
日本を発つこと早7ヵ月半・・・
一緒に来てくれたS氏は、ドイツ語と英会話、そして料理の腕前が段々と上がる日々。
しかし私のほうは、社会の荒波と強~い外国人たちに揉まれ、かなり心臓が強くなってきたような。。。(苦笑)
さてさて、今日の本題は、私の愛車についてです。
私の愛しの車、日本から持ってきたボクスターですが、なんと、、、
いまだに手元に来てません。(涙)
こちらに来て、一番ストレスが溜まり、心が折れそうになったこと、それは、愛車のことです。。。
日本を発つギリギリになって、抹消代行に印鑑証明が必要なことがわかり、しかし既に日本に住民票がなく大奔走した話は前に
ここで書きましたが、
今回、車を持ってくるときにうまくいかなかったことは、思い出したらきりがありません。。。
一度思い込むと、「絶対達成させる」 と思ってしまうのが私の性格で、
「スイスに行っても自分の愛車に乗りたい!」
その一念で、普通やらないような道を推し進めてしまいました。。
輸送を手伝ってくれた知人の支えや、輸入費用が免税だったこと、自分の許容予算内に収まりそうなこと、などの裏付けがあったからこそではありますが、
今振り返って成長した私が思うのは、
「一念を達成させるのが必ずしも良いとは限らない」
ってことでしょうか。。。(苦笑)
できる限りのことは調べた上でおこなってきましたが、あまり人が通らない道には、結果として、
目に見えない落とし穴がたくさんありました。
たとえば、日本から持ってきた車というだけで、市のモーターオフィスから2倍の検査時間と料金を取られたり。
そんなこと、
公式には全く明文化されてない裏ルールです。
料金120フランが倍になっても大したことはありませんが、通常45分の検査時間が倍の1時間半になったことで、その
連続した予約枠を取るためだけに1ヵ月半も待たされることになりました・・・
車はもうバーゼル、自分のすぐ近くにあるというのに・・・
でも、一番の落とし穴は
「知人の知人」でした。
知人は、前の愛車を売却したときからずっとお世話になってる方で、結婚式にも来て頂いてるし、信用の置ける方。
そしてその知人の知人は、私は一回も会ったことの無いドイツ人で、ヨーロッパ内での輸送を手伝ってくれるという話でした。
費用は実費のみ、友人として力を貸してくれる、という・・・そして、これが落とし穴だったわけです。。。
「今一体車がどこにあって、どういう状態なのか?どうしてもっと早く進めてくれないのか?」
ビジネスとしての取引だったら当たり前に催促できるようなことも、好意でやってもらってることだと思うと、相手も多忙の身ですし、悪くてそれ以上突っ込めないことが、非常にジレンマでした。
横浜港からロッテルダム港に、いつ着くかも正確にわからなかったですし、わかる手段も無く(教えてもらったWebサイトは出国以降一切更新なし)、いつ着いたのかの連絡もありませんでした。
こちらから質問しても、何かあったら連絡する、というのみ。。。
やっと連絡が来たのは、3月19日。
既にロッテルダム港からドイツのマンハイムにある彼の会社まで輸送が済み、今私の住むバーゼルまで送るための書類を用意中で、「早ければ来週には乗れてると思う」とのこと。
喜んだ私は、自宅近くに4月からガレージを契約。
しかし、
車は3月末どころか、それから1ヶ月経っても届きませんでした。
このため、全く使ってない車庫の支払いだけするはめに。さすがに2ヶ月で解約しましたが・・・
次に彼から連絡があったのは、もう4月も末に入った頃。
彼いわく、「スイスはEU基準じゃないので書類を作るのが大変だった」とのこと。
乗れるよと言われてからもう1ヶ月以上も経ってること、既にガレージまで借りてたことは、知人の知人だし悪くて言えず・・・
そしてやっと、4月25日に愛車がバーゼルに到着。
あとは車検を通してナンバープレートをゲットすれば完了!のはずが、、、
なぜか
税関でもらえるはずの13.20というドキュメントが無い・・・
これが無いと車検も通らないし、自動車保険にも入れない。
なんで無いんだ?と車検でお世話になってるHONDAのスタッフと確認したところ、なんと、、、
私の車、
全く税関を通らずにドイツからスイスまで直接運ばれただけの様子。(怒)
普通は税関を通すのは輸送会社の仕事です。そのために必要な書類は全部私のほうで調べてそのドイツ人の彼にメールで渡してあり、
本人も持ってくるのが遅くなった理由に「書類を作るのが大変だった」と言っていたのに。
一体、彼は、何の書類を作っていたのでしょう・・・・・・・?!
とにかく税関を通さないことには何もできないため、しかたなく私とHONDAのスタッフでボクスターに仮ナンバーをつけて、税関までスタッフの運転であわてて行きました。。。
本当はこんな仕事はショップスタッフのやることではないのです。優しいスタッフに感謝・・・(私をコバヤシカムイと呼んだ楽しい人ですw)
そして税関にて登録処理をしようとして、またまた驚きの事実が判明。
日本から輸出したときに添付したはずの、
「EXPORT CERTIFICATE」という大事な書類が無い。
これが無いと税関を通れないため、そのドイツの彼に電話して聞くことに。。。
電話に出てくれたのがこのときの救いでした。
彼いわく「書類はHONDAに直接別送した、あと2、3日で届くだろう」と。
私は、『は?別送するならなんで先に送らないの?っていうか、国際輸送を頼んでるのになんで税関スルーして持ってきてるの?』
と内心怒り心頭でしたが、そこはやはり知人の知人・・・
とにかく今税関に来てて、この書類が無いと税関通れないから、ということで、FAXでコピーを送ってもらって一時をしのぐことができました。
このときのもう一つの救いは、税関職員が優しい人で、コピーでいいと言ってくれたこと。
スイスはルールに厳しい人が多いので、オリジナルじゃないとダメ!と追い返されてた可能性もあります。
そんなこんなでやっと税関で13.20という書類を手に入れ、これでやっと車検を通せる!と思っていたら、
今度は上に書いた通りモーターオフィスから
「日本から持ってくるのはレアだから」 という理由で車検まで1ヵ月半も待たされ・・・
そして待ちに待った6月11日、
車検では2つの理由で落ちてしまいました。
スイスの車検は厳しいと聞いていたので、日本にいるときからリトロニックだったヘッドライトをハロゲンの右車線走行用に取り替えたり、自分たちで整備したり、準備万端にしていたつもりだったのですが・・・
理由は、思いもよらないものでした。
1つ目は
「Vehicle Plate」と呼ばれるプレートが1つ無かったこと、
もう1つは、なんとまた
「EXPORT CERTIFICATE」ドキュメントが無いことでした。。。
HONDAのスタッフに聞いたところ、そんなドキュメントは一切届いてない、とのこと。
こないだ税関からあのドイツの知人に電話したときは「送った」と確かに言っていたのに。。。
その人には既に輸送費用も支払い済みでそれっきりで、このときメールで問い合わせても、返事がない・・・
でもそのときは「またコピーで大丈夫だろう」とHONDAスタッフが言うので、その知人には特に追求せずにいました。
もう1つの理由「Vehicle Plate」、ポルシェの車体情報のプレートというのは、ボンネットの裏など、全部で4箇所あるものです。
他のところには全部ありましたが、ドアを開けたところに無い、と。
これは全く知らず想定外でしたが、取り扱い説明書を見るとしっかり載っていました。
Usedで買ったときから無かったので、きっと前のオーナーが何かのはずみで取ってしまったのでしょう。。。
日本の車検だったら絶対チェックされない場所ですが、やっぱりスイスの車検は厳しかったです。
ポルシェにすぐ発注しましたが、これが届くのにさらに1ヶ月待たされました。
ちなみにHONDAだったら2、3日でできることだそうです。
ポルシェ、車は好きだけど、ショップがますます嫌いになりました。。。(苦笑)
EXPORT CERTIFICATIONのコピー、そしてポルシェのVehicle Plateを備え、今度こそ!という思いでまたモーターオフィスに持って行ってもらうと、、、
「EXPORT CERTIFICATEはオリジナルじゃなければ受け付けない」ということで、またしても、まさかのNG。。。
あれから1ヶ月経ちますが、ドイツの知人から一切この件について連絡なし。
何度電話しても出ず、音信不通です。(怒)
費用をまだ支払ってなければ連絡ついたかもしれませんが・・・
どうしようもなく、日本にいる共通の知人に電話しました。
彼は、自分のほうからも聞いてみるが、再発行できないかも調べてみる、と。
EXPORT CERTIFICATE(輸出用仮抹消登録)の再発行・・・
この書類を作るために、日本でどれだけ大変だったか。
そんな大事な書類を無くされてしまって、再発行するのに、またどれだけ時間がかかるのか・・・?
今まで何度も心が折れそうになりましたが、もうこのときは本当にショックで、気が遠くなりそうでした。。。
そのドイツの知人には、今まで散々輸送を待たされたり、税関通って来てなかったり、不満はいっぱいあっても一つも私は言ったことなかったですが、
電話にも出ないし、このとき初めて、心から怒りのメールを送りました。
これ以上この件について返信しないつもりなら、
法的な手段に出ると。
そしたらその日の夜中になって、やっと返信がありました・・・
前に言った通り、既にHONDAに送った、と。
でも、送ったときに使った宅配会社や追跡番号などは一切書いてませんので、信用できません。
そのことを追求すると、また返信が無くなりました。(未だに、音信不通です。。。)
そして、次の日。
日本の知人から連絡があり、陸運局に問い合わせたが、
EXPORT CERTIFICATEは再発行のできない書類だということを、知らされました。
紙が1枚無いというだけで、ここまでの思いをして持ってきた車に、乗ることができない・・・
車はもう、すぐ自分の近くにあるというのに・・・
HONDAのスタッフに連絡して、もう、EXPORT CERTIFICATEのオリジナルを手に入れることは、絶望的だと、伝えました。
しかし、EXPORT CERTIFICATEでモーターオフィスが確認したい点は、あとは初年度登録日だけのはず。
既に断られているが、コピーでもなんとか通してもらえないか??
失意の中、相談すると、なんとか説得できるかやってみる、と請合ってくれました。
そしてさらにその翌日・・・
HONDAのスタッフからメールがあり、通常は担当でない人間がモーターオフィスまで直接行ってこの件の経緯を全て伝えたこと、もう他に道がないこと、コピーでどうしても駄目かどうか交渉した結果・・・
例外的にコピーでも認めてくれることになったこと、最終的に来週月曜にもう一度行くことになったこと、車は火曜に私の手元に来るだろうこと、が書いてありました。。。
スイスは本当にルールに厳しい国なので、お役所が一旦NGを出した結果を、例外的に変えてくれるというのは、かなり奇跡的なことです。
このメールを見たのは会社でしたが、読んでいて、涙が出てきました。
この7ヶ月半、自分の車のことを考えなかった日は1日も無かったこと、
自分にできる限りのことをしてがんばったこと、
それでもどうにもならなかった障害が何度もあったこと、、、
いろいろなことが、思い出されてきました。。
来週の火曜日、
7月17日、、、、、、、
なんという偶然なのか・・・
2年前のこの日、7月17日は、私の
愛車の納車日なのです。
みん友のお友達たちが私のために
納車オフをやってくれて、、、
そこで今までみん友の一人だった男性と二人、道に迷ってしまい、それがきっかけでお互い意識するようになり、、、
そして1年前のこの日、7月17日は、私たちの
結婚記念日でもあります。
その7月17日に、この車に乗れるようになるとは、奇跡的な偶然です。
そのこともまた、しばらく私の目から涙あふれさせて止まりませんでした・・・
いまこの記事を書いていても、また涙が出てきてしまいます。
意外と涙もろい私です。(苦笑)
今まで何度も何度も、今度こそは!と思って延々と延びてきた愛車との再会ですが、
来週火曜、7月17日の思い出の日、やっと、自分の愛車に乗ることができそうです。
この日にまた、ここでご報告させていただきたいと思っています。
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I appreciate you for reading such a long text. Thank you!!!! coco