昨年噴火した御嶽山の麓、
長野県と岐阜県の境にある秘境・王滝林道を舞台にした
日本で最も過酷なマウンテンバイクレース
「セルフディスカバリーアドベンチャーin王滝」
山道の悪路を延々100㎞走るその辛さは
ロードバイクでの2倍どころか3倍にもなると言われることから
完走した者は「勇者」として同じマウンテンバイク乗りから称えられます。
ボクも勇者を目指し挑戦するも2回の途中リタイアを屈したあとに
3回目のチャレンジで悲願の完走を果たした経験を持っています。
コースマップを見るだけでも恐ろしくなり、
さらに高低表を見るたびに「本当にこのコースを完走できるのか?」と
不安になります・・・。
今回の挑戦の相棒は前回から投入した
GT/フォースカーボンTEAM
新規投入アイテムは
crankbrothers/コバルト3 27.5㌅
同ブランドのオールマンテン用ホイールのアイオダイン3から100g以上軽量化!
KCNC/TPRグリップ
バーエンド一体型のエルゴノミック型グリップ!
点でなく面で手に設置するので手に対するダメージが軽減されます。
ついでに
KCNC/スルーアクスルスキュワー
純正のROCKSHOX製MAXLEより10g軽量化!
CAMELBAK/チャージ 10LR
通常のハイドレーションバックはリザーバー(水を入れる袋)が背中にありますが
このモデルは腰回りにリザーバーがあることで
背中への負担を減らしてくれます。
持っていく補給食は今回初投入のモノばかり。
JUCOLA/アミノボンバー3800
あのボンバーヘッド中澤祐二選手がプロデュースするサプリメント。
筋肉の破壊や損傷を防ぐため身体へのダメージを防ぎます。
水1.5Lに対し1包(5.3g)を溶かして走りながら飲みました。
JUCOLA/クエン酸パワー
乳酸をエネルギーに換えるスポーツドリンク。
脚も攣らなくなります。
ATHULETUNE/ENERGAIN
先日試供品をもらい今回初使用しましたが、スタート前に飲むようにとのことでしたがエンジンの掛りがとても良かったです!これはリピートしましょう。
エネルギー補給系
weider/エネエイド(グリーンアップル味)は今回初めてでしたが大正解!美味しいし飲みやすいです。
SAVAS/ピットインエネルギーはその真逆で次回からは却下です(苦笑)
この他にセブンイレブンで買ったお稲荷さん3つを隠し持っています。
というわけで今回の装備はホイール前後で100g以上、その他も軽量化してバイクが軽くなったのは良いのですが、肝心のライダーの体重が過去最高の75㎏に・・・
前回の王滝よりも2~3㎏増えているその
「大きな自分」が1番の難敵です(笑)
ということで前日土曜日に現地へ。
準備万端でレース前日に現地入りし現場でバイクのチェックをすると、
どうもリアの変速が悪い、
というか全然ダメです。
よくよく見てみるとディレーラーハンガーでなくディレーラー本体(ケージ)が
外に向かって曲がっております・・・
急遽ディレーラーを手に入れて交換し難を逃れました。
お隣のブースでは優勝候補の池田選手がインタビューを受けていました。
池田選手のバイクの隣にボクのバイクを置いていたので、間違ったのかボクのバイクをマジマジと見ていく方が少なくありませんでした。紛らわしくてスミマセンでした(笑)
明日も良い天気になるでしょうね!
さすが長野県の山奥、朝の気温は1ケタ台で寒い。
100㎞初挑戦の同僚と共に、朝6時、100㎞の自己発見の冒険へ。
くわえて今回もFacebookグループ「みんなで目指そう!初めてのSDA王滝100㎞」のメンバーと共に。
スタートから5㎞ほどは舗装路をパレード走行し身体を慣らします。
そこからダート区間に入り、いよいよ本格的な悪路へ。
CP1(第1チェックポイント)のある33㎞の制限時間はスタートから4時間、つまり10時までに通過が必要です。
予定では3時間半でCP1に着くことを想定しています。
CP1までは2つの大きな山を越えて行かねばならず、1つ目は10㎞近く登るのでかなりシンドイです。
登ったら一気に下るのですが、先日の大雨の影響もあり表面の土が流れ岩が露出し、ここ数年で1番荒れた路面がライダー達に襲い掛かります。
とくに下りはスピードも出るのでパンクが多く、このようにパンク修理をするライダーが多数います。
1回パンクをすると10分弱のロスになるので、路面を選び走りに気を付けつつも攻めていきます。
霧の向こうには昨年噴火した御嶽山が噴煙を上げる姿が見えるはずでしたが、今回は見えず。
少しすると陽が出てきて暑くなってきました。
写真右のように崖崩れも多く、そこから路面に転がってきた岩が結構鋭いので、タイヤに刺さらないように気を付けなければなりません。
そして9時7分、予定より20分以上早くCP1に到着!
高低表には奥さん直筆のネコの応援隊!
20分以上早く着いて良かったは良かったのですが、それは逆にオーバーペースを意味しています。それを途中で気づいていてそれは身体の疲れにももちろん影響しかなりシンドイ状況。
一瞬「途中でリタイアするかも」と思った時間もありました。
時間の余裕もあるので15分ほどゆっくり休んでお稲荷さんも1個食べて体調を整え、次なるCP1へ向けて再スタート。
CP1を過ぎると下り基調で路面も割とフラットなので、CP2前に現れる2つの大きな登りに備えて身体とバイクの調子を整えていき、無理せず走ります。
下りきると王滝唯一の平地区間、三浦貯水池の湖畔を走る区間へ。
その前の橋で小休止。
透き通る川に癒されます。
湖畔はアップダウンも無く飛ばせるのですが、これからの大きな登りに備え脚を残しておきます。
※脚を残す:脚力を残しておく、疲れさせない
湖畔が終わって橋を渡り、いよいよ大きな登り区間に差し掛かります。
ここでまた小休止しお稲荷さんを1つぱくり。
補給食は走りながら食べれるので効率は良いのですが、やはり飽きてしまいますしこんな気持ちの良い自然の中で食を楽しむのも良いではありませんか!
ということでいつもお稲荷さんや魚肉ソーセージを持っていきます。
さあ、覚悟を決めて登りましょう。
ひたすらひたすら登って、はい!頂上です!!
あの湖畔の向こうを走ってここまで登ってきました。
この景色を見るために登ってきたと言っても過言ではありません。
これで終わりだったら良いのですが(苦笑)、ここから少し下ってもう1つ同じくらいの山に登らねばなりません・・・
そして12時10分、予定より20分早く68㎞地点のCP2に到着。
そしてここである思いがよりぎます。
ここに予定よりも早く到着かつ出発しCP3にも早く到着すれば、自己ベストでゴールできるかも・・・
ということで水を補給し少し休んで、5分ほどの休憩で次のCP3へ再スタート。
王滝らしい風景がこの大岩の間を走る場所。
美しいです。
美しい女性も合わさって・・・
ということで今回は女性の姿も目立ちました。
マンガ「弱虫ペダル」の影響でしょうか?
しかしこの過酷なSDA王滝100㎞に参戦する女性というのは普段どんな練習をしているのでしょうか?
小さな峠をいくつか越えて、いよいよここから下ればCP3。
少し休憩をして補給を採り、一気に下ります!
13時28分、無事に80㎞の最終チェックポイントのCP3に到着!
残すは10数キロを残すのみ。
しっかり休憩して準備をし、ゴールを目指します。
1つ目の大きな登りを、疲れが疲れに溜まった足に力を込めてペダルを踏み込み、限界まで追い込む。
目の前にいるのは昨日までの自分。
そもそも太ってしまったことが自分に負けていますよね。
男34歳、このところ仕事のストレスで終業後すぐに缶ビールを買って道端で飲み、それから電車に乗り込み家に帰り、また2本ビールを飲む。
そりゃ太りますよ。
王滝が迫ろうとしたときに慌ててダイエットを始めたりローラー台を漕いだりするも、時すでに遅し。
そんな今回の王滝でした。
でもやっぱり100㎞完走したい、正直無理だと諦めていたけど自己ベストを更新してゴールしたい。
100㎞走る途中で声を交わしたお知り合いの方や見ず知らずの方を想いながら、そしてどこかで一緒に戦っていたりもしかしたら無念のリタイアをしてしまっているかもしれないFacebookグループの仲間のことも想い、最後のダウンヒルを全力で下ります。
得意の下りでたくさんのライダーを抜き、得意でない最後の平地区間を身体にムチを打ち力の限り、最後まで力を抜かないで走る。
頑張っても追いつけないどころか話される速い速い120㎞クラスのライダーを追掛けてペダルをこぐ。
そして14時44分、100㎞のゴール!
8時間44分
今年の5月に出した自己ベストの8時間51分を7分更新する自己ベスト。
100㎞初出場の同僚も15分ほど前に無事ゴールしていました。
過去最高に重い体重75㎏での自己ベスト。
体重だけでなく、年齢、経験、実績、いろいろなことで諦めてしまうことって仕事や人生でいろいろあります。
そういった壁にぶつかったときは、今回のことを思い出してまた頑張れる、そんな自信になった100㎞の自己発見の冒険でした。
一緒に走ったグループの仲間では何人かが途中でリタイアしてしまい、完走することが出来ませんでした。
また彼らと一緒に、来年の5月でも9月でも、またボクも一緒にゴールを目指すと思います。
このブログを見て出場を決意した、あなたと共に。
Fin,