久しぶりにイタリア車ディーラーに行って見た。本当はノーマルグレードを試乗するつもりだったのだが、アバルト595があるということで、コロッと作戦変更(笑)
対応してくださった店員さんに感謝。
アバルト595
スペック
ボディタイプ ハッチバック
ドア数 3ドア
乗員定員 4名
型式 ABA-312142
全長×全幅×全高 3655×1625×1515mm
ホイールベース 2300mm
トレッド前/後 1410/1405mm
室内長×室内幅×室内高 ----×----×----mm
車両重量 1120kg
エンジン・燃料系
エンジン型式 312A3
最高出力 160ps(118kW)/5500rpm
最大トルク 21.0kg・m(206N・m)/2000rpm
種類 直列4気筒DOHC16バルブICターボ
総排気量 1368cc
内径×行程 72.0mm×84.0mm
圧縮比 9.8
過給機 IC付きターボ
燃料供給装置 マルチポイント式電子制御燃料噴射
燃料タンク容量 35リットル
使用燃料 無鉛プレミアムガソリン
環境仕様
10モード/10・15モード燃費 ----km/リットル
JC08モード燃費 14.0km/リットル
足回り系
ステアリング形式 パワーアシスト付きラック&ピニオン
サスペンション形式(前) マクファーソンストラット(スタビライザー付)
サスペンション形式(後) トーションビーム(スタビライザー付)
ブレーキ形式(前) ベンチレーテッドディスク
ブレーキ形式(後) ディスク
タイヤサイズ(前) 205/40R17
タイヤサイズ(後) 205/40R17
最小回転半径 ----m
駆動系
駆動方式 FF
トランスミッション 5AT
LSD 標準
変速比 第1速 3.909
第2速 2.238
第3速 1.520
第4速 1.156
第5速 0.872
後退 3.909
最終減速比 3.353
価格 3,283,200円
GOOD
★可愛いところ。
★楽しいところ。
◎想像以上にまっとうにホットハッチできている点。
◎キャラと走りとが絶妙にマッチしている点。
NO GOOD
▲冷静に考えると価格
▲田舎でのアフターケア、Dの遠さ。
■個人的印象■
一言で言って、楽しい。
エクステリア・インテリア
可愛い。
ノーマルの500は欧州のレトロモダン車の中でもっとも上手く脱力した、りきみの無いデザインという印象。アバルトも同じで、インチアップしてローダウンして迫力を増しているにも関わらず、押し出しが強過ぎず可愛い。インテリアの安っぽいボディ同色プラスチックも使い方が上手い。安っぽさがマイナスにならないセンスの良さ。
動力系
595はブースアップの160馬力仕様。なるほど結構速い。1120キロと軽いこともあり、車は軽快で、かつ中回転でも十分にトルクが出てくるエンジンは楽しい。スピードを上げていくと頭打ちになるのだろうが、日常域とミニサーキットのような環境では抜群に楽しだろうなと思わせる仕上がり。
RMTは相変わらず下手(笑)というか、シングルクラッチだと物理的な限界があるのだろう。でも、MTだと思って変速時にアクセルを少し緩めれば良い。結局はRMTでもパドルシフトするMTとして乗るのが正しいのだと思う。オートで運転すると出力がそこそこあるせいもあってか、ノーマルグレードのRMTより「ガックーン」となると思う。
だったらMTを、とも思うが、小柄な車体とイタリアのいい加減な右ハンドル化によってペダル周りはオフセットしていて窮屈で配置も少し変。これならRMTもありかもしれない。ただし、RMTのシフトダウンは、あまりタイトに連続して行うと勝手にキャンセルされることもあるみたいだ。そうなるとコーナー入り口でシフトダウンが出来ずオーバーシュートしてしまう。スポーツ走行を重視するならRMTに習熟した操作をするか、やはりMTを選んだほうがコーナー侵入での想定外の突っ込み過ぎが減るだろう。
車体 走り
正直なめてました。
ボディの剛性感が予想以上にあって驚いた。ビックリだ。
やたらとデカイホイールをはいていて、ドライブフィールもタイヤの存在感が大きいし、当然荒れた路面ではドタバタし始めるけれど、ボディがしっかりしていて思ったより不快じゃない。いまだに石畳などが残されたイタリア、おそらくノーマルの500の時点で車体の出来が良いのだと想像する。先日試乗したデミオのとき全体としては好印象だったが、車体は「やや華奢」と評価した。今回、それは確信に至った。やはり欧州車の車体はボディがしっかりしている。剛性感でいえば、アバルトは2段階くらいは上だと思う。
ドタバタしても許せる気持ちになるのは役得だなあと思う。オドメータ読みで2800キロを超えていて馴染んでいるせいもあるかかもしれない。ダンパーが仕事をしていて、ショートストローク+インチアップでもそれなりに走れる。ホットハッチだと思って乗っているせいか、結構許せてしまう。このあたりはイタリア車って上手い。
(プジョーRCZには厳しめの評価をしてしまったけれど、それは流麗なクーペに対して走りのイメージが違ったからかもしれないし、そもそもとそて800キロしか走っていない個体だったせいかもしれない。馴染んだら違うのかな?車の評価は難しい)
電動パワステも思った以上い良かった。基本的にステアリングコラムの軸がしっかりしている。これは以前乗っていたルノールーテシアでもそうだった。イタフラは「フィーリングだけの車」と誤解されがちだが、実は走りの良さに繋がる基本がしっかり出来ていたりする。決して甘く見てはいけない。車体の仕上げと言い、カタログスペックに現れにくい性能は確実に存在する。
タイヤのゴムの反発感が強く、扁平タイヤだったためゲインの立ち上がりも急激だと思うけれど、帰ってくる感触がしっかりとしていて情報量が十分、嫌な気がしない。気になってタイヤの銘柄を確認したら、ピレリ P-ZERO NEROだった。なるほど。この感触、確かにピレリだ。絶対的なコンパウンドグリップを追い求めていない、いわゆるコンフォート・スポーツみたいなタイヤだが、その分快適性も確保されていて良い感じだった。走行抵抗が予想より大きくないな、と思ったが、上記ピレリの性能に加えて、タイヤ幅が205にとどめてあるところも効いていそうだ。過剰に幅広タイヤにしないあたり、匙加減が上手い。
■まとめ■
走る合法ロリ。
この車を好む人はロリコンである。
・・・・と書いたらめっちゃ怒られそうだけど(実際書いているけれどw・・・じょ、冗談ですよ?^^;)、でも、ある種のフェティシズムな車なのは間違いない。だって、この車の可愛さが購入の動機にならないオーナーは居ないでしょう?つまり、そういうことだ。Aセグにもかかわらず、ノーマル500が約200万、このアバルト595に至っては330万もしてしまう。単なる車として考えるなら絶対に高い。これを合理的思考で正当化するのは難しい。購入するのは、機能性、絶対的速さとは別の何かに魅力を感じているからだ。その感覚はフェティシズムと表現して問題ないと思うし、それが強過ぎるなら、「萌え」と言い換えることも出来ると思う。そう、これは「萌え」というフレーズが相応しい車だ。
ロリコンだの、萌えだの、いかがわしい言葉が並んでしまったが、
光源氏は晩年、姪にあたる紫の上に惹かれている。
枕草子では、幼きものを愛でる描写が見られる。
つまり、日本人は昔からロリコンで萌え好きである。だから問題ない(極論)。
ロリはロリでもこの車の設定は18歳以上なので法的に問題ない。
●
話が脱線してしまった(笑
デザインは悪く言えば子供っぽいと思うし、走りも同じくやんちゃだ。
でも、何となく許せてしまうというか、むしろ楽しい。
絶対的速さで選ぶならルノールーテシアRSなのは間違いないけれど、日常の楽しさはアバルトのほうが上のようだ。
いずれにせよ、その背景には基本がしっかりした車作りがあるのは間違いないところで、
デザインと技術と走行実験の見事なバランスが存在している。
作り手のセンスの良さを感じた一台。
これが気に入って買ったなら、きっと楽しい。きっと満足できる。
あ、ちなみに僕は車にそこまでフェティシズムを求めないので・・・(笑
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試乗させてもらった。 | 日記
Posted at
2014/11/29 22:21:58