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松本真由美のブログ一覧

2010年08月30日 イイね!

日立の技術

日立の技術こんばんは。よい週末でしたか?さて、25日(木)は、日立製作所にお邪魔しました。日立製作所が世界でも屈指の総合電機メーカーなのは、皆さんご存じの通りですが、かねてから日立の製造の現場を見たいと思っていた私は、この日をとても楽しみにしていました。早起きして上野からスーパーひたちに乗って、日立市に午前9時半過ぎに到着。駅前の広場中央には、ご覧のような発電用のタービン動翼が設置されていました。全国有数の鉱工業都市として明治時代から発展してきた日立市のシンボルとして日立製作所が寄贈したもので、直径約5.5m、重さが50トンあります。

駅から車で数分で日立製作所に到着しました。街中にあるんですね。夕方までじっくり時間をかけて見学させていただく予定で、最初に日立の歴史から説明していただきました。1910年(明治43年)に創業し、今年は創業100周年の大きな節目なのだそうです。

創業者の小平浪平氏が開発した国産初の5馬力誘導電動機(モーター)の第一号機が、今も創業小屋に保存されています。発電機の前に立ち、ここからすべてが始まったのかと思うと、ちょっと胸が熱くなりました。小平氏のもと順調に事業は拡大されていきますが、第二次世界大戦での戦火など逆境にも何度か見舞われ、危機に直面したこともあったそうです。しかし、小平氏は自主開発の技術を貫く信念を守り通し、社員を励ましながら見事難局を切り開いたのでした。その時あきらめていたら今の日立はなかったわけで、その不屈の開拓者精神と強い意志は、すごいですね!

今回は車で移動しながら、市内から臨海地区、勝田地区にある数か所の工場を見学させていただきましたが、そのうちのいくつかについて書きたいと思います。エネルギーについては、原子力機器、原子燃料サイクル、タービン、発電機、水車、電動機、パワーデバイス、超伝導応用機器、核融合・加速器など、ありとあらゆる技術開発を行っています。各工場で、発電所に近く納品される予定の原子力機器や原子力モジュール、蒸気タービンにも実際に手に触れて見ることができました。以前の型と改良された現在の型の技術開発の進展についても、説明がありました。蒸気タービンや原子炉の中の機器、原子力モジュールなどはなかなか直に触れて見ることができないものなので、製品として梱包されるまでの製造プロセスを通して見ることができたのは、とても有意義でした。

また日立GEニュークリア・エナジーが昨年建設した多目的蒸気源試験設備「HUSTLE」も見学しました。これは、原子炉内の実条件をそのまま再現し蒸気・熱水二相流の流動試験を行うことができ、世界でも最大規模の試験装置です。各種データを取得し技術検証することで、原子炉の各種機器の信頼性と性能の向上を図っていくことを目的としています。HUSTLEを活用することで、高性能で信頼性の高い機器を短時間で効率よく開発することが期待されています。

機械研究所では、ロボティックス技術や超精密加工・制御技術、振動音響など新技術の開発に取り組んでいますが、今回の見学ではロボット、ATM(現金自動取扱装置)、家電・空調、静音についての技術について説明していただきました。

ロボットは、EMIEWとEMIEW2。軽量安全な大きさで、豊かなコミュニケーション能力を持ち、人間と安全に共存できるサービスロボットとして開発されました。EMIEW2は、目がくるんと丸く、赤と白の配色も可愛いらしい雰囲気のロボットで、現在、病院でサービスロボットして実証実験中だそうです。

ATMは、実は日立の製品が世界的に大きなシェアを占めていて、日本の紙幣だけではなく、世界中のさまざまな大きさの紙幣を取り扱うことができるそうです。実際にATMの中で紙幣がどのように動いていくのか、デモで見せてくれました。これがとてもおもしろい!大きさの違う紙幣を瞬時に判別して、ローラーに紙幣を巻きつける仕組みになっているのですが、預け入れと引き出しでは、紙幣が目に見えぬ速さでローラーで巻き取られ、種類別に揃えられるのでした。ヨーロッパや中国にもこのATMが広く導入されているそうです。

家電は新製品の冷蔵庫や洗濯機、電子レンジ、IHコンロなどの説明がありました。家電は身近な存在ですし、見て触れているだけでも「いいなぁ、ほしいなぁ」なんて、ワクワクします。新発売の電子レンジは餃子が焼けるそうで、開発した若い女性の技術者の方から直接お話が聞けたのも楽しかったです。それから、家電は静音も大切な要素ですが、音響実験室も見学しました。ちなみに家電は、タービンなどの大型設備の技術が凝縮されたものだそうで、あなどれない技術とのことです。

この他にも3D-CADデータを駆使し設計、シミュレーション解析する手法なども解説していただきました。技術者が製品の計画から納品までのプロセスを3D-CADで設計する時代なんですね。日立の先端技術には、驚きの連続でしたが、創業当時から一貫した自主開発によるものづくりへのこだわりを強く感じました。国の中長期を展望した科学技術の総合戦略といった資料等を手に取ると、社会・経済・文化などさまざまな局面で持続可能な開発や科学技術イノベーションが不可欠だと感じます。日本にとって技術は宝。日立の技術に触れる機会から、科学技術の奥深さと大きな可能性に改めて感じ入りました。

今回の見学のアテンドをしてくださった日立の方々との記念撮影。このたびは、本当にありがとうございました。


Posted at 2010/08/30 00:46:00 | コメント(8) | トラックバック(1) | 工場見学 | 日記
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こんにちは。松本真由美です。 エコやエネルギー問題についてのさまざまなこと、大学での雑感、プライベートの出来事、ご紹介したい人、講演やイベントについてなど...
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