
昨日見てきたこの宝物。
何枚か撮影して色々な角度からディティールの写真を記録できました。

真後ろから見るとVバンクセンターからモリモリ出ているエキパイが特徴的です。等長のマニホールドで3気筒ずつまとめてストレートパイプが4本。ピットアウトしていく際はクルーにも耳栓が必須だったでしょう。
ギアボックスの左側に見える銀色の箱は燃料のコレクタータンクだそうです。レースで最後まで残らず燃料を使い切るためにかなり苦慮したということです。

このエキパイの形状は手もとにある現役当時の各レースの写真の、いずれとも微妙に異なっています。1973年に公開された際の写真とも違うので、その後にレストレーションされた際作り直したものなのでしょう。しかし大筋同じ形式で美しくできている物なので、四の五の言うべき問題ではありませんね。

反対の右側やや斜め前から。インテークマニホールドはダブルのカムシャフトの中間にあり、エキゾーストはVバンクの内側から上に出す形式です。60年代にはインテークとエキゾーストの方向は色々試されましたが、70年代以降は主として理想的なプラグ配置と狭くなるバルブ挟み角のため、Vバンク内側吸気、外側排気が主流になりましたね。
インテークトランペットは写真から想像するより細く長い感じがしました。その上にかぶせてある粗い一体型のネットとか、下側に見える透明な燃料供給シリコンチューブあたりに郷愁を感じ、興奮しますねえ。

リアサス周りのアップ。アッパーIアーム、ロアー逆Aアームに前方からの上下ラジアスロッドで位置決めする70年代半ばまでは主流の形式です。このクローム仕上げのアーム類やアンチロールバーにもオジサン達は感涙します(泣)
ドライブシャフトは等速ジョイントでなく、インアウトともクロスジョイントで、サスストロークによるシャフト長さの変化には中間のスライドスプラインで対処してあります。ギアボックスはこういうカーキ色の仕上げなのですね。

前に回ってフロントホイールの詳細。ホイールはHONDA内製のマグネシウムだと思います。なんと6本スタッドのナット締結。この時代はレース中にタイヤ交換は基本的にありませんからこれで良かったのです。フロントのブレーキキャリパーは対向2ピストンのようですね。ホイールハブの中心は中空パイプ状で真中の穴から向こう側のボディの白色が見えています。

前方から俯瞰で見ると現代の羽お化けなF 1よりスリークかつスリムではるかにスタイリッシュです。エンジンより前側のボディ形状はLOLAそのものなのですけどね。なおフロントサスはロッキングアーム式のインボードスプリングです。1967年のイタリアGPでプラクティス後、スチール製アッパーアームのサスピボットより内側に、座屈の兆候が発見されて当て板を溶接する緊急補強が行われたそうです。

後方からの俯瞰。白いパイプはエキパイ下に潜む点火系ユニットを走行風で冷却するためのダクトだと思います。
このRA300は昨年の
モテギ復旧イベント
で実走する姿を見られました。野性味あふれるV12サウンドに圧倒されましたね。今回、現物を近くで見られて大変楽しかったです。
オマケ①

トロロッソが実際使用しているF 1用リアホイール。金曜日で空いている隙に手で持たせてもらいましたが確かに嘘みたいな軽さでした。
オマケ②

PIRELLIコーナーにいた方。かなり刺激的なコスですね(笑)
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クルマ | 日記
Posted at
2013/01/13 00:32:57