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コンフェイトのブログ一覧

2015年05月29日 イイね!

【サスセッティング方法論】第7回 リアサスのプリロードと車高の関係について


さてと、本日はリアサスのプリロードと車高の関係についてです。

◇プリロード
サグはオーリンズの場合は30ミリ程度が基準。スポーツバイクのリンク付きモノサスの場合はバイクを宙に浮かした状態から着地させた時点での沈み込みはほぼゼロが一般的です。そこからライダーが跨って30ミリダウンとなります。

1Gでの沈み込みはサグと呼ばれます。オフロードでは重視されるもので、近年のオンロードではあまり重視しなくなっています。

ちなみにT師匠はフィーリングを最優先でサグは無視するということです。小生もフィーリング重視でサグは測定しない派です。基本の傾向としてプリロードをかけるとハンドリングが軽くなりシャープなキレが出ます。

さてと、それでは、どのように調整していくか。

そのためは二次旋回の状態をモニターします。リアサスのプリロードが不足している場合、高速コーナーでリアが沈み過ぎてアンダー傾向になります。外にハラむのでアクセルがあまり開けれず、とにかく遅い走りになります。

アンチスクワットアングルが不足すると強烈にプッシュアンダーの傾向になります。ハイグリップタイヤを履くと、リアの旋回荷重が一気に増えてきますので、このアンダー傾向が出て、思うようにタイムアップしないこともあります。

またフルバンク付近で旋回性が落ちてくるという問題がでます。具体的にはリアサスばかりが沈む感じになって、車両姿勢が後ろ下がりになってきます。フォームが起き気味のライダーはよりその傾向がでます。

対策としては、プリロードを強めて対処となります。

プリロードを強めすぎると、弊害もでます。リアサスの伸び切り付近が強烈に硬くなってきますので、ブレーキング時にスネーキングを誘発します。また、そこから寝かせていっても、初期旋回時はフロント荷重が多く、リア荷重が不足するので、リアに足払いを喰らったようなトリッキーな挙動になります。

また、ヘアピンではリア荷重が不足して、リアがリフト傾向になります。タイヤを路面に押し付けることができないので、アクセルをちょっと開けただけでテールスライド。低速ハイサイドも誘発します。

こんな感じで、プリロードの調整で適正なアンチスクワットアングルを造り出したいのですが、意外と難しいという問題にぶつかります。

そこで車高調整です。

◇車高調整
プリロードは純正セットのまま、リアサスを5ミリぐらい伸ばしてみます。シート高も10ミリぐらい上昇することになります。

ハンドリング劇的な変化があります。

初期旋回でのフロントの内向性が強い。フルバンクでもイン側に巻き込むように旋回していって、フロント荷重も乗っているので安定感がある。立ち上がりでもアンダー傾向が無く狙ったラインでスーパートラクションで立ち上がっていけます。

ブレーキングはややシビアになりますが、プリロードを増すより、はるかにマシです。なぜなら、バネのしなやかさが残っているからです。しなやかにバネが動いて路面をトレースするというメカニカルグリップが確保されていますので、絶対的な乗りやすさがあります。

というわけで、標準車高は公道仕様でやや低いセットになっていますので、サーキットを走る場合は、リア車高を上げていくことが大切だと考えます。

バネを限りなく柔らかい状態にセットして、リアの車高を上げる効果だけでアンチスクワットアングルを確保することも可能です。しかし、これはオススメしません。やはり、バネが柔らかすぎると、バンク角の変化によるハンドリングのオーバーからアンダーの移行が激しく、極端に乗りづらくなります。具体的に言うと、旋回初期ではリア車高が高く、オーバーステアで切れ込んでいくのに、フルバンクするとリア車高が一気に下がってしまってドアンダーになるという状態になります。

近年のMOTOGPのセットを見ると、柔らかいバネにプリロードをたくさんかけるという運用です。こうすると、荷重の変化に対してバネのストローク量が大きくなるので、タイヤのグリップを感じとりやすくなります。バンク角の変化によるハンドリング特性の変化は大きくなるので、フロントとリアのマッチングが取れないとうまく走れないプロ仕様のセットです。

ですので、まずは二次旋回の様子をチェックして、適正なリア車高を見つけます。これはトライ&エラーで上げてみたり下げてみたりするしかないです。その後、プリロードと車高調整を調整して、自分ベストなハンドリングを仕上げていくことになります。

コンフェイト式の場合はシートを押してみて、プリロードのおおよその目安を図ります。手で軽く押すだけでスコンとシートカウルが下がるのはNGで、手で押したときに「ある程度の張り」が感じられる状態にプリロードを調整します。

その後、フルバンクに持ち込んだときの旋回性を見て、旋回性が足りない場合はリア車高をアップ、旋回性が出過ぎてフラ付くときはリア車高を下げるというセッティングをします。

ハンドリングが軽すぎてフラつくときはプリロードを弱める。もっとシャープにいきたい場合は、プリロードを強めてください。プリロードをかけていくと切り替えしも軽くなります。ただし、リアタイヤがスライドした場合は、挙動がナーバスになるので注意が必要です。

MOTOGPのライダーでいうと、マルケスはダンパーも弱くてバネも柔らかく、プリロードはそこそこです。ロレンソはダンパーがガチガチでバネレートは低め、ただしプリロードを強烈にかけています。ロッシは標準的なセットですが、ハードブレーキのためにフロントのバネが固めで、ダンパーもかなりかかっています。リアの車高については、3車とも変わらずで、アンチスクワットアングルの美味しいところは変わらないという要因があると思います。

セッティング例としては、1000ccクラスはリア車高を上げて、プリロードを弱める方向。600ccクラスですと、ハンドリングがシャープすぎて過激な場合も多いので、プリロードを抜きつつ思い切ってリア車高を下げるというセットもありです。ネイキッドタイプの場合は、リア車高は絶対的に足りないので、どんどん上げる方向になります。

ご参考になれば幸いです。
Posted at 2015/05/29 01:18:56 | コメント(9) | トラックバック(0) | サスセッティング方法論 | 日記
2014年07月08日 イイね!

【サスセッティング方法論】第6回 フロントサスのプリロード調整について


今日は、フロントサスのプリロード調整について書いていきます。

プリロードは荷重に合わせて調整するのが本来の目的です。リアサスだと分かりやすいですが、荷物を積む時はプリロードをかけて1Gで沈み過ぎになるのを防止したりします。

スポーツバイクにおいては、そもそも荷物を積むことがレアなので、積載による荷重増への対応という目的ではなく、ハンドリングをライダーの好みの特性に仕上げていく目的でプリロードを調整します。

◇プリロードを弱めた場合の変化
リーン初期のバイクの動きがマイルドになります。
ブレーキリリースのタイミングがズレても問題なく、まったりと走れます。フロントの動的車高が下がるので、フロントが先行して曲がっていく感じになり、極端な例で言うとリーンアウト気味になります。
フロントサスの沈み込み量が多くなるという現象により、ハンドルの舵角が減ります。

コンフェイトは4気筒のバイクの場合は、安定性が高いので、思いきって寝かしていくセッティングを試みます。フロントプリロードを最弱に近い状態にして、上体を上部に残し、下半身はオフセットするドゥーハン乗りみたいなセットにするのが好きです。

2気筒の場合は、安定性が低くバイクを寝かしていくのが怖いので、比較的プリロードをかけ気味として、バイクを立てて旋回していくセットにするのが好きです。

◇プリロードを強めた場合の変化
リーン初期のバイクの動きが鋭くなります。
ブレーキリリースのタイミングが難しくなります。瞬間的にリリースして瞬間的にスパンとリーンしないと曲げるきっかけを見失って、グラベルに直行したりします。

バイクのサスセッティングについては、タイムを詰めていくと、急激に難しい問題に当たります。それがこういう例です。サーキット走行で行き詰りを感じたら、フロントのプリロードを緩めてみてください。

プリロードが強すぎると、フロントの動的な沈み込みが少なくなり、その結果、ハンドルの切れ込みが強くなり、公道走行では切れ込み過ぎで違和感バリバリになりやすいです。

プリロードを強めると切り返しのリズム感が作りやすく、軽いモーションでスパンスパンと左右に切り返していけるようになります。バイクが起きてくるのはサスが反力で伸びてくることによる部分が大きいので、プリロードを強めるとバイクが起きやすくなって、それが切り替えしの素早さにつながります。

切り返しが粘り過ぎて重いときは、リアだけでなく、フロントのプリロードもかけてみてください。新たな世界が見えます。バネ自体の反力による効果もありますし、前後荷重配分的にフロントヘビーの状態になるとバンキングも重くなって切り返しも鈍重になります。昔のGP500でフロントを浮かして切り返しているのは、このような重さを嫌ってのことです。

フロントのプリロードを強めるときは伸び側ダンパーも同時に強めるのがセオリーです。バネの伸び切りが良くなるので、ウイリー寸前での姿勢制御が良くなります。

◇具体的なセッティング手順
コンフェイト式のフロントプリロード調整の方法論としては、まずはブレーキングから侵入の部分で、自分の思ったラインで内向していくかどうかをチェックします。内向が強すぎる場合はプリロードをかけ、内向が弱い場合はプリロードを緩めます。

リリースから曲がり初めのタイミングについては、伸び側ダンパーで調整します。具体的には曲がり初めが早過ぎてタメ感がない場合は伸び側ダンパーを強め、曲がり初めが遅れてバイクが重い場合は伸び側ダンパーを緩めます。

つぎに、中速域で素早く切り返してみて、フロントの粘り具合を確かめます。粘り過ぎる場合はプリロードを強めていきます。切り返しの場面でプリロードを弱めることはほとんどないです。また、アクセル全開でリアにフル荷重してウイリー状態に持っていきます。

このときにフロントタイヤの離陸具合も見ておきます。プリロードが弱いとフロントフォークが伸び切っているのにタイヤが微妙に接地している状態になります。タイヤがダラダラと地面を叩く挙動が出て、ハンドルが左右に暴れたりします。浮くときはキッチリ浮いて欲しいので、プリロードをかけて離陸モーションのメリハリを追求します。

フロントタイヤが浮いた瞬間にガツンというショックが伝わる場合は伸び側ダンパー不足です。なんのショックもなく、ハンドルがシルキーにスーと浮いてくるのがベストなセッティングだと思います。

フロントのプリロードについては、こんな感じです。サスセッティングは複雑な要素が絡み合っているのですが、実際にセッティングしていく方法論について具体的に書いていきます。
Posted at 2014/07/08 00:16:30 | コメント(2) | トラックバック(0) | サスセッティング方法論 | 日記
2014年04月29日 イイね!

デイトナ675R サスセッティング研究

デイトナ675R サスセッティング研究SiSoさんのデイトナ675Rのサスサスセッティングを行いました。画像は侵入でブレーキリリースの瞬間ぐらいです。マルケスっぽいフォームになっています。

まず初めは、とりあえず全体的に柔らかくしたSiSoさん仕様で走行。

旋回が安定せず、フラフラします。軽くブレーキングするだけでリアサスが完全に伸び切って、フロントはスコンとボトム。急激にボトムしてフォークのストロークが一気に止まる瞬間があり、その瞬間にリアタイヤが持ち上がって軽くスネーキングが出ました。

リアサスの伸減衰が不足しており、トラクション旋回に入ってもスイングアームが突っ張っていて荷重が載りません。

いったん戻って、純正の「スポーツセット」に変更して頂きました。

再度の試走。

多少はマシになりましたが、やはりブレーキングでフォークのボトムが急激すぎるのと、高速コーナーにおいてもまだフラフラ感が残っており、これはリアサスの伸側減衰が足りない傾向です。ワインディングレベルでは問題なくても、これでサーキットランは無理ですね。

全体的にバネが勝ちすぎていて、ダンピングが不足しています。

戻って今度は「サーキットセット」を試すことに。数値を見てみると思い切りダンパーをかける仕様になっています。なるほど・・・ 小生の体感と一致しました。さすがにリアサスの伸側と圧側をかけ過ぎかと判断したので、サーキットセットよりも伸側は2クリック戻し、圧側は4クリック戻しとしました。

フロントはとにかくダンピングが足りな過ぎるので、サーキットセット合わせて頂きました。

さて、気合を入れて試走。

おお・・・・・・!!!!

ブレーキングでの安定感がコンフェイト比150%アップ。安心してコーナーの奥深くまで突っ込んでいけます。リアのスイングアームの動きもダンピングで制御できています。車体の落ち着きとタメ感が倍増して、グイっと一気にリーンしてもバイクが遅れることなく応答します。

ステップ荷重に対する車体の反応がリニアかつソリッドなフィールとなり、675R本来のハンドリングの切れ味が出ています。

ブレーキングから旋回の部分は劇的に良くなりました。これで完成です。

続いて、定常円旋回の様子を見ます。

フロントのバネ反力が強すぎて接地が不安定になっています。プリロードが強すぎるのが原因ですね。伸側減衰が効きすぎて低速コーナーではハンドリングが無機質でフロントの接地感が希薄です。

リアについては、やはり、伸減衰が足りず、フロントの内向性が引き出せていません。90度コーナーからの脱出で7000回転付近からアクセルをワイドオープンするとスイングアームが入りすぎてプッシュアンダーがでました。リアの圧側もまだまだ不足していますね。

もう一度、戻って再度のセッティング。

フロントのプリロードを1回転戻しにします。それだけではフロントのボトムがひどくなるだけなので、圧側を2クリック増しとしました。また低速コーナーでフロントエンドが無機質に感じたので、伸側を2クリック戻しとしました。

リアについてはハンドリングの安定性とプレシジョンの向上のため、伸側を1クリック強め、圧側を4クリック強めました。

さて、これで最後の試走です。

ブレーキングについては、圧側を効かせておいたおかげで、さきほどのセットよりもボトムはなめらかになっています。プリロードを抜いたことによる違和感はなかったです。

つづいて定常円旋回を見ます。

フロントの伸側を抜いたことにより無機質によるコジったような違和感が解消。本当はもっと抜きたいですが、やはりバネレートが高いので、張力を押さえ込むためにはこれぐらい強力な減衰力が必要です。今の減衰で無機質と有機質のちょうど境界にあります。個人的にはもう少し有機質なフィールが欲しいですね。シルコリンのフォークオイルを使用することで問題が解消すると思います。

車両姿勢がフロント下がりに感じました。プリロードを1回転抜き、リアの圧側減衰を効かせているので動的な車両姿勢がフロント下がりになっているのは確かです。イン付きが早い傾向があり、どうみてもフロント下がりの傾向が出ています。

さてと。トラクション旋回に移行します。

スイングアームの安定性が上がっていますね。スッと軽くストロークした地点でスイングアームがとどまってくれるので、フロントタイヤがドッシリと落ち着いて内向していきます。フロント下がりでコーナー初期の旋回性が上がり過ぎており、トラクション旋回の時点では旋回性が低下してきて、弱アンダーに傾向が出ました。

上体を大きく前傾させて、リアに荷重が乗り過ぎないように注意が必要です。リア荷重が大きすぎると、急激にフロント荷重が抜けて一気に不安定になりますね。

最後は立ち上がりです。

頑張って前荷重をキープしている限りはオンザレールで立ち上がりますが、いかんせんリアのダンピングが不足気味。バネの張力を完全に抑えることができていません。

当日は95%の仕上がりとSiSoさんにお伝えしたのですが、小生が自分で理想を追う場合は仕上がり80%ぐらいです。

SiSoさんにはフロント下がりの傾向を是正するためにフォークを突き出しを標準よりもマイナス5ミリとすること提案しました。

現状の課題としては、ハンドル位置が高すぎて、マンマシン系の重心位置が高すぎる問題。またライダーとマシンの重心位置が離れると、とたんに不安定になるという問題があります。

ハンドル位置を10ミリ下げると、上体がマシンの重心に近づいてバイクとの一体感が増すと思います。とくにオーナーは大柄なので、より一層重心が上がり過ぎる傾向があるので是正が必要です。

また、フロントフォークを5ミリ付き戻すことで、旋回中にフロント下がりになりすぎる傾向が治ると思います。初期旋回力を向上させることで、コーナー前半で向き替えを完了。二次旋回で猛烈に立ち上がっていく仕様にしたいところです。

サスセッティングを進めたことで、ずいぶんと良くなりましが、現状で倒し込みの瞬間のレスポンスが良すぎて変にインに寄ってしまう、その後、インに寄りすぎているのでダイナミックに倒し込むことができないという問題点が出ています。

フロント下がりだと旋回レスポンスが上がるので初期旋回が良くなっているように感じるのですが、それは錯覚で、倒し込み後は曲がりが甘くなって、トータルでは乗りづらく遅くなるセッティングです。

リアについては、もう少し伸側をかけていきたいのと、圧側を思い切りかける設定を試してみたいです。そのためにはフロント下がりを是正することが先決です。

ファクトリーにてフォークの付き戻し作業と、サスセットの最後の詰めを行いたいですね。おそらく劇的に良くなると思います。

675Rについてはサスセットの方向性についてまったくイメージがなく、うまくいくか不安でした。しかし、乗ってみると傾向が明確に理解できましたし、問題点に対する対策がピンポイントで決まりました。

20歳ぐらいのときからいろいろなバイクに乗ってサスセッティングをしてきたことが功を奏した試乗でした。ここまで来るのに10年以上の歳月がかかりましたが、自分だけでなく、他のライダーにもメリットがあり、うれしく思います。

デイトナ675Rは実測馬力で110馬力オーバーで車重も600クラスの中で最軽量と、素材としては最高のバイクです。

サーキットセットに対してのコンフェイト流のセッティング
フロント プリロード1回転戻し 伸側を2クリック戻し、圧側を2クリック増し
リア    プリロードはそのまま 伸側を1クリック戻し 圧側はそのまま

サーキットセットとありますが、それほど過激な設定でもないです。小生が国際コースを走る場合はもっとダンパーをかけて安定性を引き出していきます。装着されている前後サスはオーリンズのハイグレードなものなので、ダンパーをかけてもスムーズな動作性が損なわれず、ハイダンピングでの運用においてメリットがあります。

サーキットセットに対して、コンフェイトがサーキットを走行する場合セッティング予想
フロント プリロード2回転戻し 伸側をそのまま、圧側を4クリック増し
リア    プリロードはそのまま 伸側を2クリック増し 圧側は4クリック増し

気難しい一面もあるが、セッティングさえ詰めれば、最強のスピードを実現できる。

そう確信した試乗でした。
Posted at 2014/04/29 22:20:16 | コメント(1) | トラックバック(0) | サスセッティング方法論 | 日記
2014年04月27日 イイね!

MVアグスタF4 ワインディング快走 サスセッティング


tak3さんのMVアグスタF4のサスセッティング。

標準設定は意外とソフトよりで、ハンドリングがボヤけた感じです。とくにフロントの減衰が足りず、ブレーキングの安定感に欠ける傾向にありました。また、リアの伸び減衰が不足しており、これもブレーキング姿勢の崩れの要因になっていました。

コーナリング中の姿勢を観察します。フロント車高が低めで、イン付きが早い傾向が見られました。ドカティ916シリーズも同様の傾向がありますね。リア車高については、コーナリング初期にフロント荷重の状態では問題を感じませんでしたが、寝かせていくと、リア車高が下がり過ぎる傾向が出て、プッシュアンダーを感じました。これはリアの圧側減衰の不足が原因です。

トラクション旋回中はフロントタイヤの荷重が抜けすぎる挙動が出て、フロント周りが上下に煽られて安定しません。

トータル的に是正することにしました。

フロントの圧側ダンパー、伸側ダンパーをかけてフロントサスのダンピングが感じられる領域に調整します。停止状態でバイクを直立させ、フロントブレーキを握ります。フロントサスを上下にゆすってみて、スコスコとストロークするようではNG。ちょっとヌルっとした抵抗を感じながら沈んでいって、戻りについては最後の伸び切り付近で減衰が効いていることが条件になります。最強から4クリック戻しで適切なダンピングを得ることができました。

リア側は標準設定よりも圧、伸ともに4クリック増しにしたように記憶しています。tak3さん記憶の間違いがあれば教えてください。

さて、再度の試走。

すべてバッチリ治りました。

ブレーキングでの安定感が抜群なので、深くコーナーに突っ込んでいけます。とにかく安心してブレーキが握り込める仕様になりました。フロントの動的姿勢が上がったので、フロント下がりが治り、コーナリング初期でイン付きが早すぎる問題が解消。タメ感が出て、初期旋回の回頭性能が上がりました。

ノーマルセッティングでは苦手だった定常円旋回の挙動を見ます。リアの伸び側減衰を効かせたので、車体が安定しており、フロントタイヤの内向性も引き出していけます。リア荷重を大きくかけても腰砕けすることなく、スイングアームがじっとりと耐えてくれますね。

リアの伸び側減衰がサスセッティングでは一番大きなファクターとなります。効かせていくことでハンドリングのプレシジョンが向上するというメリットがあるのですが、とりわけMVアグスタF4の場合はその効果が顕著に出ますね。

以前のインプレで「濡れた黒曜石」のようなフィールと形容しましたが、そのようなミッチリとした密度感がより向上したライドフィールを得ることができました。

最後は立ち上がり加速。フロントの上下の煽られも無くなって、リアの圧側をかけたのでプッシュアンダーの傾向も減っています。個人的にはもう少しリア車高を上げた仕様にしたほうが、二次旋回力が上がるので好みですね。

ただし、オーナーの乗り方も考慮に入れると、その乗り方とのマッチングとしてはベストなセッティングが出たと断言できる最高の乗り味になりました。

ドカティ916シリーズとハンドリングの傾向がまったく同じなのでサスセッティングの方向性も似ています。F4のほうが車体剛性が高い分、セッティングの変化が出やすくて楽しいですね。ドカは最後の最後で気難しい部分があります。

F4はドカと比べて重心が低いので、ダンピングを抜くと動的車高が下がり、ハンドリングが重くなってしまいます。ダンピングをかけ気味にして動的車高を上げていくことでコーナリング中の重心位置が上がり、旋回力も増してきます。

4気筒の安定性があるので、動的車高を上げても不安定な挙動が出ることはないです。ハードブレーキから一気にバタンとバンクさせてみましたが、特製の極太倒立フォークの圧倒的な剛性で、応答の遅れもまったくなく、シャープに切り込んでいけます。

以前に試乗したときはハンドリングの重さをかなり感じましたが、今回のサスセッティング後は、非常に軽快で機敏なハンドリング特性を得ることができました。

全体を通じて感じたのは、F4に装着されているサスは非常にハイグレードで高品質なものであるということです。通常の市販車であれば、ダンピングをかけていくと、一定のところからフリクションが急激に増大していき、ダンピング向上のメリットを打ち消してしまいます。だから、そこそこのダンピングで制限するしかないというジレンマに陥ります。

F4の場合はダンピングをかけていってもフリクションがまったく増えず、純粋にダンピングが増えてくれます。これは非常にうれしい特性で、相当なコストをかけていかないと、こういったサスペンションは実現できないと思いました。

低速域ではややゴツゴツ感の出る乗り味になりましたが、高速道路とワイディングをメインステージにするのであれば、これぐらいのセッティングのほうが結果的には疲れも少なく、快適で幸福なライドフィールを得ることができると思います。

ここまで劇的に変化するとは思ってもおらず、小生としてもうれしい出来事でした。

ブレーキングからの緻密でシャープなターンインを味わうと最新のバイクに全く劣らないばかりか、むしろ積極的にこちらのほうが気持ち良い、優れていると断言できるハンドリングに仕上がりました。

MVアグスタF4の本来のハンドリングを体感し、感動でした。
Posted at 2014/04/27 09:59:28 | コメント(7) | トラックバック(0) | サスセッティング方法論 | 日記
2014年03月08日 イイね!

【サスセッティング方法論】第5回 ノーマルセッティングの重要性

さてと、本日は「ノーマルセッティングの重要性」についてお話します。

コンフェイト流ではブレーキングの安定感を求めるためにフロントの車高は上げ気味、さらにリアサスの伸び減衰を効かすというのがミソです。

ではノーマルセッティングは意味がないのか。

いいえ。

非常に重要です。

あちこちと弄り回すと目指している方向性が何なのか分からなくなってきます。フロントもリアもとにかく試行錯誤で弄り回す。

そして、純正セッティングに戻してみる。

すると、そのバイクが持っている本来的な特性を知ることができるのです。ノーマルセッティングは意外と乗りやすい、そして速い・・・

フロントを上げた仕様であればブレーキングは安定するので突っ込みでは楽でもその後の旋回が遅い。リアを上げた仕様だと二次旋回はすごいですが、侵入がトリッキーすぎて攻めきれないなど、セッティングによってメリット・デメリットが出てきます。

ノーマルセッティングはマシンの持つハンドリング特性のネガが一番出ないように設定されていますので、ネガを消したいのであれば標準設定が一番良いはずです。

サーキットで試すとよくわかりますが、大きくセッティングを変えても「タイムはあまり変わらない」ということが起きます。タイムはコースへの習熟度とタイヤのグリップをどこまで使い切れるかという2点で決定する部分が大きいので、セッティングは実は二次的な要素なんです。

セッティングは魔法ではありません。そのバイクの持つ根本的なハンドリング特性をサスセッティングで変えることはできません。

だから、クルマの場合だとタイムアップしたいのであれば「何度も周回して練習」⇒「新品のSタイヤでアタック」というパターンが一番確実です。

もちろん、レースレベルになると競り合いになるので、安定感を求めた実践的なセットが王道で、いわゆる予選スペシャルのトリッキーなセッティングは避けられる傾向にあると思います。

いつも指摘しているフロントの下がり過ぎという傾向も、この予選スペシャルに近いもので、一発のタイムは狙えても安定して周回できるようなものではありませんし、目の前で他のバイクがクラッシュした場合の危機回避においてもリスクが高いです。

自分なりにセッティングを詰めていったライダーにありがちなパターンとしては、自分で作ったセットから離れられないという問題です。

自分仕様のセッティングである程度のタイムまで出せた。この成功体験が負の作用をもたらせます。今さら純正セットに戻したら宙を舞うのではないか。1コーナーでフロントからスリップダウンするのではないか。

そういう疑心暗鬼になってしまうのです。

騙されたと思って、一度、納車時のままのノーマルセッティングで乗ってみてください。

試す価値は大いにあります!


Posted at 2014/03/08 01:52:45 | コメント(1) | トラックバック(0) | サスセッティング方法論 | 日記

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クルマ・バイク大好き人間です。よろしくお願いします。憧れのマシンに乗ることが出来て幸せです! ◇尊敬する人物 マイケル・ドゥーハン(バイクレーサー) ...
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