
ザスパ草津2-1カターレ富山。
前節8試合目にして白星を手にしたザスパ草津は、昨年J昇格1年目ながら堅守で旋風を巻き起こしたカターレ富山をホームに迎えての一戦。ザスパ草津は昨年のポゼッションサッカーに守備を植え付けようと模索中の段階だが、対するカターレ富山も昨年の堅守に攻撃力を融合しようと模索中で、お互い今シーズンの序盤は苦しんでいるチーム同士。また、副島博志監督は昨シーズンはカターレ富山のヘッドコーチだったとあって注目の試合となる。
試合前にこの試合を占う伏線があった。ザスパ草津は強風を考慮して敢えて前半風下の陣地を選択。この風が試合を決める。
試合は前節からメンバーの変更無しで臨んだザスパ草津が持ち前のパスワークで序盤から圧倒する。そして前半開始早々ゴールまで30mの距離からのFKをキャプテン松下裕樹が豪快なブレ玉でゴールを射抜く。風下から放たれたキックは無回転で伸びていき、ゴール直前で向い風の力も加わって大きく変化した。本人も「練習でもめったに蹴れない」というワールドクラスのFKだった。その後も中盤を制圧したザスパ草津が圧倒する中アクシデントが発生する。前半35分インプレー中にポゼッションサッカーの中核を担う熊林親吾がピッチ外へ。そのまま交代となる。どうやら筋肉の張りを訴えて自己申告で交代したらしい。交代は若きドリブラーの山田晃平。しかし熊林が抜けたことで、中盤でのボールの収めどころが無くなったザスパ草津は段々失速。カターレ富山のペースになってくるが、このまま前半は終了。
後半修正が鍵になってくるが、立ち上がりからカターレ富山のペースとなりCKからとうとう失点。そこから次々と決定的なピンチを迎えるも、カターレ富山の決定力の無さに助けられ失点はせずに時間が進む。後半21分にこちらも若きドリブラーの菊池大介(U-19日本代表)を入れて、個の力での打開を図っていく。一身一体の攻防が続く中、試合を決定付けたのはまたしてもキャプテン松下。左サイドからのFKを「キーパーの頭越しに狙った」というキックは風に乗って伸びて行き、キーパーがかろうじて触るもクリアが小さく、ゴールへ詰めていたラフィーニャの目の前へ。これを押し込んで2点目を奪う。その後カターレ富山は同点を狙ってロングキックを入れてくるものの、強風でボールが飛ばない状態に。試合はそのまま終了し、嬉しいホーム初勝利と共に連勝となった。
この日試合を決めたキャプテン松下裕樹は地元群馬出身。前橋育英高を全国ベスト4へ導いた当時もキャプテンとしてチームを引っ張っていた。当時から糸を引くような長短のパスを繰り出すボランチとして注目していたが、所属先が無くなり2007年に練習生としてキャンプに参加していると聞いた時には、これでチームの柱が出来ると喜んだものだ。今ではザスパ草津の顔として絶大な存在感を放っている。今オフには他チームから獲得のオファーがあったらしいが、地元チームでのプレーを望み断ったそうだ。今後もチームの顔として、キャプテンとして引っ張っていってもらいたい。
今季ホーム初勝利と連勝となったが、試合序盤の圧倒的なボールポゼッションを軸にした「強さ」と、一転それが出来なくなった後半の「弱さ」が垣間見られた。この「強さ」と「弱さ」が同居するチームが今後どちらに転んでいくのか?どのメンバーが出場しても同じサッカーが出来ないと今後厳しくなるだろう。真の「強さ」を求めて、これからも進んで行ってもらいたい。
それにしてもホーム勝利後のみ行う、選手との「草津節」は最高に幸せの瞬間だ。これから何回も出来るように選手を後押ししていきたい。
次節は5月2日(日)にアウェイでのFC岐阜戦。当初は参戦しない予定だったが、サポ仲間の「行きたい光線」に負け結局参戦することに。今節負傷交代した熊林の状態が心配ではあるが、代わりに出場した山田、菊池などのフレッシュなメンバーの活躍に期待したい。
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ザスパ草津 | 日記
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2010/05/01 08:36:11