自分の勝手な理想です(笑)
くるまの動きがもちろん一番大切なんですが、形状だったり
今後のセッティングのしやすさにもこの際だから考慮したい。
つまりプライベーターやサーキットユーザーに響く
最高の逸品にしたい!
例えば、サーキットの現場での車高の変更だったり調整のしやすさ、
そして前後のスプリング長を合わせて、セッティングの際に入れ替えられるようにしたい!
さすれば余計な費用も抑えられ、入れ替えで色々と楽しめる。
長さを統一すれば多銘柄のスプリングの評価もしやすい。
車高短にしてもストロークしてくれる”動く脚”が欲しい!
などなどの思いを
SPIRIT様にぶつけ、完成しました。
そのような訳で部位別に内容をご覧下さい。
【フロント】
車高調の長さが十分確保できている車なので形状が問題になる事は無い
たまにスプリングアッパー(スプリングを抑えつける皿)が無く、
直接アッパーマウントでスプリングを抑えているタイプがあるが、
キャンバーを付けていくとスプリングの有る部分にしか当たらなくなり、
いつも見た目で不安になる。(スプリングがヘタリそう・・・)
例えば、1Gの状態で誰かにステアリングを切ってもらうとピロアッパーの
ピロが回っている事からアッパーに対してスプリングが回っているのが分かるので
使いこんでいくうちにハンドルを切ると音が出るのもうなずける。
やはり、フロントにはスプリングアッパーシートとカラーを取りつけて不安を減らしたい。
で、スプリングアッパーを組んでもらった。
なるほど~ アラゴはピロアッパー裏が面なので直接スプリングを当てられないのね。
で、SPIRITの方はカラーとスプリングアッパーで有りでも無しでも両方出来る訳だ。
フムフム。。
※ちなみにアラゴにも直接スプリングを当てるピロアッパーは別にあります。
あくまで旧型の私のはスプリングアッパー仕様なのであしからず。
フロントスペースが長いS2000と言えど、もう一つ問題が出てくる。それはスプリングの長さだ。
一般的に販売されているS2000用の車高調のフロントスプリングはなぜかID65の8インチが
多い。(直巻きバネ)
同じレートでも太くて長い方がしなやかでかつ安定指向からかと思われるが、
ただし、SPIRITの場合、スプリングアッパーの上にカラーを挟んでいる事から8インチだと
ちょうどアッパーアーム付近にスプリングロワシートが
位置してしまう事から、車高調整時にアームが邪魔してとにかく調整しづらい。
俺って落としすぎ?(笑)
でも、SPIRITはカラーを挟んでいるのでKCSの7インチを組むとアラゴでの8インチと同じ位置に
なってくれた。
ここで3種類のフロントショックを並べてみた(笑)
左(ハイパコ6インチ) 中(ハイパコ8インチ) 右SPIRIT(7インチ)
ちなみに、スプリングアッパーシートを付けて、このID65の8インチを組むとこうなる。
幸いな事にこの画像でID65のバネはアッパーアームに当たるのでダメだという事が発覚した。
危なかった~ これで走っていたらガキガキ当たるところだった。
この写真の私の仕様は
トレーシーハイキャンバージョイントを装着しているので現在は4°命一杯。
おそらく、サーキットで速いと言われている3°~3°半以上は当たるでしょう。
つまり、ID65のバネだといよいよスポーツ走行をしたい!と思ってキャンバーを変更すると
バネが当たってしまってID60のバネを買い直す必要が出てしまいます・・・
すると?バネの上下のシート(皿)も旋盤で引き直すか、買い直す必要がでてきます。
とんでも無い出費になりますね~・・・・
だから、オーリンズや激速ショップさんの仕様はバネがID60なんですね~
自分のアラゴも途中の仕様変更からID60になっていたのはそういう事だったのか~
(今頃知りました(汗)フ~ 勉強勉強!)
でも、もしスプリングアッパーとカラー付きで8インチを組むと調整用のロアシートが画像のように
アッパーアームの位置に来ちゃうので調整できない。。。やっぱり7インチ以下ですね。
このような訳で、フロントの仕様は決まりました。 スプリングアッパーシート付きで
スプリングはID60の7インチで決定です。
次はこの同じサイズのスプリングがリアにハマるように考えます。
【リア】
もともとS2000のリアはスペースが狭いゆえに車高調の形状(長さ)で落としきれないという
問題が出てくる。
全高調整式でも落としきれない場合は短い6インチのスプリングを使用するか、スプリングを
遊ばせて車高を落とすしかない。
遊ばせると音が気になったり、ストローク(ロッド長)が足りずに底付きという現象が出る場合が
あるので、なるべく避けたい。
現状のアラゴでは3wayの別タンク化する以前は問題が無かったのだが、別タンクを装着すると
縮み(リバウンド)の低速と高速側の調整が可能となる訳だが、ショック本体をホースで繋ぐ為に
そのニップルの厚みだけどうしても全高を落とせない。。
さらに、ショック下(ロアアームと接続する部分)が昔ながらの形状なのでここが勿体ない。
このような形状から長年、フロントは8インチ、リアは6インチにテンダースプリングという仕様
だったのでが、ここでテンダースプリングを外すとむしろ車高は上がってしまう訳で、
スプリングを遊ばせない”ゼロタッチ”で走りたい私としてはショック本体の下側ケースに
長年不満を持っていた。
別タンクを外したらニップルの厚み(約1.5cm)落とせるが、最近のショックケースを利用すれば
もっとギリギリまで本体を落とせる。
そこでSPIRITのケースを使用すると思い通りの調整が可能となった。
これを見るだけでかなり落とせているのが分かる。(もう一つの穴は試作の穴で関係ありません)
右が、この状態から全高調整式のメリットを利用して本体を限界まで落として見る。
ケースに切ってあるネジ山の限界まで落とした画像です。
これでサーキットを走行しましたが、ストロークさせたロアアームの上下動にも関わらず
アームには当たりません。
素晴らしい落ちっぷりです。
やっと欲しかったショックケースが見つかったという感じでうれしさ一杯!
※ちなみに何と8インチのスプリングも同じ車高で入りました。凄い許容量!
でも、注意点としてはこのような形状のケースでも、実は見てみると内部に穴が開いていなくて
写真のように落とせないケースが有りますので要チェックです。
一方で、この下部ケースだけを利用してアラゴに使用できないか?とも考えましたが、
やはりというか残念ながらネジピッチが合っていないので使用できませんた(泣)
さて、ここまでローダウン化したショック本体ですが、更なる余裕を求めて私の場合、
スプリングアッパーをリアだけ装着しない事としました。
ショック下で落とせるのでもちろん左図のようにスプリングアッパーを余裕で入れられますが、
ハンドルを切って回転するフロントと違って、リアは単なる上下動。だとするとキャンバー4°も
ついておりますが、スプリングの座りは良いので他社品同様、無しで良いと考えました。
軽くしたいし!
そのような訳で、前回の走行でも確認出来ましたが、スプリングゼロタッチながらミラクルな
ストローク量が確保できました。
この仕様で走行した後に測定したストローク量は
FL:62mm FR:57mm
RL:60mm RR:54mm
しかも、こんなにストロークしてまだ余裕がある!!
やっぱり右回りのサーキットだとこんな数字になるんですね。
※ここで気づいたのですが、アラゴでの最終仕様ではテンダースプリングを外して車高を
下げる為にやむを得ずバネを遊ばせて調整したのですが、ストローク量は約50mmでした。
つまり10mmは底付きしてバンプタッチしてた計算です。
なので、クリップからの立ち上がりオーバーが出てたんだと納得できました。
やっぱりストローク量の確保ってとても大事ですね。
以上のすったもんだというかお勉強により、SPIRIT様のご協力により、私の求めるサーキット
究極仕様の車高調キットが出来上がりました。
やはり、最大のメリットはフロントもリアもどこまでも車高を落としてもスプリングを遊ばせる
必要も無ければ前後同一サイズのバネサイズとする事により、入れ替えたり、
最小限の出費(バネ購入費)で今後色々なステージを楽しめます。
S2000はご存じのようにあらゆるバネレートのパターンが存在し悩みますよね。
街乗り・ワインディング
8・10(またはこの逆)
スポーツ・サーキット
10・12(またはこの逆)
サーキット(ハードユース)
14・16(またはこの逆)
16・16
16・18(またはこの逆)
20・18
私はこれまでずっと、リア2Kg増し(16・18)という仕様が長かったのですが、今回の
初期セットでは16Kg・16Kgを選定しました。
あとは14Kg2本を用いてフロントに入れたり、リアに入れたりしてどのパターンが
一番良いのかをこの秋から走り込んでテストしてみようと考えております。
定説ではリアが固めの方が良いと良く言われますが、最近の走り込みでリアを130スタビ
にした場合はどうも前より後ろのようを2Kg落とした方がタイムが良いんです。
筑波では非常に分かりづらいんですが、これからタイムやドライビングフィールを見ながら
セットアップして行きたいと考えてます。
ちなみに早速ですが、フロントだけハイパコに交換して同じレートやスペックによる
乗り味の変化をサーキットで試して見ました。
結果は・・・全然分からずというか変わらず(笑) 俺って鈍い??(爆
撒き数や線径が違うからハイパコの方が固いイメージですね。
KCSの方が街乗りでは明らかにしなやかに感じます。
サーキットでは?・・・あんまり変わりませんね(爆)
さて、度重なる仕様変更というか私の細かい要望を取り入れて形にしてくれたSPIRIT様に
おいてはとにかく感謝申し上げます。
完成した仕様で前回筑波を走った感触はグッドでした。
※こんだけ車高を落としても前述のストローク量で全然余裕。どこにも当たりません!
もっと下げちゃう!??
ただ、ここであえて”ウルトラ最高!”と言わないのはまだベスト更新のタイムが出きて
いないからです。既にタイヤの山はもう無いし、気温は既に32℃越え。これではタイムも
出ないし現状では確認しようがありません。 でもはっきり言えるのはコーナリングが楽しい!
冒頭に申し上げたように、最高の脚はとにかくタイムという結果が付いてこないと”最高”とは
言えません。
タイム以外の”感触”、”動き”、”安定感”、”構造”、”今後のセッティングのしやすさ”などは
全てバッチリです!!
減衰クリックを2ノッチ変更しただけで車の動きに変化が出るのがうれしい。
後は結果のみです!
挙動については路面のうねりでの収縮性、追従性、トラクション、コーナリング中でのラインの
自由度など私の求める動きになりました。特に高速80Rや最終コーナーは最高!
これなら
GTCCに出れるぜ!!
それと、これが大事な事なんですが、”良い脚”は許容量が本当にデカイというか深いという事です。
私はてっきり、激速タイムを出すぶん蔵さんの脚はとてつもなく固くてピーキーな危険な脚では?と
感違いしておりましたが、ところが乗ってみると拍子抜けするぐらい乗りやすい。
つまり誰が乗っても速い!車が勝手に曲がってくれる!??
聞くと、サーキットや路面に合わせて車高や減衰を都度いじるけど、Sタイヤでもラジアルでも、
極端に言うと雨でも多少の減衰ノッチの変更だけでどこでも速く走れる。。。
若い頃、ずっとVガンマ乗りだった私からすると、やっぱり速いのはピーキーでパワー重視よりも
台形カーブを描き、乗りやすいNSRタイプが答えなんですね(ナンダソリャ(爆))
話は戻りますが、そのような訳で気温が20℃を切るまでベスト更新は持ち越しとなりましたが、
ここ数回走行した感触では間違いなく”楽勝”で自己ベストを更新出来ると感じています。
寒くなるのが楽しみで仕方無いのですが、腕を錆びつかせない為に暑さが落ちればすぐにでも
走りだそうと思っています。
今回は私も車高調の構造や仕組みを細かく勉強させて頂いたと同時に全ての
データはSPIRIT様に提供させて頂いたので、他のエスユーザーも同じ仕様を頼めます。
価格については私の希望もご配慮頂き、税込総額で30万内にギリで抑えるとの事。
やっぱりガシガシ使う脚としてはこのぐらいの価格じゃないとね。
これからエスに車高調をと検討されている方がいるなら一参考として下さい。
高額だし、長い付き合いになる車高調。
○ 始めは街乗りでも不快にならない10Kg近辺から始まり、もしサーキットを走るなら
14~16Kgへスプリング変更したりするので、前後スプリングの共用化、
○ そして何より、上記を上手くカバーする減衰セッティングの幅。
○ さらに、必要に寄ってはどこまでもバネを遊ばせずに車高を落とせる脚!
○ 車検の都度に車高を戻すならせっかくですから全高調整式が絶対いい!
○ バネ下の軽量化は大きいのでジュラルミン製がベター。
一度購入するとなかなか変更できない大きな買い物であると同時に愛車のドライブを
決定づける大きな商品です。
良い商品は他にもいくらでも有りますが、ここにたどり着くまでどれだけの勉強させられたか
という想いから色々書かせて頂きました。 あくまで私個人の経験からの戯言としてお願いします。
それと、くどいようですが最高の”脚”も、アライメントやタイヤの山、セッティングなどが
全て絡み合った時に最高の状態になる事を忘れずに。
そうそう、言い忘れましたが、減衰は前後20段。私のワイドでのセッティングは
最終、F:16 R:14がグッドでした。 つまり、まだ固める範囲を残しつつ、
ラジアルや通常の9J +40のナローボディーでもベスト位置が出せる減衰になっております。
減衰を戻せば街乗りもかなり改善されて不快にならないレベルで快適。でも抜き過ぎると
バネだけでボヨンボヨンはねちゃいますからね(笑)
せっかくこの脚を車検の為に外したので、取り急ぎサーキットを走らない夏シーズンは
しばらくアラゴに戻し、仲間内で使いまわそうかと考えています。
あのスライドさせまくりのトラクションがかからない
Kenちゃんやその他の方にもレンタルしようと
考えておりますのでその効果というか変化が楽しみです。
Let'sさん、
シーサーさん、またその他の皆さん、使って見る!?
ノーマル4.7ファイナルのS2000でも7秒8秒台に入りますよ!(^◇^)