ここからは1950年代
2階の最後には50年代の高級スペシャリティカー
ポルシェ356

地味なシルバーだが、緻密にデザインされた曲面だということがわかる。
いかにも911やタイカンの始祖! っていう趣。
シボレーコルベットC1 1953年

調べてみると、C1ってマイナーチェンジでどんどんスタイルが変わっていったよう。
これはアメ車にしては大人しい初期型か。

内装の色使いは派手だけど。
右ハンドル化も視野に入れたインパネデザインかな。
フォードサンダーバード 1955年
メルセデスベンツ300SL 1955年
エスカレーターで3階にあがると、同じ1955年 観音開きクラウン

トヨタにとってはトヨダAAとともに原点なのだろう。
メッサーシュミット(ドイツ)1955年

敗戦国感がある。
飛行機を作らせてもらえなくなったメーカーが開発した、戦闘機のキャビンにタイヤを付けたようなクルマということで有名な3輪車。
同じ1955年 日本にもあった、フジキャビン5A

タイヤ3つ、ヘッドライト1つ、クッションを張り付けただけのシート・・・コストダウンが至上命題だったんだろう。

こちらも敗戦国感満点。
でもFRPボディによる丸みを帯びたスタイルには妙な未来感もある。
1959年 BMWイセッタ
こちらも3輪。乗り降りはパカッと開く前面から。

バックギアすら省かれていて、壁があるところに前から突っ込み駐車すると、後退も降車もできず、身動き取れなくなって車内に閉じ込められる、という話を何かで読んだ記憶がある。
ケータイ無い時代なら助けを呼ぶこともできない・・・
イヤだな、そんなクルマ (;^_^A
取って付けたようなバンパーは、そんな事態を防ぐためなのか
イセッタと同じ1959年のアメ車
キャデラック エルドラド ビアリッツ

狭い道や駐車場に困る。洗車たいへん。究極の無駄。
後輪より後ろ、要る?

メタリックパステルピンク?っていう感じの、外装と同じ色の革シート、初めて見た。
戦争での勝ち負けとは残酷なものである
でも300SLも同年代だから、戦争による国の差というより貧富の差ということなのか。
1958年 シトロエンDS19

変態デザインの珍車だと思っていたが、黒塗りピカピカの実車を見て印象が変わった。
同年代のクルマがたくさん並べられている中、視線が引き寄せられるような圧倒的なオーラを放っている。
写真ではわからなかった、現代のクルマにも通じる繊細な面の造形が美しい。

当時の大統領車だったというのも頷ける存在感。
デザインだけでなくハイドロサスペンションといったメカの先進性もあり、当時はずば抜けた未来感だっただろう。シトロエン、すごい。
やっぱり勝った国は違う。
1961年 三菱500

知らなかった、三菱にもチンクエチェントがあったとは・・・
ビートルの顔違いと思ったら

ボルボPV544 1959年
「昭和のクルマといつまでも」で見たような気が・・・
日本にもビートルっぽいのが

日野・ルノーPA62 1962年
トヨペットコロナ 1964年

これぐらいになると、子供のころに見たことはある。
1968年サニー(左)と1966年カローラ(右)

トヨタ日産のガチライバル
子どものころ見たことはあるけど、すでに現役感は無かった。
1950年代のフロアはまだまだたくさんあるが、すべて撮ったらキリが無い。

国産実用車の展示が多くなり、この時代に庶民にも車が行き渡っていったことが窺える。
1960年代以降は、スポーティーな国産車が多くなってくる。
ダットサン フェアレディSP310 1963年
ホンダ S500 1964年

ドラポジが低い
バイクのような切れ味が魅力だというのは、最近知った(乗ったわけじゃないけど)。
ダイハツ コンパーノ 1965年

乗用車ベースなのか、S500と比べてずいぶんドラポジが高く、一歩間違えればピックアップトラックに見えそう
2000GT前期型1967年 と ヨタハチ1965年

しっかり兄弟感がある。
シルビア 1966年

これは旧車の日本車では一番美しいと思っている好きなクルマ
でもイタ車のコピーなのかも。ボディピカピカ
コスモスポーツ 1969年
フェアレディZ432 1970年
ギャランGTO 1971年
いすゞ117クーペ 1970年
セリカ 1970年
50年代が実用車普及の段階だとすると、60年代以降のスポーティーカーの隆盛は、生活に余裕ができて嗜好品としての選択肢が広がったということか。
各社の意欲作が揃っていて、クルマ談義もさぞ楽しかったことだろう。
同じころのヨーロッパ車はというと
1965年 ロータスエリート

いいフォルム!
1965年 ジャガーEタイプ

メジャーな旧車。
エレガントさではやはりヨーロッパ車が一枚上手か。
そして・・・スーパーカーブームの中心的存在の一台

フェラーリ512BB 1979年
珍しく地味なシルバーながら、存在感は別格
最近のやり過ぎ感フェラーリよりこっちのほうがカッコ良く思えたりも。
同じ1981年 初代ソアラ

日本車では高級クーペ
トヨタ車の変遷の中では外せない1台だろう。
ここから先は、もう大人になってから見てる車
メルセデスベンツ560SEL

バブル期に一世を風靡。
自分の中では、ベンツといえばコレ。
当時、都内(山手線の内側)のガソリンスタンドでバイトしてた頃は、うじゃうじゃ走っていた。
出勤のたびに毎回実車に触れる機会があり、重厚なドアの開閉感と重めのアクセルペダルのフィーリングは今でも覚えている。
不用心なことに、給油口にロックが無かったような・・・
ここから日本車ヴィンテージイヤー1989年登場のクルマ達
高級車の代表はベンツに対抗したトヨタ渾身の1台 初代セルシオ

自分は興味を持てるクラスじゃなかったが、世界的に静粛性が評価されていた。
へビー系スポーツカーは、言わずと知れたR32スカイラインGT-R

いまも全く色褪せないデザイン
ライトウェイトスポーツカーとしてユーノスロードスター

イケイケバブル期のパワー競争の時代に、他とは異なる身の丈スポーツカーの魅力を提案したマツダも、それを選んだオーナーも賢いと思う。
間違いなく世界に誇れる名車。
今に続くミニバンの先駆け、初代エスティマ

これも色褪せないというか、今でも未来的に見える。
30年以上前のクルマとは思えないフォルム。
視覚的に動きが生まれる前傾Bピラーをスライドドアで成立させたのは凄い。
なんで今こういうの無いんだろう?保安基準?
レクサスLFA 2010年

これももう10年以上まえのクルマか。
2000GTとともに、オークション相場はいまや1億円コース?
1度だけ聴いたことがある昔のF1のようなV10サウンド
デザインは迷走感あるが、サウンドは最高、また聴きたい
最後に現代(げんだい)のエコカー

不格好だが記念碑的な初代プリウス
競合車だったインサイトや、三菱、テスラのEVも並ぶ。
フレームに収まらなかったが、テスラの左にあった最後の1台、先代MIRAIで締めくくられていた。
今回は動態は見られず残念だったが、展示車の多くは動かせる状態というのが素晴らしい。
単にクルマの進化だけではなく、一般市民に自動車が行き渡っていった時期や、クルマが開発された当時の国ごとの経済事情、クルマに求められるトレンドの変遷など、時代背景も垣間見ることができて興味深い。
2時間半ほど心ゆくまでゆっくり見学できた。
クルマに興味のない家族と一緒に来たらこうはいかない。クルマ好きはひとりで回るべし。
ちなみに、この博物館、個人的・非商用の撮影はOK。
往路の名神の集中工事に阻まれて観覧開始が遅くなったうえに、たっぷり見過ぎたため、次の目的地での滞在時間が削られる・・・

そそくさとお土産を買い、まともに昼食も摂らずに出発・・・どこへ?
この日の往路はまだ続く、とりあえず東海環状自動車道に乗り、北へ