サンライズさんへケイマン君を1週間のお泊まりでお預けし、その足で、会社へ向かう。
会社へ行くには千駄木から地下鉄に乗ればいいのであるが、それを通り過ぎ、前からどうしても行きたかった蕎麦屋さんへ立ち寄る。

相変わらず凄い人気であり、30分前から並んで1番だったけれど、開店までには長蛇の列に。
店に入り、頼んだのは、鴨せいろと、ちょっと大変かな?と思ったが、小天丼。
しばし、店のなかを見ながら待っていると、最初に漬物が登場。

そしてそれは、「ああ、もう、絶対にこれ、美味しいでしょう!」と思ってしまうような、美しい姿と、素材の内容。
少し話しが逸れるが、東京というところは面白いところで、有名になったお店でもメイン以外は全く頓着がなく、残念な感じの仕事をするお店と、全ての物事において、細部まで整っているお店が、極端に分かれている気がする。もちろんこのお店は後者の最たるものなのであるが、蕎麦の良し悪しの前に漬物で感動させてくれると、その後の蕎麦も当然、期待を持ってしまう。

さらに待っている間に、ガラス張りの蕎麦打ち所を眺めていると、期待通りの細い蕎麦が次々と出来上がっていき、こちらもまた、打ちたてのそれが、美味くないはずがない。と思わせる。
そんな感慨に耽っていると、まずは鴨せいろが登場。
大振りの器には、分厚い鴨肉が何枚も入り、更に鴨肉のツクネまで入ったかなりのボリューム。
決して安くはないけれど、これだけ鴨が豪勢に入っていれば、この値段、決して高くはないぞと、予想の斜め上をゆく高評価を付けつつ、まずは蕎麦だけでいただく。
やばい、これは、相当美味い。正直、鴨なしでもいいくらいである。
そして、鴨のつけ汁は、つけ汁だけに味はかなり濃いめであるが、もの凄く美味い。特に、汁に甘みがあるのが、個人的にはとても好み。
またまた余談ではある、が、東京の味というのは、汁やタレに甘さを入れない作りの店が多く、それがこの地域で昔から親しまれてきた味であるということは、わかってはいるのであるが、やはり、汁やタレは、適度に甘さもあったほうが、私は好きである。なので、ここの、濃いめの甘辛いつけ汁が鴨肉にしっかりと染み込んだ味わいは、自分には最も馴染みの味でとても満足。
さらに、お待ちかねの鴨肉をほおばると、肉の臭みの無さに驚かされる。
肉厚でしっかりした一切れをほおばり、しっかり噛み締めると、鴨の旨みが口のなかいっぱいに広がるのであるが、その時に鴨特有の臭みが全くしない。肉の種類なのか、下処理のなせるワザなのか、しかも肉はくちびるほども分厚く、思わず、どうしてこんなに臭みのない美味い肉なのかを聞きたくなってしまったが、そこはグッと我慢して、とにかくこの美味しい食べ物に集中する。
そして、切り身の肉も美味しかったが、ツクネも、もう、申し分なく、美味い。こちらはかなり生姜を効かせてあり、鴨の濃厚な旨みと生姜の風味が噛むごとに染み出して来て、こちらも相当なものである。どう考えても、現状の和食部門鴨肉オブザイヤーな味である。
そんな鴨汁に夢中のなか、漬物にも手をのばすと、見た目通り、野菜自体の素材の新鮮さと、漬け込んだ旨みが絶妙で、こちらも白いご飯と味噌汁と漬物で、「漬物定食」でも良い位の美味しさ。
そして、良い頃合いに、小天丼が登場。

小天丼と言っても、ご飯が少ないだけで、天ぷらの種類は、ビックリするくらいたくさん。
「いや、これ、600円なら頼むでしょ!追加のせいろより安いのに、このボリュームはあり得ない。」そう思いつつ、早速、熱いところをいただく。
まずは、ナスやサツマイモなどの野菜の甘みを堪能し、次にボリュームある舞茸の旨みに、ここまで全く感じられていない季節を感じ、ぷりっぷりのエビの食感、その他諸々のタネを次から次へと食べていくと、朝ごはんを食べていないとはいえ、お腹が相当満腹の領域へ。「いかん、これも、天丼だけで十分良い位の代物だ。」と、贅沢な後悔を少しだけする。
そして、もう一つ、忘れてはならないのが、蕎麦湯の激ウマさ。
「なんなんでしょう?この、単なる茹で汁ではなく、美味しい蕎麦粉で、スープ作っちゃいました的な味は?!さらに、鴨汁との組み合わせは、これだけでも一品になりますやん!!」と、無表情に食べ進める内側では、相当な感動の嵐が吹き荒れる。
そんな至福の30分余りを過ごし、また絶対に来ようと心の中で誓いつつ、店を後にする。
これで、今日の休日出勤を乗り切るだけの肉体的エネルギーと精神的エネルギーは十分に補給できたので、後は、任せておくがいい!!と、自分でも変なテンションにだと思いつつ、根津を後にする。
Posted at 2016/09/25 23:51:19 |
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ケイマン | 日記