
前回、アライメントの記事を書きました。
当たり前の事ですが
アライメントは工場出荷時が一番完成されているんですよね。
今回、アライメントについて紹介するのは意外(?)にもLSです。
スポーツ走行に無縁と思えるLSですが、タイヤがあってサスがあって、舵をきって進む以上、アライメントとはやはり無関係ではありません。
そんなLSに求められたのはグランドツーリングには必要不可欠の直進安定性です。
直安の向上にはアライメントが設計の狙い通りに出ているかが重要です。
フロントサスペンションはモノコックボディの場合、アッパーアームがボディ、ロアアームがサブフレームに取り付けられます。
従ってサブフレームのズレがアライメントに直接影響してしまいます。
普通、ボルトとボルト穴にはラインでの組み付け性向上の為にある程度の遊びが設けられています。
(この遊びが少なからず、組み付けスピード→生産台数、コスト→車両価格に影響しています。)
LSの場合はこの締結ガタを極力削っています。
またサブフレーム、アーム類をアルミ製にし機械加工を施す事で、スチール製に比べて精度を向上。
アッパーアームはステアフィールの良い、ダブルジョイント式を採用していますがその分アライメント出しが難しい。
取り付けに関しては通常はボディからの絶対距離しか測定しませんが、アーム対アームの相対距離も測定する事で更なる精度を確保しています。
リヤサスペンションに関してはアーム取り付け点を全数測定し、そこからロールステアを算出、選択式のプレートによって基準値に設定しています。
ロールステアとは実際に走行し、車両バウンド時やハンドル操作時に発生するアライメントの変化の事で、市場で測定する事が出来ません。
これを行っているのはLSだけで、LSだけがリヤのアライメント調整がカム式ではなくてプレートの選択式になっています。
工場で設定された値を誤って弄ってしまわない様になっているんです。
しかもこれらのアライメント値は車両フレームナンバーと紐付けて管理され、アライメント精度保障と次に生産される車両のフィードバックに活かされています。
これらの工夫と対策によってLSは、従来車両に比べて直安が7割向上(アライメント精度のみで)。
LS対LSの車両間バラつきも3割低下させています。
つまり、全てのLSがバラつき無く総じて良い直進安定性を誇るんですね。
まぁアライメントの精度が高いという事は、コーナリングでの運動性能も高いという事にもなりますね。
とにかく表には出ない地味な部分ですがLSはこんな所にもお金が掛かっています。
もうすぐビック過ぎるマイナーチェンジが行われる予定ですが、LS、マジでオススメですよ^^
買って損無し!
Posted at 2012/07/19 20:07:32 | |
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LEXUS LSの話 | クルマ