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BMW VisionEfficientDynamics Concept-3
この『BMW VisionEfficientDynamics Concept』モデルも、あくまでモーターショウのディスプレイ用コンセプトモデルかと思いましたが、従前の『Concept of Pininfalina, Birdcage 75th』と同様、またしてもデザイナーとメーカーはこのクルマを最後まで作り上げて、公道を普通に走らせてしまいました。
この事は Maserati 社や BMW 社がコンセプトモデルの開発にあたっても、一定のプロダクトモデルを想定したプロトタイプとして同じ姿勢でクルマ造りに取組んでいる証拠です。
この美しいクルマをご覧ください。こんなクルマをトヨタさんやホンダさんが生産車として出したら、どうしますか。以前、日産さんがMID-4のプロトタイプを出した際、皆さん心待ちにしてませんでしたか。もう15年以上も経った初期NSXが、沢山大事に乗られてるのも象徴的です。過去国産車で世に出した唯一の、3.0L以上のMR車です。
その後GT-Rを頂点に、いくらでも速いクルマは輩出されていますが、欧州車では今でも造られている『床の間に飾っておいても良い美しいカタチのクルマ』が、果たして国産車に何台あるのでしょう。
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⑤編であれだけしつこく性能緒元を付け足したのは、このBMWの絶対的動力性能の事を言いたいのでは無く、クルマの各パーツの機能とサイズの事を特記したいのです。
強力な動力性能、多気筒エンジンの精緻なメカニズム、これを環境だエコだって言って無くすのは、個人的には大反対です。
それとは視点を変えて、ダウンサイジング、EV化・HV化・PHV化による効能のデザインに及ぼす一番の利点は、エンジニアリングコンポーネントを小さく出来るという点です。
つまり、デザイン面でかなり自由が利くようになるので、従来のようにFRだMRだ、エンジン重くてデカイからどこに置こう、だから乗員2名以上無理、荷室はナシ、車高はこれ以上無理、これら従来のデザイン上の縛りが大幅に緩和されるという事です。
この『BMW VisionEfficientDynamics Concept』モデルが良い例です。『このモデルの最大積載量は445 kg で、日常的な使用にも問題は無く、ラゲッジ・ルーム容量は150 リッターあり、ゴルフ・バッグ2 個を積み込むことができま す。また2 座用意されたリヤ・シートのバックレストを個別に折り畳むことで、積み込む荷物に応 じて収納スペースを広げることもできます。』
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【革新的で印象的な外部LEDライト】
フロント・エンドとリヤ・エンドの両方に装備されるLED 式ラ イトは、ブランド特有のシンボルを表現し、時代の先端を行くテクノロジー志向のクリアなデザイ ンも示すという革新的な組み合わせです。LEDテクノロジーを採用し、BMWの特徴である丸形2 灯式のヘッドライトの独特な外観を強調しています。
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ガルウィングドアは、フロントルーフピラー基部のサイ ドターン・インジケータの位置にある旋回軸を中心に回転しながらはね上げます。B ピラーがないため、大きなドア開口部からリヤ・シートに楽に乗り降りできます。また、ドアの旋回軸はドア・ ミラーのベースにもなっており、その結果、機能と美観に配慮した理想的なデザインを実現して います。
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リヤライトは 機能的にもリヤセクション全体のデザインに組み込まれており、さらにリヤ・エアディフレクターの一部に組み込むことで完全にリヤエンドの造形に溶け込んでいます。
革新的なLEDユニットから成るリヤライトは非常にフラットかつコンパクトで、未使用時には滑 らかで一貫性のある赤い面を形成します。このライトは、使用中のみ、例えばターン・インジケー タとして機能する場合は黄色のLED が点灯するなど、各ライト・チャンバーの組み合わせによって適切なカラーを発するようになっています。
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ドアの構造は複数の材料を重ねた多層構造になっており、インテリアとエクステリアを視覚 的にも機能的にも結びつける共生関係を表現しています。全体の構造は、外側のガラス面、中 間の耐荷重層、乗員にはっきりと見える非常に滑らかで流れる形状のインテリア・トリムによる3 つの層で構成されています。このようにして、多層化技術による新たな景観が与えられていま す。
また、ボディ部分まで広げられた大きなガラス面は、道路に近い低いシート・ポジションを視覚的 に強く印象付けています。堅牢なサイド・バーが組み込まれているため、あらゆる車両に必要な ボディ剛性と衝突時安全性も確保しています。この保護エレメントは、中央部分が内側へ傾いて いるため、アームレストとして使用することができます。
車両重量の軽量化にも役立つこの3 層の相互作用は、アームレストからドアに沿って流れるトリ ム・バーへと続き、最終的に内側から外側へ向けて延長されて外部のドア・ハンドルに達してい ます。
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車両上部に配 置されたハイマウント・ブレーキライトの形状はガラスルーフのフレーム構造を受け継ぎ、 ルーフラインがリヤに向かってなだらかに下がる位置で滑らかに外側へとつながっています。
この美しいリヤデザインを、いつか公道で目にするようになるのでしょうか。
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ホンダCR-Zのデザインに刺激を受けて、ひとりで盛り上がってここまでブログを荒らしてしまいましたが、ご容赦ください。
かつて1973年、1979年のオイルショック後におきた厳しい排気ガス規制下、日本のクルマはどんどんつまらなくなって行きました。軽快で力強かった日産フェアレディZが、まるでプレジデントのようになってしまい、アクセル踏んでも踏んでも加速付いて来ない!アメリカで売るためにボディがどんどん長大に(今、中国用のクルマが似て来ましたね)、ソファーは赤いビロードのキャバクラタイプ!
いまのZやGT-Rの姿とは似ても似つかない、スポーツカーファンにとって寂しい時代でありました。
ホントに素敵だと思えるクルマが、もっともっと増えてくれたらと切に思います。
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クルマへの想い | クルマ
Posted at
2010/06/10 17:17:05