私が写真、と言うよりカメラを好きになったきっかけは祖父でした。
祖父は小さなカメラ屋を営んでいまして、母の手を握ってそのお店を訪れる度に、ショーケースには鈍く光るカメラ達が並んでいたのをおぼろげながらも記憶しています。
今のように家電の一部に埋もれてしまったソレとは異なり、当時のカメラと言えば嗜好品。
きっと値段も今よりもっともっと高かったことと思います。
定年を迎えて店を畳むと同時にメイン機種は全て売却してしまったそうですが、何点かは彼の手元に残し、それが私のところへ、それこそ私が10歳そこそこの時に渡ってきたわけです。
CanonのAE-1、OLYMPUSのOM-1、MINOLTAのX-7を譲り受け、結局使ったのはX-7がメイン。
今となってはAE-1は露出が不具合を起こし、OM-1はレンズ内にカビが生じ、X-7は何故か10枚目くらいから何枚かが感光してしまうなど、とても現役として使える状態ではありませんが、どれも思い出深いモノたちです。
最近になってOLYMPUSがOMシリーズを復活させたことを知りました。
クラシカルな外観のソレは当時の記憶を甦らすには十分であり、早速カメラ屋へ足を運んで実機を触ってみることに。
・・・素晴らしい(;`・ω・)ムゥ…キタコレ
サイズ、画質、スペックどれを取っても私の心を揺さぶります。
たった2点を除いて。
それは価格と質感でした。
電子ファインダーが付いていることを考えればレンズキットとしては破格なのかもしれません。
が、ミラーレスにここまでの値段を出してしまうと正直なところ入門一眼にだって手が届くんですよね。
あとは、どうしてもこのOM-1の金属質なズッシリしたボディを触っていると、今日のプラスチッキーなカメラって、カメラであってカメラでない・・・ワクワクしないんです。
銀塩カメラには夢がいっぱい詰まっていました。
もちろん液晶ディスプレイなんてありません。
フィルムを使い切って、現像するまで結果が分からないあのドキドキ感はたまらないものでした。
デジタルと違って撮影枚数にも制限があります。24枚か36枚、現像だって有料です。
一枚一枚に神経を尖らせて、また私のカメラは手巻き式だったからシャッターの巻き上げ音、そしてシャッター音も格別でした。
AFなんてありません、全てはMFで置きピンが必須でした。
1枚の写真を撮るまでの全ての行動が、私の中では『カメラ』であり特別だったんです。
すっかり骨を抜かれた今となっては、私の写真はスナップ程度になりました。
もちろん大好きな彼女を写したり、奇麗な景色を撮ったりするのに神経を集中させていますけど、『写真』としてのナニかが、当時と比較すると無くなってしまったのかなと感じます。
一発勝負のフィルムと違い、何度でも撮り直せてPCでレタッチも当たり前のデジタル写真は、秀作を量産するには向いていても、撮影した瞬間の記憶が心に焼き付かないからかなぁと。
性能、価格帯で比較してしまう昨今のカメラ。
メーカーでの明確な差ってあまり無くなって来ましたね。
私も次期候補を選ぶに当たって比較対象が増えるのは嬉しいことですが、それと同時にいつまで経っても絞り込めないわけでございますw
また、彼女とペアカメラを持ちたいなぁ〜と思うのが、一番の候補だったりするのですがwww
カメラ小僧の独り言でした、駄文失礼しました(^^;
おまけ

せっかくだから、話題に上がったAE-1でも・・・。
久々に日の目を浴び、きっとあちらの世界で私の爺様も喜んでいるはずですw
Posted at 2012/09/05 19:50:55 | |
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