きました。これが
5月27日。1か月以上にわたったバトル(?)もようやく終結です。長かった〜。
私がMacan用に購入したRaceChipは,最上位ではなくて「RS」です(どうせMacanのパワーなんて使い切らないですし…)。399ユーロなので,送料抜きでざっくり4万8000円くらいでしょうか。遠く日本から,代理店を通さずにわざわざ直で買うような客を(いくら2台分フルセットで買ったとはいえ)50通近いメールでサポートしてくれて,交換用ケーブルを無料で送ってくれ,メインユニットをもさくっと交換してくれるなんて,正直ちょっと驚きです。
ここまでくると,どう考えたって最初のメールのときにrefundしたほうが「得」です。ドイツ国内の話であればレピュテーションリスクの低下もありうるので,丁寧なサポートをするかもしれませんが,へっぽこな英語を書いてくる日本人の客なんて,ねえ。
私の本業はIT関連ですが,IT関連の「販売代理店」なんて言っちゃなんですがそりゃもうひどい会社が山ほどあります。サポート業務をガン無視なんてまだ可愛いほうで,最近だと
クラウドファンディングにかこつけてカネだけむしりとるタイプの会社も目立ちますね。なので個人的に「販売代理店」に心証があまり良くなくて,リスクを承知で本家から購入したわけですが,想像を超えたサポートをされました。
ちょっと嬉しかったので,そういう会社もあるんですねえ,という報告と共に,へっぽこでも英語が出来るのであれば,RaceChipは本家からの購入がなかなかオススメです,と皆様にお伝えしておきます。長々とありがとうMargarita!(メールの名前が読めなかったのでGoogle検索したら,一発で本人が引っかかりました)。
ドイツは仕事で毎年1回必ず行っていた国なので,なんとなく個人的にも親近感があるし,そもそもドイツ人って日本人によく似てる気がします
Posted at 2019/06/03 16:27:59 | |
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