
先日無事にエンジンの始動を確認できたので、とりあえずどうにか次に進める気になれました。
このままエンジンも終わっていて始動せず、ゴミを買っちまったなんてなったら最悪なのでとりあえずエンジンの始動が確認できただけでもかなり嬉しいものでした。
このバイクはビモータのYBシリーズでヤマハからエンジンの供給をうけているシリーズの車体になります。
ベースのマシンはFZR1000のEXUP付の3GM型。1989年から1990年式辺りの車体になります。FZR1000のエンジンは年式により細かな変更が加えられながらYZF1000Rサンダーエースまで続くエンジンだそうです。恥ずかしながらこのバイクを手にしてからいろいろ調べて学びました。
そしてこいつのエンジン製造から30年経過している訳で当然ながら各部が劣化してきています。なので久しぶりにエンジンを始動(10年ぶり)されるとエンジンも驚くようで、各部からオイルも水も漏れてきました。
では早速オイル漏れと冷却水の漏れの修理をしていきます。
オイル漏れの一番酷いところはヘッドカバーで左側からポタポタともれています。
キャブでも気になりましたがここも汚く液体ガスケットを塗られテキトウに漏れの修理?をされています。以前のオーナーがやったのか、メンテナンスをした店がやったのかわかりませんが本当に酷い事をされているバイクだと感じました。このバイクはこんな感じの部分がこの他にも沢山ありました。

最初に問題のヘッドカバーを直していきますが、ボルトを全て外してカバーを持ち上げるとフレームにゴンッ。予想はしていましたが本当に外せませんでした。
仕方なくエンジンを降ろすかと思いましたが流石に大変なので、軽くエンジンを下にずらしてヘッドカバーの取り外しに成功しました。
外したカバーはマグネシウム製で超軽量。思わず重さを計ると460gでした。
エンジンをずらすにあたりラジエターを取り外したり、それに付随するパイプ類も外したのでせっかくなので全ての冷却水廻りのOリングやガスケットを交換する事にしました。

外したラジエターに入っていた冷却水はただの水で中は完全に錆びて、ラジエターは中もホースの取付部分のパイプも見事に腐っていました。なんでこんな事するのか不思議でした。
これによりラジエターも交換しなければならなくなり、錆が回っている事を考えウォーターポンプも分解する事なりました。

ウォーターポンプもちゃんと錆まくってました。
ただ調べるとウォーターポンプはOHが可能でシールやベアリングも全て部品が出たので早速注文しました。

部品が揃ったのでOH。
メカニカルシールがなかなか外れず苦戦。ベアリングプーラーでも外れず結局マイナスドライバーで叩いて破壊しました。
この時はポンプインペラが錆はあってもシャフト部分に全く錆や摩耗が無かったのとインペラが5000円と高かったので再使用して組付けました。
ラジエターは某オークションでFZR1000の物は数点出品されていて、少し高いけどウォーターパイプ等の周辺部品もまとめて出品されていた物を購入。
ラジエターを含めこの辺りの部品もFZR1000の物がそのまま使えるのでまだ救いでした。
亀裂がはいって交換時期のラジエターホースと、錆で腐ったポンプからシリンダーブロックを繋ぐパイプも同封の中古部品に交換しました。
一通りOリングやガスケット、サーモスタットにラジエター、OHしたウォーターポンプに交換をして再度エンジンを始動。オイル漏れは直ったと安心していると、なんか左側に冷却水が一滴垂れ気のせいだと信じほっておくもまた一滴。これは確実に漏れだと思い確認すると何故かウォーターポンプの裏から漏れている。OHしたのにと愕然としていると、ふとインペラの再使用した事を思い出し良く見てみるとやはりインペラの錆が原因でインペラ側のメカニカルシールが錆でシールされておらず冷却水が漏れていました。

結局ウォーターポンプを再度分解してインペラを交換しました。
今回の修理でかなり多くの部品を注文する事になりましたが部品を調べる事に苦戦しました。いろいろ調べていくと海外サイトでFZR1000のパーツリストが見れるサイトを発見してそれを活用しました。
たまに品番変更されている部品もありましたが9割はそのまま注文できました。
部品はモノタロウで純正部品が取り寄せ出来るのでとても便利です。
車種専用な感じの部品は出ないですが、Oリングやガスケットはほぼモノタロウで注文できます。
またこの年式のバイクになると廃版の部品も多くラジエターホースや冷却水のパイプはすでに廃版でした。
今回はFZR1000のエンジンの修理という感じで修理していけましたが、所々イタリアンクオリティーを感じつつ噂の整備性の悪さとやはり旧車であるという事実を感じる修理となりました。
今のところ一か所直すと二か所壊れます。
Posted at 2021/10/13 23:54:20 | |
トラックバック(0) |
レストア | 日記