
長野県と岐阜県の県境にある王滝村の山中で開催された
日本で最も過酷なMTBレース
「セルフディスカバリーアドベンチャー in 王滝(通称SDA王滝)」
の100kmクラスに出場してきました。
今回は、
私の以前のSDA王滝100㎞参戦記を見て自らも参戦を決断された
みん友の
groovygrooveさんと共に参戦。
愛車のアウディ S4アバントで現地へ向かいました。

アウディ S4アバント
2.7L V6ツインターボ 270PS
4駆(クワトロ)
これを左ハンドルの6速MTで操る!
今まで踏んだことも無いような重い強化クラッチを装備しており
僕のような一般人には運転は簡単ではありませんでしたが、
2800回転辺りから起動するターボパワーとタービンの回転する音にノックアウト。
素晴らしい体験をさせて頂きました。

3連休中日の大渋滞をくぐり抜け、8時間ほど掛かりながらも王滝村の会場に到着。
ブースを見て試乗したり、17時半からの競技説明でコースの状況をチェックし、
夕ご飯にスパゲティー300gを食べて※カーボローディングをして、
22時は就寝しました。
※(炭水化物をを身体に貯めて翌日のエネルギーにすること)

4時に起床、4時半にスタート場所にバイクを並べに行きました。
今まではタイムも何も拘っていなかったので最後尾からスタートしていましたが、
今回は真ん中辺りに並べることが出来ました。
そうなのです、
今回は完走は当たり前として、
その先にあるモノを求めての挑戦という決意のもとにレースに挑みました。
今までは完走ギリギリの9時間半前後のタイムだったため、
今回は自身初の8時間台への挑戦。
自己ベストから30分のタイム短縮はかなりの壁ですが、
体調も天候も万全なので行くしかありません。

いよいよ6時、
100㎞クラスは800人ほどの参加者で
100㎞に渡るセルフディスカバリーアドベンチャー/自己発見の冒険が
スタートしました。
バイクはいつもの
GT ザスカーカーボン100ですが、
本来は29インチホイールだったものを最近流行の27.5インチホイールへ!
普通のバイクならばこれをやるとBBハイトが下がり乗れたものでは無いのですが
GTはBBハイトが高いので27.5インチにして車高が下がっても
BBハイトは26インチホイールのバイク並みにしか下がらないことが分かり、
今回試してみることにしました。
ホイールはcrankbrothersの新作・アイオダイン3のチューブレス仕様。
以前のDT SWISSから比べると300gほどの軽量化になり、
持っても乗っても軽さは歴然。
コレはやって正解でした。

スタートして数km走ると知り合いに会ってお互いの無事完走を誓いながら
身体を慣らしていきます。
そんな中に前方に発見したのは、
社会現象にまでなっている大人気マンガ「弱虫ペダル」の作者・渡辺航先生!
前回はゴール後にお話しさせて頂いたりしましたが、今回も参戦されていました。
渡辺先生はマンガを描いているだけでは無く走りもスゴく、王滝は8時間台前半でゴールしてしまうスゴイ方です。
もちろんこの後ちぎられました(苦笑)。

このレースで使われるコースは
普段は林業の方以外は立ち入り禁止の地域のため
レース中も参加者以外は誰もいません。
(今回はスタート直後に目の前をクマが横切ったという方がいましたが・・・)
雄大な景色の中を、ただひたすら自分と向き合いながら走るというのは、
普段はすることが出来ない、ある意味贅沢な時間だと思います。
この後みん友のネット君さんにも遭遇。
「このペースなら7時間台イケますよ!」と
腕から流血しながらも颯爽と抜いて行かれました。
さすがです・・・。

そしてスタートから3時間5分後の9時5分、
33㎞地点の第1関門(CP1)に到着。
3時間という目標設定でしたので、ほぼ予定通りに着きました!
ただしかなり飛ばして走ったため結構しんどく、
CP1では15分ほど座り込んで休憩することに。

約15分ほど休憩し、
次は68㎞地点の第2関門(CP2)を目指して再スタートします。

CP1から三浦貯水池までは割と下り基調なので、
スピードを殺さないように、かつ身体を疲れさせないように下っていきます。
下りきると三浦貯水池をを半周する平坦区間に入りますので
ココで写真を撮るふりをしてちょっと休憩。

平地区間が終わり、
ここからいよいよ最大の難所「無限坂」に入ります。
ココで静岡県湖西市の
TWO CYCLE・樋口店長と
千葉県八千代市の
自転車じて吉・佐藤店長と遭遇!
樋口店長とはこのあとCP2まで抜きつ抜かれつのランデブーをし、
それによって良いペースで無限坂をクリアーすることが出来ました。
SDA王滝では
このように自分に合うペースのライダーを見つけて
共に走って乗り越えて食らいついていくことも1つのポイントです。

眼下に広がるのが三浦貯水池です。
あの周りを走り、ここまで登ってきました。

そして11時58分、
予定通りの制限時間1時間残しで
68㎞地点の第2関門(CP2)に到着!!
CP1~CP2が1番辛い区間なので、
ほっとしてまたまた15分ほど座って休憩をしました。

しかしあまり休んでいる時間はありません。
何せ今回は自己ベストを狙っています。
15分ほど座って補給を採りながら、
12時15分、CP3に向かって再スタート。

王滝の名勝である岩に挟まれた道で休憩。

2つの大きな山を越えて、
いよいよここからはCP3に向かってダウンヒルのみ!
若干の安堵で気が抜けていたのか
途中2回ほど砂利にタイヤを取られて転倒しそうになるも
なんとか立て直し・・・

第3関門に到着!
ここまで制限時間内に来れば、
必ず完走は出来るのでさらにホッとします。
スタートから7時間27分後の13時27分、
80㎞地点の第3関門(CP3)までたどり着きました!!!
しかし目標タイムの9時間切りまでの残りはあと1時間半・・・
ギリギリ行けるかどうか・・・

CP3で待ってくれていたのは
GTの輸入元である
ライトウェイプロダクツジャパンの社員さん達による
PEDROS チェーンオイルの注油サービス!
そうです、うちの会社です(笑)。
後輩たちが一生懸命に注油をして、
ゴールに向かうライダー達の走りを軽くしてくれます。
今回のSDA王滝は雨は降らなかったですが水たまりが多く、
そこに突っ込んだバイクのチェーンは油分が取れてカッサカサです。
CP3までの登りではついにチェーンからキュルキュル音が鳴り出し、
相当な駆動ロスになっていました。
この注油サービスはとても助かりました。
ありがとう、トミー&ミヨッシー。
さあ、
ここからはもうゴールを目指して突っ走るのみ。
正直、足はすでにボロボロであちこち痛く、
足だけではなくて振動により身体中が痛く、
それでも力を振り絞って前に進むことが出来ました。

そして
スタートから8時間51分後の14時51分、
SDA王滝100㎞を無事完走!!!!
そして
目標としていた9時間を切る、自己ベストタイムを達成することが出来ました。
今回の目標タイムは
今までの自己ベストを30分も更新しなければならないという、
何せ今までも自分の限界でやっとクリアーしてきたのですから
かなり無謀なチャレンジでした。
なので途中で
「ああ、今回はちょっと辛いから、
何か言い訳を考えてまた次回チャレンジすれば良いか・・・」
という弱い自分からの誘惑に幾度となく襲われました。
痛くて苦しくてたまらない身体をそれでも押して頑張れたのは、
やっぱり応援してくれる友達が居たり、
またこのブログを読んで勇気を得て挑戦する人が出てくれたり、
何よりすぐに諦めてしまう自分を乗り越えたかったからです。
そんなことを思える自分を発見できたことが、
今回のセルフディスカバリーアドベンチャー/自己発見の冒険で得られたモノだと
思います。
何度も何度も言いますが、
体育の成績が2の運動音痴の僕が出来るのですから
きっと頑張れば出来ますよ!
42㎞クラスに出場してから100㎞に挑戦するのが良いと思いますし、
ぜひこの達成感と自己発見を体験してもらえたらなと思います。
きっとまた来年も
僕は100㎞に出場して、
今度は8時間半を切ることを目標に頑張りたいと思います。
このブログを読んで出場を決心した、あなたと共に。
終わり。