ハスラーはなぜヒットしたか?
可愛いから、というのが一番の答えかもしれない。が、それだけではないと僕は確信している。
雪に強いということ
北陸は一晩で除雪が必要になるくらい雪が積もる。通勤に自動車を使う場合は日頃よりも1時間は早く起きて、車の周りを除雪して、出勤。帰宅前にも会社の駐車場で除雪して、帰宅したら明日に備えて除雪して・・・そんなことがわりと普通に起きる。厳しい環境だ。だから雪国の人間は寡黙で勤勉でタフで・・・そして陰湿なのだ(笑)
わが家の周辺の場合、公共サービスとして大型除雪車が一般道を除雪してくれる基準は、25~30cmくらいの積雪があったときだ。深夜の2~3時頃に除雪車が公道を除雪して回る。しかし、おそろしいことに、大雪の年は、その除雪から朝までの間に30cm積もってしまう。
30cmの積雪・・・状況にもよるが、FF車であれば、短距離ならなんとか踏破できる。BMWでは無理(笑)。降りてスコップ片手に格闘することになる。
・・・じゃあ、40cm積もるとどうなるかといえば、さすがにFFでも苦しくなる。そんなとき、ほんのすこし高い走破性が効くのだ。
つまり、降りてスコップで除雪するか、降りずにそのまま脱出するか、その分かれ目でハスラーは活躍できる。しかも可愛い。ハスラーはファッショナブルでありつつ、北陸の雪に立ち向かうちょっとだけタフなナイスガイなんだ。だからヒットしたのではなかろうか。
つまり、こういうこと。(動画はスズキSX4)
雪が多い年は、この程度の雪は一晩で積もるのよ。朝除雪しても夕方にはこうなるのよ。
ハスラーの不足を補う兄登場。
でも、やっぱりハスラーは軽規格だから、物足りないところはある。走りで言えば、排気量の小ささとトレッドの狭さが大きい。リッターカーだったら絶対改善されるよなあ、という弱点はあった。
リッターカーであればなあ・・・・これが登場したんだなあ。
クロスビー登場
もうね、これ、未試乗で結論を出してしまうけれど、雪国の実用車として最高です。スズキさん良いところ突いてきたね!!
4WDの場合、
5ナンバーサイズ・・・・積雪時は道が狭くなる。広すぎない車体はすれ違いに有利。
車重 1000キロ・・・・雪上でも軽いは正義。自重で埋まらないことは重要
排気量 996cc・・・・税金にも有利。直噴ターボで実用性能もOKだろう。
6AT・・・個人的には実用車はDCTよりトルコンATだと思う。日本の速度域ならギヤの数は6で十分だろう。・・・欲を言えばMTもあると良いなあ。欧州ではラインナップするのかな。
ビスカスカップリング4WD・・・発進脱出が出来ればいいので、日常では本格四駆は不要。これも最適解だ。
最低地上高180mm・・・素晴らしい。
タイヤサイズ175/60R16・・・少しだけ大径。素晴らしい。四駆、最低地上高、タイヤの3セットで踏破能力があがっている。おそらく普通のFF車と比較して、積雪量+10cmくらいの余裕が出来るのではないだろうか。「除雪車が来そうで来ない!」というときに効くゾ!
上記のような雪国で活きる機能的裏付けがあるうえにキュートなのだから、コイツもヒットするのではなかろうか。
近頃は「本格四駆システム」を備える乗用車は大きくなりすぎた感がある。北米市場しか見ていない。そんな中、スズキは日本の使い勝手にベストマッチした(おそらく欧州市場なども想定しているのだろうが)、とてもしっくり来る車を登場させた。個人的には最大の賛辞を贈りたい。
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2017/12/26 20:58:59