◇客から駅員に暴力、9年で3倍 「リーマン後に急増」◇
朝日新聞 2010年6月22日
駅員や車掌に暴力を振るう乗客があとを絶たない。
全国の大手私鉄では9年間で3倍に。
鉄道各社は、警備員を配置したり防犯カメラを増やしたりするなど対策に頭を悩ませている。
「なんで払い戻しできんのや!」。
南海電鉄の大阪府内の駅に勤務する30代の男性駅員は4月の
夜、酔った男性客に頭突きをされて鼻の骨を折る重傷を負った。
運賃の精算をめぐって他の駅員に詰め寄っているのを止めようと割って入った時の出来事だ。
別の関西の私鉄でも昨年3月の深夜、客の対応をしていた男性駅員が、
近寄ってきた別の男性客に「こっちの対応をしろ」といきなり右胸を小突かれた。
「座席で眠り込んだ乗客の体をゆすって起こしたら突然殴られた」といった報告例もある。
日本民営鉄道協会(東京)によると、首都圏や京阪神などにある大手私鉄16社の駅員や
車掌が2009年度に客から暴力を受けたのは計231件で、調査を始めた00年度の75件の約3倍に上る。
近鉄、南海、京阪、阪急、阪神の在阪5社だけで09年度は3割を占めた。
加害者の多くは酔っぱらいで、週末の午後10時から終電までの間に多発している。
京阪の広報担当者は「(08年9月の)リーマン・ショック以降、特に目立つ。
不景気で生じる様々なストレスを、酒でも飲んで発散しようとするのでしょうか」と話す。
南海は対策として、09年度に新今宮駅(大阪市西成区)や天下茶屋駅(同区)など
4駅のホームの防犯カメラを増設した。
広報担当者は「お客さんであっても犯罪は犯罪。厳しい態度で対処したい」という。
阪急では約2カ月に1回、新任の駅員や乗務員らを対象に「危険予知トレーニング」を開いている。
泥酔した乗客のイラストを見ながら、起こりそうなトラブルの種類とそれを避ける方法を話し合う。
駅員全員に防犯ブザーを持たせるなどの対策をとっている私鉄も多い。
日本民営鉄道協会の担当者は「暴力は、相手はもちろん、自分自身や家族も不幸にすることを
広く社会に知ってもらう活動を続けていくしかない」と話す。
JR西日本は「逆恨みなど新たなトラブルの恐れもある」として具体例は明らかに
していないが、09年度は146件で、04年度(45件)と比べて3倍以上になった。
社員の防衛策のため、棒の先のU字状の金具で相手の動きを封じ込める
「さすまた」を全駅に常備している。
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◇キレる60代…JR駅員らへの暴力最多◇
2011年4月24日11時17分 読売新聞
JR東日本八王子支社管内で昨年度、駅員などへの暴力行為が53件発生したことが、
同支社のまとめで分かった。過去5年間で最多だった前年度よりも8件減ったが、
3年連続で50件を超えた。
まとめによると、加害者は60歳代が15人と最多で、50歳代が11人、30歳代が
9人などと続いた。全体の約7割が飲酒していた。女性加害者は1人だった。
発生時間別では午後10時~午前0時台が16件と最も多く、午後7~9時台の
12件、午前1時台~終電の8件と合わせて、夜間・深夜帯の発生が7割近くを占めた。
昨年11月には車掌が特急の車内で60歳代の男性客に
切符の確認を求めたところ、突然腹部を殴られた。
車掌は腹部に全治2週間の打撲傷を負った。
このほか、乗客同士のトラブルを仲裁した駅員が
顔を殴られたこともあったという。
同支社は「暴力は犯罪で、許容できない。件数は高止まりの傾向にあり
被害届を警察に出すなど毅然(きぜん)とした態度で対応したい」としている。
車内や駅にポスターを掲示し、乗客の啓発に努める方針。
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◇駅員に暴行、日本経済新聞社記者を逮捕 警視庁丸の内署◇
2011/5/4 1:00 日本経済新聞
警視庁丸の内署は3日までにJR東京駅の駅員を足で蹴ったとして、日本経済新聞社
証券部記者、橋本慎一容疑者(32)を暴行の疑いで現行犯逮捕した。
逮捕容疑は2日午後1時ごろ、東京都千代田区丸の内1のJR東京駅八重洲中央口の
東海道新幹線改札近くでJR東海の男性駅員(19)の左足を2回蹴った疑い。
同署によると橋本容疑者は券売機で入場券を購入した際、釣り銭の100円硬貨を
500円硬貨に両替するのを断った駅員に暴行。
その場で駅員に取り押さえられた。
容疑を認めた上で「社会人として非常識だった。
(駅員に)謝罪したい」と話しているという。
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◇駅員への暴力、過去最悪水準続く 理由なき暴力が多数◇
2011年7月12日7時0分
JR本州3社(東日本、東海、西日本)と大手私鉄など全国25の鉄道会社は
11日、2010年度に駅員や乗務員が受けた暴力行為の件数が868件だったと
発表した。
過去最悪だった09年度に並ぶ水準で、各社とも有効な対策を見いだせていない状況だ。
暴力行為は07年度から増加傾向が続き、09年度は869件と3年連続で過去最悪を更新した。
10年度の被害状況をみると、加害者の6割近くが飲酒しており、金~日曜日の午後10時以降に
多く発生する傾向にある。
加害者の年齢別では、20代以下から60代以上まで大差はなかった。
JR東日本管内では、全体の4割近い333件が発生した。
JR豊田駅(東京都日野市)では昨年5月、駅員が車内で寝ていた30代の男性に
声をかけてホームに降ろした時、顔面を平手で殴られ、さらに後頭部に足蹴りを
受けるなどし、全治5日のけがを負った。