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2017年09月24日 イイね!

シリーズ【三原城の痕跡を辿る・その二十六 二の丸編②西札門跡】

シリーズ【三原城の痕跡を辿る・その二十六 二の丸編②西札門跡】三原城の痕跡を辿るこのシリーズ。

長い時間をかけて、ようやく城の主要な部分をご紹介していくわけなのですが、前回は、二の丸の概要に少しだけ触れました!

今回からは、城の中枢である二の丸があった場所を実際に歩きながらその痕跡を探していこうと思います!

さて、今回ご紹介するのは、三原城二の丸の西側の正門だった西札門(にしふだもん)です!




現在、西札門跡付近には説明板が設置されています。






説明板の図をもとにしてみると、実際にはこの辺りだったのかな、と。帝人通りのカーブしてるところがこのへんなので。






見る限り、それらしき痕跡は何一つ残っていないようです。

で、説明板にも書いてあるように、この門を通過するためには入城許可の札(ふだ)を見せなければならなかったので、札門(ふだもん)と呼ばれたようです。まさに、城に入るための正門であり関所であるというわけです。


西札門の形式は、東西の大手門と同じ櫓門だったことが絵図から読み取れます。


櫓門の例:広島城表御門


さすがは城の二の丸の正門です。入城許可札なしで突撃しても、こんな櫓門があったのでは返り討ちにされておしまいです。


また、折れ横矢掛かりの仕掛けもバッチリです。

門(虎口)の手前で道を直角に折れ曲がらせることによって敵兵の勢いを削ぎつつ、櫓門で敵兵を足止めし、櫓門と横の塀から正面・側面の同時攻撃を加えて一網打尽にしてしまおうという意図があると思います。

さらに、前回少しご紹介したように、このエリアは馬出(うまだし)としての機能が備えられていると思われる
ので、敵兵からすれば、二方向からの攻撃に怯んだときに、この大きな門の扉が開くと相手の兵士が一気に飛び出してきて蹴散らされる…というそれは恐ろしい仕掛け。

このように、二重三重にも防御の仕掛けが施されていることからも、まさに城の正門として重要なポイントであったことがわかります。

残念ながら、その遺構は現在全く残っていませんが、ここには三原城に入るための正門があったんだなぁ…なんてことに思いを馳せながら帝人通りを歩いてみるのはいかがでしょうか(^^)




つづく
Posted at 2017/09/24 19:00:05 | コメント(0) | トラックバック(0) | 三原城の痕跡を辿る | 日記
2017年09月10日 イイね!

シリーズ【三原城の痕跡を辿る・その二十五 二の丸編①縄張りについて】

シリーズ【三原城の痕跡を辿る・その二十五 二の丸編①縄張りについて】三原城の痕跡を辿るこのシリーズ。

この不定期連載を始めて1年半。

マニアックな痕跡をチマチマと追いかけて参りましたが、いよいよ城の主要部である二の丸の痕跡を探していきます!

まずは、

三原城の二の丸ってどの部分なの?

ってところからです。

本当は今回のこの記事を書くつもりはなかったんですが、二の丸の痕跡の記事を書いていくうちに、最初に触れとかないと文章がいちいち長くなってしまいそうなので書いておくことにしました(^_^;)

さて、本題に戻ります。

三原城の二の丸ですが、いつもの幕末慶応期の三原城絵図で示すと、この部分になります。


結構範囲が広いんです。

そもそも、三原城の縄張りについて少しだけ触れておかねばなりません。

◯分類
三原城は元々海だった場所にあった二つの小島をベースに、付近の海を埋め立てて造った平地にあるお城なので、平城に分類されます。

ちなみに、ざっくり言うと、山の上なら山城、平地とそこにある低い山や丘を利用していれば平山城といった具合です。

平城の例:広島城


平山城の例:姫路城


山城の例:備中松山城


◯縄張り
次に縄張りですが、城の主要な曲輪=郭(くるわ)の配置がどのようになっているかを見ていきます。三原城の場合は、本丸を角に配置し、それを二の丸、三の丸が三方向を包むようにして配置されています。

このような特徴を持つ郭の配置は、梯郭式(ていかくしき)といいます。


縄張の基本のかたち(枻出版『再入門 オトナのための城』p116より引用)

連郭式


梯郭式


輪郭式


梯郭式の説明の中で背後に自然地形を応用するとありますが、三原城の場合は本丸の背後に位置する桜山詰の丸として整備し、背後の備えとしています。

本丸天主台と桜山の位置関係


詰の城
一つの城の中で最終拠点となる地域,または曲輪(くるわ)。本丸一帯をさす場合と,本丸よりもさらに重要な曲輪を設けてそれをさす場合とがある。(三省堂大辞林より抜粋)

◯馬出(うまだし)
実はこの三原城の二の丸のこの部分、広島城の二の丸と作りが良く似ていると思うんです。


安芸国広島城所絵図(城の主要部を拡大したもの)


広島城二の丸


広島城二の丸は、馬出(うまだし)という構造になっていて、その狙いは、敵が攻め寄せて来たときにこの郭の虎口(門)の内側に自軍の兵士を待機させておき、そこで敵を迎撃することもできるし、一気に出撃させることもできるというところがポイントです!

馬出は、戦国時代に東日本の城郭でよく用いられ、豊臣秀吉も京都の聚楽第(じゅらくてい)にこの仕掛けを用いたようです。毛利輝元が築城した広島城は聚楽第を模して作られたといいますから、毛利家家臣で豊臣政権の重鎮でもあった小早川隆景がその影響を受けて三原城にも取り入れたんじゃないかな〜と想像します。

なお、馬出は慶長期(1596年〜1615年)に築城された近世城郭に取り入れられているものもあり、例えば、江戸幕府が天下普請で築城した名古屋城なんかにも馬出が存在しています。

◯主要な家臣の屋敷
江戸時代の初期を除けば、明治時代に至るまで浅野氏が三原城を治めました。三原城主となったのは、本家である広島藩浅野家の家老であった三原浅野氏ですが、実は、幕末になるまでは城主といえども主家の家老ですから、広島藩の藩政に参加するために広島の屋敷で生活をしていました。

なので、三原城には年に数回来る程度。代わりに、城代として三原城を預かっていたのは、三原浅野氏の重臣・戸田氏でした。

彼らのような城代クラスの重臣たちの屋敷が二の丸には並んでいました。ちなみに、城代を務めた戸田氏の屋敷はコチラ!


二の丸南東部にある船入櫓(ふないりやぐら)の付け根のような場所に位置していたようです。

ちなみに。三原城代の戸田氏歴代のお墓が三原市中之町に存在します。

写真はコチラ!


草ボーボーです(^_^;)

場所は、上でも少し触れた桜山の北側を通る大目木峠に位置しています。元々ここには戸田氏の菩提寺であった正法寺があったので、ここにたくさんのお墓が存在しているとのこと。なお、現在の正法寺は三原市本町に移転しています。




しかしながら、維持をするのも大変なのでしょう。この場所に足を運んだのは今年の8月初旬でしたが、三原築城450年事業の力で何とかしてあげられないものなのでしょうか。。


さて、三原城の二の丸に関する予備知識はこのへんにして、次回からはいよいよ三原城の二の丸の痕跡を探っていきます!!



つづく
Posted at 2017/09/10 20:23:50 | コメント(1) | トラックバック(0) | 三原城の痕跡を辿る | 日記

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まっつん.と申します。 野球が好きです。 広島カープが大好きです。 多分、石橋を叩いて渡るタイプです。 広島東洋カープ目指せ日本一!! ...
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