
今回は
先週の作業の続きになります。

サーキット走行時フロント右がヒットによりキャスター角が寝てしまったBL3FWマツダスピードアクセラ。
今回は見立てたフロント右ロアアームの交換。
トー角のアナログ方法での確認、必要に応じて調整です。
前回は車高調を外し、車高調を分解して各部品のガタや曲がりの確認を行いました。
車高調自体は問題なしでしたが、そうするとやはり次に点検すべきはロアアーム…という事で中古品を手配してもらったので、

フロント右ロアアームを取り外しました。
ナックルのボールジョイント勘合はきっつい印象があったので各種工具持参と覚悟も持参していったのですが…
一応最初はプラハンでポンポン叩いて…みたらマジであまりにあっけなく抜けた。
えっ!!??逆に、えっ!?ってなりましたが中古良品との比較をしてみたら

あ

ああー

あああああーー
後ろ側のブッシュが強烈にスイングしてブッシュをぶち抜いた様で後ろ側ブッシュが壊れています(反対のフロント左側ブッシュは綺麗なままだった)
前側ブッシュの部分も曲がり、ボールジョイント部も前方へ歪み曲がっているしここのボールジョイントももう縦ガタ出てるし中立も出ないし、要するに完璧に終わってましたw

フロントロアアーム取り付け部、前側

フロントロアアーム取り付け部、後ろ側
中古良品の取付部を綺麗にしてから装着して入った物の前側ボルトが通ってもその先、ネジ部に入る具合がちょっと悪かった…
後側ボルトはがたがたのゆるゆるでも、何か通してる位置でだと上手い事前側ボルトが通らないので一旦後ろ側ボルトを抜いて、もっと自由に動く様にしたら前側ボルトがネジ部までちゃんと貫通していきました。

MSのフロントスタビのブラケットはナットが一緒にくっついてるんですね。
楽でいいなぁ…
NAはこういう

スタビブッシュブラケットの上に、ツバ付きの専用のナットが別に乗る形なんで、これを手で押さえてボルトに通してやる様にするんですよ。
別に苦でもないけどもMSのブラケットセットの方が楽ではあった。
交換後はもう車高調の立ち位置も良さそうだし見事なまでに外したロアアーム現物がダメダメだったので、これじゃあれだけ寝ますよねー!はははーーーみたいになってて、もうこれで8割は元に戻っただろうよって空気感でした。

んんん……戻りきらなかった。

これが作業前の状態。
測定してみると、反対側のこの状態に対して同じサイドステップ真上からタイヤの規定の距離を測定したら、ジャスト10mm差が出てました。
とはいえ交換前よりかは概ね10mm戻ってるんです。
でも、まだ他の部分で10mmのズレが残ってもいる。
やはり影響として考えられるのはロアアーム取り付けの時に感じた違和感の通り、

メンバーの前側、ここの歪みでしょう。
そもそもでロアアーム前側ブッシュのところも変形があったからここの形状そのままで捻りが入ってる状態の可能性が高い。
だからロアアーム自体は正常な形状に戻っても、ブッシュのところで捻られてしまってキャスターが出てしまう。
10mm分となるとナックルもどうか分からないけど.…
後は可能性としては低いけど、フロントメンバー固定のボルト4ヵ所を一度緩めて締め直すとか。
メンバーのボルトの所は結構な隙間があるんです。
メンバーカラーなんて部品があるくらいでこれの取付も複数回やってますから、隙間具合は知ってます。
だから衝撃で数mm寄ってしまう可能性はある。
ただ、だとしてそれなら単純に反対側ももうちょっとホイールセンターがズレるよなーとも思えば歪みの方が可能性高いし…
と言うことでともかくトー測定してみました。
原始的にメジャーでタイヤの前後の距離を測定です!w
メジャーの先をタイヤに食わせる為のスチールの空き缶も当時のまんま(缶底見たら2008年だった。確かにその頃だろうよ)工具箱に入れていたのを持ってきました。
測定結果、
前側1561mm
後側1565mm
左側を正として考えた時、右側がトーイン4mmという事になる…
整備書によるとタイロッド1回転で6mmの変化との事だったので、

回します。
この時タイロッドの回転につられてブーツ側も一緒に捻ってしまいますので、原則クランプは外しましょう。
これの調整後の結果が
前側1557mm(1561-1557=4mm)
後側1560mm(1565-1560=5mm)
という変化。
これだとまだ右側がトーアウトへは行ってないですね…もう半回転行くか。

目印に貼ったマスキングテープが地面側、もう半回転回した状態にしました。
調整後の結果が
前側1559mm(1559-1557=2mm)
後側1557mm(1557-1560=3mm)
よし、これでフロント右がトーアウト2mmになりましたね!
もう止む無しの策ですが右だけトーアウトにして流れ対策にしました。
フロント右がキャスターが寝てる(前足が左より右の方が出てる状態)なので、左流れが出てしまうわけです…
打ち消す為にーですね。
しょうがない。
交換調整後に試走してもらいましたが、街中では全然普通に走るという事でした。
ただ恐らくはサーキットスピードになると特にブレーキングの時は左流れが強く出る可能性が高いでしょう…
今すぐできるという範囲に留まりましたが今回の作業はここまで。
しかし、メジャー測定でのトー調整だとかFC現役の頃ぶりの作業で、走り回ってたあの頃を思い出して懐かしい気分になりました。
まさか今になってアクセラでも経験することになろうとは思っていませんでしたがw
あの頃があるから今がある、ってやつですね…
今年はそんなないだろうと思ってましたが、何か次へ次へとBLアクセラの作業セッティングの話が入ってますので今年も楽しくなりそうです!