
夜間の上映があったため、行ってきた。
数十回は観ているので新しい発見はないだろうなぁと思っていたが、意外と気が付くところが多かった。この映画、ここでは略して『物体X』としますが、チラシを見直したらデジタルリマスター版とのことであった。『物体X』について感じたことは、次の3点。『復活の日』「サウンド」「ローテクSFX」だ(以下、『・・・』は映画タイトルを示します)。

1.復活の日
『物体X』の冒頭で、この物語が1982年であることが示されるが、そういえば映画の『復活の日』もウィルスが拡散する年は1982年であった。南極以外ではイタリア風邪が蔓延するし、南極では物体Xが暴れるしで、その年は世界中で災厄の年だったんだな(あっ、「災厄の年」は小説版「復活の日」の章題になります)。

最近では”映画『復活の日』が567禍と類似してる”とかでウェブにアップされているが、私としては小説の購読をお薦めしたい。
『復活の日』では南極が舞台となるため南極ロケを敢行したらしいが、『物体X』ではエンドクレジットにアラスカの文字が見て取れたので多分アラスカロケなんだろうな。予算さえありゃ南極まで行っても構わんのだろうが、映画なんだから「それっぽく見えりゃどこでも良くね?」という理屈もある。
2.サウンド
ストーリーと映像は全て知っているつもりだったがサウンドには驚いた、音がでかくて(笑)。デジタルリマスターと関係があるのかどうかは知らんが、自宅でCSの放送を見るのとは全く違う。映画館の音響効果の偉大さを痛感いたしました。『プライベートライアン』とかの再上映とかがあれば是非観たい(聴きたい)ものだ。
『物体X』の作曲家はイタリアのマエストロ、エンニオ・モリコーネ。メインタイトルに聴き覚えがあるなぁと思っていたら、同じモリコーネ作曲の『アンタッチャブル』の”ウェイティング・アット・ザ・ボーダー”にモチーフがそっくりであった。

『アンタッチャブル』は1987年の映画なので、『物体X』より自分でインスパイアしたと思われる。
3.ローテクSFX
今ではデジタル合成やCGが全盛であり、悪いことではない。例えば宇宙空間や想像の世界を具現化するならCGの力を借りなければならないだろうが、今回は”同化”とか、血肉・骨・体液などの有機的な表現が必要であり、その特殊効果が素晴らしい。

”ヤツ(映画中では”生きもの”と表現)”の動きの背後では、SFXマンがワイヤーを動かしたり着ぐるみに入って演技したりしていたに違いない。しかし有機的であるが故にコテコテの造形がされた結果、映画史に残る傑作SFXとなった。

この映画の一番好きなシーンはノリスに心臓マッサージするところから火炎放射器で退治するところまで、ですな。しかし頭のみで移動するクリーチャーとかよく考えるものだ。さすがR・ボッティン。

映画館に入る前に書店に入ったところ、客はほとんどおらずガラガラ。
しかし入口すぐに「防疫」をテーマにした書籍を並べていたのはなんだかなぁ~、しかも「復活の日」まであったぜ。「感染症の世界史」まで並べられていたし。

夜の部ということもあり、私を含めて観客は4名であった。
Posted at 2020/05/20 23:44:58 | |
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