
タイヤの試乗インプレッションて、じつはファーストインプレッションが当たっていることが多いんです。
だからなるべく先入観を持たないように走り出すのがコツなんです。
事前に資料を見たり説明を受けたりしますが、それはあくまでもメーカーの狙った性能であったり、目標であったりするわけで、それと実際のタイヤの出来は別・・・ということです。
「このタイヤはコンフォートタイヤなんです」
今回、そんな説明(?)を受けましたが、余計なイメージを膨らませずに走りだします。
走り出してまず感じたのは、
コンフォートというほど静かじゃないし、タイヤも柔らかくはないぞ。
ということでした。
ただ、ゴツゴツした荒っぽい硬さもありません。
ちなみに車速は40km/hくらいまでのスピード域の話です。
ほんの短い時間で集まった情報は
①コンフォートタイヤらしい。
②コンフォートというほど静かじゃない。
③タイヤは柔らかいとは感じないけどゴツゴツもしていない。
ということになります。
たったこれだけの情報ですが、この情報や印象を元にタイヤのキャラクターを類推していくわけです。
静かじゃないと感じたのは、ジャーというタイヤが転がるノイズがそれなりに聞き取れるからです。
これはゴム硬度とトレッドパターンの影響が大きいんです。
でも、ゴツゴツした硬さがあまり感じられないということは、コンパウンドのゴム硬度はそれほど硬くないということです(これは実際にトレッドゴムを触ったり爪を立ててみたりしてもわかります)。
つまりトレッドパターンのデザインは静粛性を重視していないか、静粛性を高める工夫が成功していないということになります。
写真のトレッドパタンをみると判ると思いますが、横方向の溝は細い溝と太い溝が交互にたくさん入っています。
横方向の太い溝は、タイヤが回転するときに路面に当たり、打音となってノイズを出し易いんです。
ただ太い横溝は縦溝に貫通していません。
この溝のデザインはノイズを低減することを意図したものです。
それから、太い溝と細い溝を交互に組み合わせていますが、これはブロック剛性を強くし過ぎないということもあるのでしょうが、ショルダー部のブロックは小さいほどタイヤが滑らかな転がり感が出ます。
8角形より16角形、16角形より32角形のほうが滑らかに転がるという理屈です。
なので、滑らかな転がり感を出す・・・つまりコンフォート性を高めようという意図が読み取れるわけです。
なぜ太い溝を作ったのかと言えば、これは排水性のためでしょう。縦溝と貫通させなくても、溝を細くしてしまうよりは太い横溝があったほうが排水性はよくなります。特に高速走行時にハンドルを微妙に切った時の旋回時のタイヤの路面へのコンタクト性は高くなり易いんです。
単純に、初期のデザインでは横溝が縦溝に貫通していて、ノイズが大きいので、リブ(縦のブロック列)を追加してノイズの低減を図ったという可能性もありますが・・・。
説明がくどくなりましたが、そんなわけで、ちょっとノイズは大きめ(コンフォートタイヤというには)で、乗り心地もソフトではないぞ。というのがファーストインプレッションでした。
ただ、ダメダメなタイヤかというとむしろ印象は悪くありませんでした。
なぜかというと、ソフトな乗り心地じゃないけれど、その分しっかりしていてしっかり感があり、ハンドルの応答も悪くなかったからです。
街中の流れに沿ってもう少し走りながら、疑問点や違和感を整理・検証して行くことにします。
Posted at 2010/02/10 10:42:48 | |
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