2015年04月30日
軍艦島
長崎県にある軍艦島(端島)は炭鉱の島でとても有名です。軍艦島では良質な石炭がたくさん採れたため江戸時代から昭和にかけて当時の日本では重要なエネルギー源として用いられました。多くの炭鉱マンが炭鉱発掘のため集まり、最盛期には5000人以上の人が住んでいました。軍艦島はとても小さな島でしたから居住スペースが限られていました。それだけの人数を受け入れるためには必然的に建物の高さを稼ぐしか方法がありません。そこでなんと今から100年近くも前の1916年に日本初の鉄筋コンクリートの高層集合住宅が建てられました。当時は最先端だったことでしょう。しかし、頑丈なコンクリートにも実は寿命があります。鉄筋は何もせずに放置すれば錆びていまいますが、コンクリート自体がアルカリ性なので鉄筋の腐食から守っています。しかし、時間が経ってくると少しずつ中性になってくるとコンクリートの強度が落ちていきます。特にコンクリートに海砂を使ったり、海沿いだと潮風などの塩分の影響で劣化が進んでしまいます。実際に軍艦島にあるコンクリートはどれもボロボロで朽ちています。
軍艦島には生活に必要な学校、病院、商店、食堂などがあったり、映画館やパチンコ屋みたいな娯楽施設までありました。孤立した島ですが都会並みの生活ができていました。そんな軍艦島ですが一番大変だったのが真水の確保でした。たぶん、井戸を掘っても海水が含まれていることでしょう。さらに生活物資は全て船で運ばなければならないので、天候不順など欠航してしまうと食料などが不足することがありました。そんな時は島民同士で生活必需品を融通し合ったそうです。古き良き日本の助け合い精神が垣間見えます。特に軍艦島では「一山一家」という絆で結ばれていました。
軍艦島の炭鉱は海底にあり、発掘され続けて深さ1000m以上にもなりました。一度地下に潜ると8時間も出られませんでした。いくら給料がいいとは言っても、坑内は気温30℃、湿度95%と極めて不快でガス爆発、粉塵爆発、落盤などの炭鉱事故と隣り合わせで非常に危険な仕事です。仕事が終わって地上に無事に戻れたあとに入る風呂とタバコで一服するのが格別だと炭鉱マンの方がおっしゃってました。
高校の時にファンだった鈴木あみ主演の「深く潜れ~八犬伝2001~」というドラマの中に軍艦島が出てくるんですが、私はこのドラマで初めて知りました。こんな場所が日本にあるのかと衝撃を受けた覚えが。
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Posted at
2015/04/30 06:40:13
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