先月6月28日に日本経済新聞にて「マツダ、ロータリーの航続距離延長は中止 PHEVとHEVへ」との報道があった。
記事によると「 MX-30をレンジエクステンダーEVではなくPHEVにすると、エンジンの高出力化とともに動作頻度が増えるものの、コストが高い電池の容量を抑えられる。一般に、PHEVの電池容量は10kWh前後である。低価格化しやすく、消費者は購入しやすくなる。」とあった。
マツダがなぜレンジエクステンダー(以下RE)を当初計画をしたかというと、ロータリーを使わないREはEV走行中は振動が少ない乗り味だったのがバッテリーの電力がなくなったときに、発電のためピストンエンジンで発電が始まると振動が大きくなり、違和感を感じるのだそうだが、ロータリーによる発電では振動が少ないことから、高級車に採用すれば、他のメーカーには真似できないマツダならではの長所になるからだ。
しかし、昨今の急速に自動車メーカーが電動化へ舵を切った結果、バッテリー本体や原材料の供給が不足する可能性があり、コストも上昇していくと思われる。ニッケルなどの原料も果たして安定した供給ができるのか、まだ混とんとしている。
さて、レンジエクステンダーとはEV (電気自動車)の航行距離を伸ばすために、補助としてガソリンで発電できる機能のことでシリーズ方式のハイブリッドシステムの一部ともされ、違いは、シリーズ方式のハイブリッドよりも、レンジエクステンダ―EVの方がバッテリー容量が大きくなるのだそうだ。

つまり、バッテリーのサイズが自動車の価格の上昇につながるのだ。これが、マツダが取りやめにしようとしている理由とされている。
しかし、もう一つ理由があると私は思う。
「図解 自動車エンジンの技術 畑村耕一・世良耕太著 ナツメ出版」

によると、BMW i3(RE)とBMアクセラ(GE)、プリウス(HEV)と燃費を比較材料にして、空気抵抗、車重、転がり抵抗も考慮して考えるとガソリンモデルよりもREは街中での走行では優れるものの、高速走行ではやや劣るとし、シリーズパラレルハイブリッドには敵わないとしている。
つまり、マツダはコストだけではなく、今後のCO²排出量、あるいは燃費という視点からみても、プラグインハイブリッドやシリーズハイブリッドが有利と判断したのではないだろうか?REでは、その他のメーカーに後塵を拝すと考えたのではないか。
マツダが生き残りを考えたとき、EVの時代にはバッテリーの供給からしてもまだまだゴールは見えにくいが、ハイブリッドであれば、確実に販売台数が見込めるうえに持ち前のロータリーを生かしながら、充電し施設が少ない地域でも販売が可能となり、さらに需要が見込めると考えたのではないだろうか?
また価格を抑えるとなると、コンパクトクラスでの搭載がさらに現実化することになり、フィットやヤリスに対抗できるハイブリッド車として市場投入できることになる。
確かに選択肢は一つ少なくなったが、決してこれは戦力不足になったわけではなく、他のメーカーと肩を並べる、あるいは、一歩先に行くための判断をしたのでないだろうか。
ただし、REの搭載はマスコミの報道であって、正式な発表がされたわけではない。もし、REの搭載が見送ったとしたら、このような理由ではないかと考えたわけで、あくまも予想である。
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2021/07/07 21:54:13