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灰色だった空から、急に大粒の雨。
落ちてくる。
勢いよく。

「あぁ…　視界、悪くなるな」

ちょっと、心のどこかで　そう思った。
最近、ワイパーの水はけが悪い。
「そろそろ、ゴム、替えるか」






そんなことを思いながら、角を、ひとつ、ふたつ。
満員電車が嫌いで、車通勤をしている自分の通る道は、閑静な住宅街。
徐行に近い速度で、そろそろと進む。

ふと、前方を見ると、信号は赤に変わるところだった。
ゆるゆると減速し、ブレーキから足を離す直前くらい。

うっきゃー！！
どん！！

甲高く、絞るような声と、かるい振動。


げげげげぇぇ！
にゃぁかっ！！？？
にゃぁなのかっ！！？？（＠＠；

ふと左を見ると、
助手席の窓越しに
一面の





………背中と、手と…手と……手？





いいですか？
朝からどんなに楽しくても。
興奮して暴れた挙句に。
歩道から脇の車に向かって、
3人団子になって降ってくるのはやめて下さい。
びっくりします。



車を降りて、女子中学生3人の無事を確認し。
ついでに、うちのわんこの無事も確認し。
自分「通学路だしね、こっちも気をつけるから、気をつけてね」
女子中学生１「すみませんでした」
女子中学生２「こいつが暴れまして」
女子中学生３「ちょっ！私！？いや、すみません。てか、こいつらが、ニノと私の恋路を！？」
女子中学生１・２「いや、それ、夢に見た時点で、おまえがおかしいから」




そうかそうか。
ニノと恋路か。
朝から楽しそうですね。




…帰りてぇ（ーー；