
7番目の愛車はいすゞ ジェミニ ディーゼルLS(後期モデル)で、家族も一人増え、使い勝手のいい4ドアセダンということでこの車にしました。
ツインカムのZZにしようか少し迷いましたが、当時出はじめのディーゼル車にも興味があり、加えて、可処分所得の低いシングルインカムのサラリーマン家庭ゆえ、家計の面からも燃料代の安いディーゼルモデルを選びました。
ヨーロピアンテイストのエクステリアが特徴で、メッキパーツの少ないプレーンなデザインがとても新鮮でした。その頃のいすゞはGMと提携、オペルカデットのボディとシャシーを流用するなど、基本的なスタイリングは欧州車そのものでした。
またスペースシャトルにも使われた素材、ニューセラミックのグロープラグが売りで、
ディーゼルでは当たり前だった始動時の予熱が不要になり、ガソリン車からの乗り換えでも違和感はありませんでした。
2000rpmで最大トルクを発生するディーゼルと3速ATの相性は抜群で、ガソリン車に引けを取らない動力性能、静粛性も高く扱いやすいものでした。
ふだん使いでディーゼル車のハンディを感じることはなく、むしろ、“特別なクルマ”に乗っている優越感みたいなものがありました。
駆動方式はFR、足回りは前ダブルウィッシュボーン、後3リンク式リジッドと、オーソドックスなものですが、基本設計がいいのか、メーカーのいう“フットワークディーゼル”よろしく、軽快で剛性感のある走りが楽しめました。
そして何よりも、20km/ℓの実燃費は当時としては特筆もので、財布に優しく、家族でよく遠出をしたものです。この頃、第2次オイルショックで燃料代が高騰、本当に助かりました。
写真は、40年前の春、群馬・長野方面に1泊2日の小旅行をした時のもの。
碓氷峠に向かう旧道のめがね橋付近で、奥の方には、まだ健在だった急勾配の信越線の橋梁が見えます。
当時パソコンやスマホは無く、ご当地の天気はノーチェック。3月下旬というのに前日に大雪が降ったらしく、このあたりから雪道に。さらに峠に近づくと完璧な圧雪路状態です。
迂回しようか迷ったが、数日前に新調したサマータイヤはしっかりとグリップ。
(ゴムが新しいせい?)、低速トルクの厚いディーゼルエンジンと相まって、
多くの車がスタックしているのをしり目に、トコトコと登っていくではないか!
なんとノーチェーンで、無事走破してしまいました。
碓氷峠を登りきった県境で記念撮影 風が冷たかった。
野尻湖にて みごとな冬景色です。
調子に乗って、枝道のどん詰まりまで行ってみました。
新品のサマータイヤ、おそるべし!
八ヶ岳を望む
長野県上田市あたり?
雪道特有の汚れ方がいい感じです。
実はこの車、新車で買ってすぐ、出張先でゴルフボール大のひょうが降りそそぎ、無残にもオールディンプル状態に 泣く泣く、板金、全塗装する羽目になりました。
元々は「白」ですが、同じ色では芸がないので、車関係の仕事に就いていた弟に頼み込み、ポルシェの赤に染め直してもらいました。
実際にポルシェの「赤」だったかどうかは定かでありませんが、ジェミニ純正の赤より明るく、発色もあざやかで、よく「外車ですか?」と声を掛けられ、少し鼻高でした。
ついでに、フェンダーミラーからVWゴルフ用のドアミラーに替えてもらいました。
いすゞ自慢のグロープラグが、負荷がかかるのかセラミック部分にクラックが入り、かかりにくくなったり(改良型への交換で解決)、防錆処理が甘いのか、鋼材の質なのか、錆やすいなどの欠点もありましたが、その分、愛着も湧き、また、ディーゼル車のキャラも気に入ってしまい、結果、長い付き合いになった、相棒のような一台でした。
Posted at 2024/08/13 08:19:49 |
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