シャアは大気圏突入時に、ホワイトベースに攻撃を仕掛けるという作戦を立案、実施している。この時期においては例を見ぬ作戦だった。燃え尽きるまでに戦闘可能な時間はわずかに2分──。
このときシャアは2分間でホワイトベースを撃沈できなかった場合のことも考えていた。
「例えばホワイトベースが大気圏に突入するとき、シャアは敵の側面に攻撃を集中させていました。こうすれば撃沈こそできなくても、軌道がずれてジオンの勢力圏である北米に降下させることができる
この作戦は、攻撃の方向を一方向に集中させるだけで、次の準備ができる。無駄のない洗練された形で」
補給を待たずに突撃要員の招集を命じたシャア。副官のドレンが「補給艦の到着を待つのではないので?」いう質問に答えたセリフが『戦いとは、いつも二手三手先を考えて行うものだ』というものだ。同様に大気圏突入時の作戦も、まさに二手三手先を考えたものだといえる。この作戦を賞賛するドレンに対し、シャアは「戦いは非情さ」と答えた。
「つまり、常に二手三手先を考えるということは、二手三手先が出てこなかった作戦もあるということです。すごく無駄なことをしている。考え方によっては。二手三手先を考えるという時間をきっちり取って用意しておく。そのための布石を打つ。それも、できる限り無駄にならないように」
「最初の作戦が失敗したから二手目があるわけですが、『うまくいくだろう』という楽観で行動していない。無駄を承知で考えている。ただし行動としての無駄は最低限にしたい」
楽観で行動せず、二手目につながる一手目を無駄のない形で考える。ここにビジネスの行動指針につながる教訓が1つある。