
1月3日、4日、と連日作業をして自分なりの考えで交換した足回りのパーツ。
アームブッシュから始まり、各ブーツ類、強化タイロッド、ビル足用タイロットエンド、そして、スタビリンク。交換前の自分の予想では、良くも悪くも、体感できるほどではあっても大幅に激変とはならないだろうと思っていた。
更に、アライメントに伴ってタイヤは185から205へ、偏平そのままでの変更として無難にシェイクダウンができると考えていたが、どうやらそんな甘くはなかった。
まず、タイヤはケンダカイザー。9Jに205の組み合わせになり、極力引っ張りタイヤにならないようにと選んだので、ネオバの185から比べれば簡単にタイヤは組めるはずと思っていたが、チーターを使ってもビードが上がらない。何度やっても上がらない。
なぜか?まさか安もんアジアンタイヤが剛性などあるはずもなく、なめて掛かったのが大きな間違いで、意外にもサイドウォールの硬さはネオバを上回る硬さだった。
しかし、時間は掛かれどどうにか装着完了。
そして組まれたホイールを装着。ここでまたしても新たな問題発生。
異常に外径がでかい!
これまで知らなかった事だが、偏平は同じでも幅が変われば外径も変わるということ。
今回の場合、調べると25mm、設定された数値上では拡大されるようで、実際には国産タイヤからの履き変えだからということなのか、それ以上に大きくなってしまった様に思う。
これにより、フェンダークリアランス減少、フロント側にでは更に、切れ角範囲内でのインナー部への干渉がおき、翌日にはアライメントの予約を入れてしまっていた為、この日のうちに干渉部のカットを行う羽目となった。
そして、アライメント調整。
タイロット交換によりアライメントはトーのみ取り敢えず、外観からの目視で、調整していた状態で持ち込んだ。自分の予想では、それなりに揃ってそうに思っていた。

結果はこの通り。左が調整前、右調整後。
意外と調整前の状態でも走れていたのは、トーは、左右とも左よりながら、少し右にステアを切った状態でいればトーアウトで走れていたからだろう。キャンバーは前後ともそれなり、リアの右トーのみアウトになっていたが、こんな状態でも足回りのリフレッシュの効果は感じれていて、車体の振れもなくなり、スタビリンクの効果でロールも減少、何よりトラクションの掛かり方が抜群によくなっていた。
調整後の数値は、純正トーコン状態でなくなるだろう事から、リアトーイン状態にしてもらうつもりだったがが、なぜか話が伝わってなかった様で、出来上がったらキャンバー以外平凡な数値で帰ってきてしまった。まあ取り敢えず改善は必要だろうからこのままでオッケイにした。
さあ、いよいよ、これで最高の状態になっただろう。わくわくしていたのも束の間、全く走れたもんではなかった。
次の問題は、前後タイヤハウスへの干渉と、フロントバンパー、フロントフェンダーとの干渉。
タイヤ外径拡大によりいままでの車高と、その仕様では、ストローク時や旋回時に至る所が接触する。
この問題をどうにかするためまずしたこと、リア側タイヤハウスの叩き上げと、二度目の溶接。
これによりリア側のクリアランス確保。
しかし、今度はフロントがまだ厳しい。
ギャップでタイヤハウス天井にタイヤが接触、ロール時にはオーバーフェンダーに擦れている状態。
どうにかしようと、スタビリンクを最短になる様調整し、今回初めてバネのプリを2,5mmかけてみた。
フロントの沈み込みが収まり干渉が随分収まった。
が、この状態でもハンドル切れた状態でのフェンダーの接触は変わらず、ロールを無理に押さえ込んだ状態となり、ギャップの吸収も出来ず、全く乗れたもんではなかった。
スタビはとりあえずこんなもんだろうと思うが、プリをかけたのは間違いな様な気がしたので、次はフロントフェンダー接触部の大幅なカットと、フロント車高1,5cm程度アップ、プリはゼロに戻した。
この時初めて気づいたことが一つ。
N2フェンダーの取り付けに関して、もちろんこれも自分で着けたわけで、ノーマルフェンダー上部のみのカットでの取り付けで済ましてしまっていて、前後側にはN2フェンダーを縮めた状態で装着してしまっていた様で、干渉部の大幅カットにより、前後側にクリアランス拡大された事により、自然とこのN2フェンダーも広がる形となった。
そういえば取り付けたオーバーフェンダーも、アーチの形状が、歪んだ様な形状だった事もあってここにきて初めてまともに装着することができた。
ここまでくるのに正月の作業から10日以上。
今度こそまともに走れるんだろうか?
次の日が仕事にも関わらず、一人シェイクダウン。
目的地のワインディングまでに、まず高速走行時はどうか。100km以内での一定速度での感想は、しっかりと地に足が着いたと、まず感じれた。
スタビの効果が強く表れたようで、そういや純正足もこんな感じにそれぞれの4本足が路面を追従するように動いていたっけと思い出した。
無意味にバネにプリをかけるのはやはり間違っていたんだろうと思う。
そして、一般道でもギャップやへこみにスムーズに足が動いてくれている。
ウレタンブッシュなのでさすがに小さながたがた道に差し掛かると振動は伝わってきてしまうが、その分曖昧な感じはなくシャープな操作性になったと思う。
アライメントの状態もはっきり表れてしまう様で、ネガキャン状態の今の仕様からか、ハンドルも取られやすく感じた。
そしていよいよハイスピードコナーの続くワインディング。
リアフェンダー叩き上げのみの状態での走行では、ロールは大きく、やはり至る所が干渉し、とてもじゃないが走れない状態だった。
まず最初の大きなコーナー。コーナー中にギャップもあり吹っ飛ばされるのかと思っていたが、思い切って突っ込んでやった。
足は外に掛かるGを抑え、アクセルオンでも挙動は安定、ギャップに乗っかっても乱れることなくクリアした。
右コーナー、左コーナー、どちらにしてもしっかりと踏ん張り、確実に踏んでいける状態になった。
路面のゼブラの上でも細かい振動こそ伝わる物の、20年以上使い古したブッシュの時のような車体全体の震える様な振動は完全になくなった。
ローグリップタイヤにして、これまで感じたことのないコーナースピード。
安心感がこれまでとは別もんで、ようやくタイヤだけで走っている感から抜け出せた様に思う。
苦手だった大きくロールするコーナーも踏んでいけた。
ようやく成功だ!
シェイクダウン終了。
ここまででフェンダーの干渉も無し!
この時、ようやくまともに走ることができた。子供でもないのに苦労した事が報われたようで感動と、嬉しさで、自然とにやけてしまい、にやけた顔はしばらく収まらなかった。
随分と時間がかかり、必死に考え、思うままに試してきたけど、本当に足周りって難しい。
自分のやっていることが、正しいのか間違っているのかは分からないとこだけど、確実に自分では良くなったんだと思っている。
まだ改善するべき所もあるだろうし、煮詰める所もありそうだけど、こっからは少しずつ進めよう。
今回の足回りのリフレッシュは自分的には成功だったかと思う。
感じ方、考えは十人十色だけど、ど素人の独り言って事で、誰かの参考に少しでも役立ってくれればと思い感想を書いてみた。
発売から20年以上のロードスター。
どれだけの人がいろんな事をこの車で試してきたんだろうと思うけど、自分にとってはまだ乗り出して数年。
分からないことだらけだけどまだまだ楽しましてくれそうです。
本当、ロードスターって楽しましてくれますね。