
オートバイ世界GPの最高峰、MotoGPで、常勝スター選手が日本メーカーからイタリアのメーカーに移籍してしまいました。今後GPシーンの勢力図が変わって行くかも知れません。
⇒これは、私が乗ってたZXR750と同じ仕様の市販車。
4輪車の世界では、F1-GPから日本メーカーが撤退し寂しい状況ですが、一方2輪車では全く逆にホンダ、ヤマハ、スズキ等の日本メーカー車が昔から常に上位の中心で、毎年ほぼ独占状態です(大好きなカワサキにも頑張って欲しい)。欧米メーカー車は、小排気量ではアプリリア、大排気量では唯一ドゥカティが気を吐いているかな。
では乗り手のほうはと言うと、これがまた寂しい限りですが日本人選手がファクトリーライダーの席を占める事が少なくなりました。クラスによっては1人も居ないものもあります。欧米では比較的裕福な家庭の御子息が小さい頃からバイクに接して、頭角を現すなんて事も多いですが、日本とは育成の仕方も違うようです。お金持ちの道楽と言われようと、バイク文化を支える素養があると言えます。
加えて、バレンティーノ・ロッシという選手は性格が明るく、いつもにこにこしていてメディアにもきちんと応える好青年です。因みにロッシ選手はここ2~3年だと思いますが、フェラーリのF1チームから何度かレースカー試乗を受けていて、なかなかのタイムを出してます(個人的な思いとしては、4輪にはまだ転向しないで、もう暫く2輪界を引っ張って行く存在で居て欲しい・・・)。
超高速でバイクを操縦する世界は、実際には見掛けの派手さや危険さと裏腹に、非常にシビアでセンシティブ。レース中の操縦操作は指先で、ちょっと数ミリだけ、という繊細な作業やってます。最終コーナーをちょっと躊躇すると、ホームストレートでダー抜かれます。
昔サーキット走行に行った際、その日は何かのイベントで全日本SBファクトリーライダーが数台、ノーマル市販車でデモ走行したのですが、あの人達は速い・・。しかも全開走行なのに、お互い絡んで遊んでいました。コーナーで滑らすのも自在。排気量は現在の1,000cc.と違い、当時は750cc.が最高峰でした。丁度、上の画像のようなモデルのレーサーです。ノーマル市販車でもCP換装だけで実測250km/h出てしまいますが、いつもその倍の出力のレーサーに乗ってる選手にとっては、ノーマルだとオモチャみたいなんですね。でも、そんな日本でトップクラスの選手でも、なかなか世界GPでは表彰台に届きません。
こんな世界なのに、ロッシ選手という人は毎レース表彰台を賑わす常勝選手ながら、上から目線の無いコミカルなキャラ。一般ファンとの間に垣根をつくりません。人気があるのも当然です。その人が、ドカに行ってしまう。
振り替って日本の現状を見ますと、昔からそうですけどバイクだけでは食べて行けません。優秀な選手を支える組織や教育機関も少ないですが、欧米と違い、未だに社会の中で二輪スポーツ文化が浸透していないのが現状です(多分、これが元凶。これからもあまり大きな改善は無さそう)。
しかも、ロッシ選手のような人と比べると、やっぱり『特別な世界なんだぞ』オーラというか、悲壮感とはまた違いますが一般ファンとの間にちょっと距離を感じてしまう。
またメディアも、平忠彦さん、故安部ノリックさん、青木兄弟さんなど、日本がバイクブーム時代に活躍されたスター選手、『ボクとワタシと同じバイクに乗ってGPに出てるヒト』を一時積極的に取り上げた頃もありましたけれど、今は話題にならないのか、お金に結び付かないのか、大きく取り上げる事が無くなりました。
バイク好きとしては寂しい限り。
乗り物の造り手としては世界最高の日本。乗り手の育成にも、もっと力を注いで欲しいなあ。
************* 以下、HP掲載の記事内容です ************
ロッシ、ヤマハからドゥカティへ電撃移籍---MotoGP
ドゥカティは15日、バレンティーノ・ロッシ選手と2011年シーズンから向こう2年間の契約を結んだと発表した。イタリア出身のロッシ選手は、現在31歳。オートバイ世界選手権シリーズの最高峰、モトGPクラスにヤマハから参戦し、7年間で4度の総合優勝を達成している。
ロッシ選手は自身のホームページにおいて、「ヤマハとの関係は、最高の思い出。新しい挑戦が今、始まる」とコメントしている。
Posted at 2010/08/17 07:15:40 | |
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