走行データ等の比較
本戦のレポートにも書いたが、今回参戦するにあたって、車両のチューニングポイントは以下の通り、
・車高の調整
・エンジンフードの軽量化
・GTウイングの取り付け方法・位置(ハイマウント)の変更
・エンジン吸気取り入れ口の変更(新気導入、ラム圧)
結果として、前回レース時のラップタイムと単純比較すると51.5秒から50.6秒へとタイムアップ。
ちなみに、乗り手としての定性的な評価としては、「メッチャ速い!」である。
速度グラフ
9月のデータから12月にかけて、月を追うごとに速度が上がり、1周のラップタイムも速くなっている。
最高速度を比較すると。
9月:126.6km/h
10月:128.5km/h
12月:130.0km/h
チューニング効果を確認するため、データから読み取りたいところだが、外気温が違うため、エンジンパワーが変わり、気温補正をしないと正確な比較はできない。
残念ながら、今は手持ちのデータが少なく、補正する術がないが、なんとか今あるデータでできることを考えてみる。
とりあえず気温の影響がでにくそうな、コーナリング速度について、どれだけ速くなっているかについて考察。
ものすごく乱暴だとは思うが、ホームストレート、裏ストレートのほぼ直線である区間を除いた部分をコーナリング中と見立てて、データで比較
青線区間のデータを採用
データロガーから各コーナー区間の所要時間を割り出し
コーナー1区間 + コーナー2区間 = 全コーナー区間
9月 18.85秒 + 9.95秒 = 28.80秒
10月 18.50秒 + 10.25秒 = 28.75秒
12月 18.00秒 + 10.00秒 = 28.00秒
圧倒的に12月のコーナー1区間が速い。それと、10月のコーナー2区間が遅い。
コーナー区間だからエンジンパワーの差(≒気温の差)はあまり関係ないかと考えたが、ここまで違うと結構関係ありそう。
また、各区間の特徴として、
・コーナー1区間は、上りが多く、かつ高速区間
・コーナー2区間は、下りが多く、かつ低速区間
であるため、上りの状況ではパワー差が影響しやすいのだろうか。
まとめると、
・コーナー1区間は、9月から12月にかけて順当に速くなっている。
・コーナー2区間は、10月が特に遅い。
そして、コーナリング速度に関係しそうな要因は、
・9月はレースの使い古しタイヤ
・10月はリアの車高を上げている
といったところ。
次に、直線区間でどれだけ速くなっているかを確認
冒頭に記載のとおり、データ不足で気温補正できないので、何も考えず経過時間だけでみてみる。
コーナー区間に滞在している時間は先ほどデータから読み取ったので、残りの時間を直線区間滞在時間とする。
1周のラップタイム コーナー区間 直線区間
9月 52.16秒 - 28.80秒 = 23.36秒
10月 51.58秒 - 28.75秒 = 22.83秒
12月 50.60秒 - 28.00秒 = 22.60秒
データから、
・直線区間は、9月から12月にかけて順当に速くなっている。
そして直線速度に関係しそうな要因は、
・外気温
・吸気取り入れ口の変更
・ウイングのハイマウント化によるドラッグの増加
が考えられる。
以上のデータを基に、無次元化して各区間の滞在割合をみてみる。
コーナー区間 : 直線区間 直線/コーナー比率
9月 55.215 % 44.785 % = 0.81110
10月 55.739 % 44.261 % = 0.79408
12月 55.336 % 44.664 % = 0.80714
10月のコーナー区間の割合が大きいので、おそらく曲がるためのセッティングがあっていなかったのだろうと推察。
しかし、それぞれの月で1周だけのデータを解析しただけなので、サンプル数が少なく再現性が低い気がする。
本当に傾向を掴むには、それぞれの走行で最低20周以上の周回データを解析する必要があると思う。
直線/コーナー比率は、数字が大きくなるほどコーナリングマシンと言えるので、車種別に比較してみると面白そうだ。
結論として、
・コーナリング1区間の大幅なタイムアップに成功しているため、現在の仕様で方向性は正しい。
・直線の速度に関しては、気温の低下にもかかわらず、ぞれほど伸びていない。吸気取り入れ口の変更は、少なくとも悪い方向には働かないと考えるので、ウイングのドラッグ増加が影響している可能性がある。
・10月の足回りのセッティングは遅い。
データロガーはここまで。
次に、レース後のタイヤの状況について。
前回(10月)は4時間程度もったタイヤが今回、2時間30分程度しかもたなかった。速度が上がっているためかどうか・・・
右リア。外側ショルダーの限界により、タイヤ交換を余儀なくされた。
左リア。両側ショルダーの摩耗強い。センターが使えていない。
今回は、前回よりも早くタイヤの限界が訪れた。速度が上がっているのでその影響もあるだろうが、車高を下げていったことによる、重心とロールセンターの乖離及びロール剛性の低さによる影響が考えられる。
ロール剛性については、一緒にレースを走っているビートと画像で比較してみる。ちなみに赤ビートは、ウチより相当軽量に仕上がっているが、スプリングプレートも相当低い。
ウチ
Kind House Racing様
よくわからないw
ちなみに画像は「飛べないブタ」様から許可を得て転用m(__)m
とにかく足のセットをキメていけば、タイムアップにつながると思うので、ノビシロはまだまだある!
来シーズンが楽しみだ。。