2012年08月18日
明け方・・・
窓の外からは必死に命の鼓動を吐き出す蝉の鳴き声で目を覚ます。
そっと鍵を開け、蝉の鼓動にエールを送り、冷蔵庫の麦茶を景気良く1杯。
その昔・・・地方都市の大型ショッピングモール。
ショーケースに並んだアラン・ミクリを眺めていたら、彼女は姿を消した。
消えた、完全に。
ここがオホーツク海でないのが、唯一の救いだった。
すえた匂いの武蔵野線に乗って帰宅する。
洗わずに放置したサイクルキャップのような匂いだ。
左腕がいやに軽い、そして捲ったカフスからは空虚が存在する。
今朝、プールへ向かう途中で、ハミルトン製パルサーの腕時計を無くした。
この時計を探し購入するまでに5年と言う歳月を費やした。
それは、僅か2年足らずで消えてしまった。
左腕には微かな夏の記憶が残っているが、本格的な冬がくる頃には消えてしまうだろう。
象牙のリング
サファイアのピアス
カルティエの指輪
ターコイズの首飾り
ベルサーニのブレスレット
母親にもらったダイヤモンドのピアス
コロンビア大学1976年卒業記念のカレッジリング
デュポンのガスライター
セナとプロストによるマクラーレン・ホンダ総合優勝記念ジッポ
グッチの傘。。。
かつて全ては、僕の身体の近い所にいた。
無くしたものの亡霊。
失ったモノの王国。
『勿体無い!そんなに無くすのならば始めから持たなきゃイイさ』
と、皮肉面して笑えばいい。
『でも僕はね、この日に‘それを’無くす為に持っていたんじゃないかと思うんだ』
ショッピングモールで別れた君はどんな顔で笑うのかって思う。
。
Posted at 2012/08/18 13:21:40 |
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モンちゃんワールド | 日記