1984年にデビューしたZCエンジンはシビックやCR-Xなどに搭載されてS800以来14年振りのDOHCエンジンとなります。実はこの空白期間に公害問題が深刻化してアメリカのマスキー法により排ガスの削減が目標となり、さらにオイルショックの影響で燃費性能の向上も同時に求められるようになり、これらが第一目標となり各メーカーでは極めて厳しい状況に置かれてスポーツエンジンなんて作ってる余裕がありませんでした。
このZCエンジンはボア×ストロークが75×90mmという超ロングストロークです。通常のスポーツエンジンだと高回転化でパワーを稼ぐためにピストンスピードを抑えられて、バルブ径を大きくできるショートストロークにするのが定番です。しかし、ZCエンジンは不利な超ロングストロークなんですが、そこでF1でも実績があるホンダお得意のスイングアームの出番です。これを使えばヘッドを大きくせずにテコの原理で直動式よりもバルブリフト量を稼ぐことがてきます。実際にリフト量が直動式の4A-GEは7.5mmで、スイングアームのZCエンジンは10mmとなります。さらに超ロングストロークにより豊かな中低速トルクを確保しながらレッドゾーンの7000rpmまでキレイに吹け上がる特性となりました。
このZCエンジンはレースでも使われていました。当時流行ったグループAでは170馬力で8500rpm常用でピストンスピードが25m/秒!なんてすごいことになっていますが、最低限のチューニングで大丈夫だそうです。いかに素性のエンジンかわかりますね。
最近では高性能なV-TECありきの設計がされてますが、弱点としては構造が複雑でヘッドが重く重心が高いため運動性能に悪影響を与えてしまいます。私はあえてシンプルで素性がいいZCエンジンの方にとても興味があります。
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Posted at
2015/01/01 06:33:22