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トヨタ「FT-86 Concept」、新ハチロクの開発目標はドリフト性能世界一」という記事を見たとき,ドリフトになってからのコントロールが世界一やり易い車を目指すのだと勝手に思っていました.しかし,竹岡圭さんの「
【スバル BRZ 試乗】超安定の BRZ とドリフトの 86」には,
どちらもまだサーキットで乗っただけですが、ずいぶん雰囲気が違うんですよね。BRZは超安定志向。ドリフトさせようと思っても、限界が高くてなかなか難しいんです。86の方が挙動変化が大きくて、ヘタにアクセルオンすると簡単にスピンモードに入る感じなんですけど、BRZは滑らせるぞ!と気合を入れてモーションを付けないと、入らない。普通に走ってるだけだと、お尻がムズムズする感じも、ほとんどないんです。
と書かれています.これを読むと,BRZは普通のセッティングをしているようですが,86はドリフトし易いよう車本来の限界より低い速度でリアが流れるように設定されているようです.「
トヨタ「FT-86 Concept」、新ハチロクの開発目標はドリフト性能世界一」には,
「開発目標は、ドリフト性能世界一です。ゴルフのスコアで100を切れるくらいの運動能力がある人ならドリフトが決められる、そんなクルマを目指しているんですよ」
と書かれているので,多田哲哉チーフエンジニアは一般の人にはドリフトに持ち込むことが難しいので簡単にドリフトする車を目指して開発したのだと思います.ドリフトし易いということは逆に言えば限界性能が低いというですので,凍結路面などタイヤのグリップが不十分な状況では86の方がBRZより事故になる可能性が高く問題だと思います.
2月2日に発表会を行ったので,このままのセッティングで売り出されると思いますが,トヨタ社内で行われたであろう複数会のチェックで問題にならなかったのが不思議です.自動車ジャーナリストの方々がこの問題を追及しているかと期待したのですが,私の知っている範囲で明確に86のセッティングを批判しているのは渡辺陽一郎さん(ベストカー 2/26号 「アルテッツァる」心配は?)だけです.
また,トヨタが「ゴルフのスコアで100を切れるくらいの運動能力がある人ならドリフトが決められる」車を出す社会的責任をどう考えているのかも,2月2日の発表会の報道を見た限りでは分かりませんでした.クローズドな環境でドリフトを楽しめるようにしないと,一般道でドリフトする人達が出てくる思います.そうなっても,トヨタは一般道でドリフトをしたのは運転手の責任でトヨタには責任はないと言い張るつもりなのでしょうか?自動車ジャーナリストの方々にこの問題を追求していただき,トヨタが何らかの対策(サーキット等でのドリフト教習会など)を取ることを期待します.
86について批判的なことばかり書きましたが,水平対向エンジンによる低重心化や現代の車としては軽い約1,200Kgという車重など,いい車を作ろうとした努力は認めています.でも買うとしたら86ではなくBRZになると思います.
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2012/02/10 07:05:43