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2023年12月30日 イイね!

TL4の3・4速のシンクロがなぜ痛むのか(仮説) 2

 TL4の鉄シンクロのギアの当たり面は柔らかい素材と書きましたが、それは金属と比べての話で、実物は固いものです。わかりやすい例でいえばブレーキパッドの摩材と同じようなものといえばわかりやすいでしょうか。



 そういうものなので、使えば使うほど摩耗していくのは仕方ないので、ギア鳴りするようになったらオイルや添加剤で誤魔化せるようなものではありません。素直にギアボックスを開けてシンクロを交換するしか有効な対策はありません(断言)。逆に言えば、それさえ替えれば直せるということでもあります。

 とはいえ、ミッションを下ろして修理するにはなかなか高額なのでそんなに頻繁にはできません。なのでいかに摩耗を減らすかが大切になると思います。ではどうやったら摩耗を減らせるのかを考察してみました。

①サーキットでシバかない
 今回中古のミッションをOHして載せ替えたのですが、ドナーのミッションを開けたところ、ほぼOHが不要なくらい状態がよかったです。このドナーの車はサーキットを全く走ったことがないそうだったので、激しい走行をしない車はシンクロも摩耗が少ないと思います。

②なるべく回転を合わせてスルッとギアを入れる
 シンクロの負担が高い状態になると摩耗しやすくなるのは感覚的にわかりやすいと思います。これは基本通りですが、回転が合っていないのに無理やりギア叩き込んだりすると一気に摩耗が進みます。①とも共通しますが、無理を通せば道理が引っ込むのは人も機械も同じですね。

③ギアオイルの粘度を純正より固くしない
 シンクロがギアの回転を止めるには、摩材がギアに接触してブレーキをかけるわけですが、接触している間は滑らない方がいいので、接触面の油膜が切れている状態がいいわけです。そこに固いオイル(油膜が強い)を入れてしまうと、接触面の油膜が切れにくく回転が合うまで時間がかかるようになります。接触している時間が長くなるほど摩耗が進むわけで、純正と同じかそれより少し柔らかいオイルが合っていると思われます。
 ギアオイルの油温が上がるのが心配だから固いオイルを入れたいという思いもあるでしょうが、粘度を上げるのは悪手と考えます。粘度が高いとフリクションが高まるわけで、フリクションが高いと熱が余計に発生しますから油温も上がります。なるべくフリクションを下げて熱の発生源を減らすことが大事だと思っています。
 それでも走れば油温が上がりますが、それならミッションにリザーバタンクを付けてミッションオイルの油量を増やし熱容量を増やすか、ミッションオイルクーラーを付ける方が健全でしょう。

といった3つの考察をしてみました。私はサーキットにもちょいちょい行っているので①を達成するのは無理ですが、②と③を実行して仮説を検証したいと思います。特に③については、GRヤリスやGR86に純正指定されているトヨタのギアオイルLV(75W)を入れて試しています。ルノー純正指定のエルフNFJ(75w80)よりずっと柔らかいオイルなので、どのような結果になるか楽しみです。今のところ冬のギアの入りは悪くないので、夏まで使い続けてみようと思います。
Posted at 2023/12/30 22:49:43 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2023年09月30日 イイね!

TL4の部品をいかに安く手に入れるか(3)

クリオ/ルテ3と日産ティーダでトランスミッションの中の部品の大半を共用していると確信を得たので、オーバーホールするときに交換したい部品をリストアップし、ルノーと日産で対照表を作ってお値段を調べてみました。
ディーラーのサービスフロントの方にはいろいろと手間を取っていただき、この場を借りて再度感謝申し上げます。

日産の品番で取れば、少しは安くなるんじゃないかなという甘い期待を持ちつつ、頂いた回答を突合してみたら・・・唖然としました。
なんと個別の部品のお値段が軒並みルノー比で約1/3~1/5です。1/3~1/5ですよ!あまりに安すぎます。。
トータルで比較しても1/3弱で済みました(ルノーでしか取れない3・4速用のシンクロの影響)。ルノー品番で取ると合計18万円強ですからこの差は大きい。。
なので、早速注文してみました。新品で取れる部品はできる限り交換します。
ちなみに日産品番で取っても、そもそもTL4を載せた国内販売車はティーダしかないので、ほとんどの部品がスペインやフランスのデポからの取り寄せになります(生産工場がスペインのため)。


そして来ました部品の山! 並行車のクリオのために、直接関係ない日産の部品を、ルノーの正規ディーラーで取り寄せる暴挙(笑)
そのうえ日産カードで決済したので5パーセントオフですw


1~2速のハブスリーブ&シンクロセットも


ギアシャフトの軸受けベアリングも


よく漏れるデフサイドシールなんて日産品番で取れば爆安です


そして一番値段の差が大きかったスレーブシリンダー。よく抜けると有名だそうですよね。これも日産車用が使えます。ルノーの品番だと3万〇千円でしたか。それが日産品番だと・・・。
どうやら4回ほど品番が変わっていて(=それだけ対策されてる)、欧州で販売されている現行エクストレイルのMTにも使われています。最後に品番変更されたのが2018年なので、決定版なのかもしれません。

お値段はここに書くと、特にプロ方面の方からクレームが来そうなので(笑)書きませんが、興味のある方は調べてみてください。特に3・4速のギア鳴りに悩んでいる方、国産車並みの予算でオーバーホールできますし、新品を買うより安くできると思います。
Posted at 2023/09/30 23:10:50 | コメント(0) | トラックバック(0) | ルノークリオ3RS | クルマ
2023年09月30日 イイね!

TL4の3・4速のシンクロがなぜ痛むのか(仮説)

前回のブログでは、TL4の3・4速のシンクロが痛む理由の仮説を、ギアの配列を見てわかったと書きました。
結論から先に書くと、「アイドラーギアとシャフトの間に(6速を除く)ベアリングがなく、ブッシュになっているためフリクションが大きい」ことに尽きると思います。

この写真では、下側がクラッチにつながるインプットシャフト、上側がデフにつながるアウトプットシャフトになります。左側から1速・後退・2速~6速の順にギアが並んでいます。写真に写ってはいませんが、これとは別にリバースギアのユニットがあります。


TL4は日産とルノーが提携した後の2005年に採用されたトランスミッションです。なので今では古い設計のものです。
現代のマニュアルトランスミッションでは、アイドラーギアの軸受けにローラーベアリングが使われていて、フリクションロスの低減に寄与しています。ここのフリクションが小さいと燃費に影響します。常時嚙み合わせ式のトランスミッションでは、駆動力が繋がっていない段のアイドラーギアは、シャフトに対して空回りしているからです。

シンクロは、シャフトに嵌合したハブスリーブ側に付いています。シフトフォークに押されたハブスリーブが、シンクロを空回りしているギアに押し付けて、アイドラーギアの回転数をシャフトの回転数と同じになるように同期させ、一致するとハブスリーブの内側に刻まれた溝がギア側の溝に嚙み合って駆動力を出力側のシャフトに伝達します。(ボルグワーナー式シンクロの場合)

問題は空回りしているアイドラーギアです。これがフリクション無く軽く回っているとしたら、シンクロが押し付けられることで回転数が同期する際に軽い力で済みます。ところがここのフリクションが大きいために、強い力でアイドラーギアを押し付ける必要があります。
それだけでもシンクロのブレーキ面の負担が大きいわけですが、そのアイドラーギアの回転数は、TL4の場合はタイヤの回転に同期しているアウトプットシャフトに嵌合したギアに常時噛み合っている(=同期すべきインプットシャフトに対して回転がギア比の分だけ低い)ために、シンクロにかかる負担はさらに大きくなるわけです。
ただでさえスポーツエンジンのRSですから、エンジン回転を上げてギアチェンジすることも多いので、シンクロの負担はさらに大きくなります。

そのためにルノーは、負担の大きい3・4速のシンクロだけ柔らかい真鍮から固い鉄へ素材が変わり(シンクロの歯の摩耗を抑えるため)、一方でギアを摩耗させないためにブレーキ面は柔らかめの素材を貼り付ける対策をとった、という仮説を立てています。おまけにご丁寧にハブスリーブのキーのバネの強さまで固くするほどの気の使いようです。
ちなみに同じトランスミッションを、カングーやティーダ、セニックなどに使っていますが、この対策をしているのはクリオ/ルテ3だけです。
(※のちに調べるとルノーのフルエンスという車の6MTも同じ対策品が使われていました。)

つまりは構造的な問題なのですが、何か対策はしたいと思います。どういう対策がいいのか、シンクロを痛ませない注意点は何か、次の記事に書きたいと思います。
Posted at 2023/09/30 22:32:30 | コメント(0) | トラックバック(0) | ルノークリオ3RS | クルマ
2023年09月29日 イイね!

クリオ/ルテ3のTL4の3速と4速のシンクロについて

自分の調べた範囲では、クリオ/ルテ3用TL4の部品図を見ると、3速と4速のシンクロは別の部品番号が当てられています。(3速用:8200641529 4速用:8200639319)


ところが先日、自分用に分解したTL4-031のシンクロを見てみると、3速と4速は同じシンクロが使われていました。このミッションは過去に一度も開けたことが無いので、工場出荷状態から同じ3速のシンクロが使われていたのでしょう。じゃああの4速の部品番号はいったい何だったのか。。

そして海外のフォーラムを見ていると、その対策品のシンクロもトラブルを起こすようです。なんでもシンクロのブレーキ面に貼られている磨材が剥がれてしまうとか。ホットナイフでこそぎ落とせてしまうそうなので、熱に弱いのでしょう。
そしてシャフトに組まれたのギアの配列を注意深く見ていると、なぜ3速と4速のシンクロが真鍮から鉄の物に変わり、それでもなお対策品が痛む理由が分かりました。

(続く...)
Posted at 2023/09/29 00:31:29 | コメント(0) | トラックバック(0) | ルノークリオ3RS | クルマ
2023年09月17日 イイね!

TL4の部品をいかに安く手に入れるか(2)

クリオ/ルテ3と日産ティーダの6MTが、中身は同じ部品を使っている決定的な証拠が欲しい。それには実際に部品を見比べるのがよかろうと、双方の部品番号から画像検索をして、見比べると深まる確信。。
そこで最後は人柱になろうと、それが同じだったらそれに付随するほかの部品も全部同じと断定できる部品を注文することにしてみました。
それは3~4速用のハブクラッチ。ギアシャフトにスプラインで嵌まっていて、シンクロリングを介してギアに駆動力を伝える部品です。ちなみに3~4速と5~6速は同じものを使っています。1~2速はダブルコーンシンクロなのと、バックギア用のスリーブリングがついているので別物です。

そこで、ティーダのハブクラッチをいつもお世話になっているルノーディーラーで頼んでみました。というのも、日産プリンスが経営しているルノーディーラーなので、日産の部品も普通に注文できます。
ちなみにクリオのハブクラッチの品番は7701769552。ティーダだと品番は32610-00QAPです。



そして来た部品がこれ。撮影用に日産の品番シールを一旦剥がして別の場所に貼っていますが、来た当初は左上のルノー品番シールの上に日産品番のシールが貼られていました。

これが同じということは、ギアシャフトも、シンクロも同じということ。シャフトが同じならギアケースも同じなのでベアリングも同じになります。芋づる式ですね。
そして気になるお値段は、ルノー品番なら約3万1千円(税別。2022年当時の価格)に対して日産品番で取ると1万円(税別・2022年当時の価格)。なんと約1/3のお値段。これは人柱成功です!

このハブクラッチにはシンクロリングがついているんですが、気を付けなければいけないのは、クリオ/ルテ3の3・4速の対策品のシンクロがついているわけではないということ。5・6速用のシンクロリングが付属しています。また、シンクロハブのキーも5・6速用で、3・4速に使用するには別途それ用のキーが必用です。

したがって、3・4速に使うのであれば、別途対策品を手に入れなければなりません。それはルノー品番でしか出てこないので注意が必要です。なお、3・4速用のシンクロハブのキーは、別の某日産車用に同じ部品が使われているので、それを利用します。
実際に組むなら、新品のハブクラッチに3速用対策品のシンクロリングを入れて、
浮いた5・6速用シンクロリングの新品を元からある5・6速へ入れてやれば、3~6速までシンクロリングが新品になります。
ハブクラッチ自体は構造上摩耗しにくいので、5~6速のハブクラッチを新品にする必要はないでしょう。

(続く)
Posted at 2023/09/17 23:54:04 | コメント(0) | トラックバック(0) | ルノークリオ3RS | クルマ

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若いころからイタフラ車に乗り続けて20数年、今はクリオ3RSに乗って遊んでおります。久々の現代車は楽で楽しい。 イタフラ車歴 シトロエン2CV spec...
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