
今回は少しだけ車から離れてクリーニングクロスの話です。
私は以前から人工クロスを多目的に使用していました。具体的にはエツミのミクロディアというカメラレンズ用のクロスで、これが一枚あると便利。本来のレンズ拭き以外にも、ケータイの液晶画面や透明プラスチックなど、傷つけたくない小物に重宝していました。車だとオーディオのパネルやメーターカバーなど。
他には東レのトレシーなんかが有名ですね。
ところが、この人工クロスを上回るものをネットで発見。奈良県の春日という会社で作っているキョンセームという商品。これは人工クロスではなく、キョンという世界最小の鹿の頭皮から作られたセーム革です。セームと言えば、洗車の拭き取りで知られていますが、これも人工のセーム革。
キョンセームがどんなものか、詳しい内容はググればすぐに出てくるので、そちらにお任せするとして、要は全ての基本能力で人工クロスを上回り、なおかつ+αの効能もあるということ。あまりの高性能さに半信半疑でしたが、楽器の世界で愛用されてるならおかしなものではないだろうし、説明を読んでいても納得が出来たので購入してみました。
ちなみに、製造元の直販で購入しましたが、問い合わせにも親切に答えてもらえたし、サービスも満点でした。
早速試してみましたが…、色々な効能のうち、私が重視したのは次の二点。
●加脂・除脂性能
「油分が必要でない物からは油分を取り除き・油分が必要な物には最適な加脂をし、潤いまで与えます」という謳い文句。
一番使用頻度の高いケータイの液晶画面で試してみたところ、除脂性能はとんでもないです。人工クロスのミクロディアではクリーニング液(カメラレンズ用のイオンクリーナー)をつけて何度も拭かないと取れませんが、キョンセームではクリーニング液すら不要。乾拭きでサラリと拭くだけでウソみたいにキレイになります。深夜の海外通販番組ばりの驚き効果(笑)
カメラレンズの汚れに関しても、乾拭きであっさり取れました。ミクロディアだと、うまく拭かないとクリーニング液の拭き跡が残って大変なのに。
今のところ加脂が必要なものには試していないのでこちらはわかりませんが、除脂性能は人工クロスなど相手になりません。
●無傷研磨能力
私が一番重視していたのはこちら。研磨してるのに無傷って、これこそホント?と思う内容です。
誤魔化しの利かないCD-Rの裏面を拭いてみましたが…、丹念にゴシゴシ磨けば極細線傷がつき、これはさすがに現実を見せつけられた感じです。そもそも物理的摩擦が生じる以上、完全無傷はあり得ない気がしますし…。ただ、傷の付きやすさにずいぶんムラがあるので、微細なホコリやチリを噛んでいる可能性もあります。エアダスターと併用すべきですね。
少なくとも、他の人工クロスよりはるかに傷つきにくいのは確かです。CDの裏面をこれだけ丹念に乾拭きしてるのに、こんな微細な傷だけで済むのは驚異的。傷はつくものの最小限という印象で、期待値には届かなかったけど、今まででダントツのクロスであるのは間違いないかと。
とまあ、室内用に関してはこのような感じです。車でもオーディオ&ナビ、メーターカバーはより安心して拭き取りができそう。タッチパネルの指紋拭き取りにもバッチリです。
そして第二弾は車の外装用です。室内用と違って大きさも値段も跳ね上がり、このサイズ(私のは35*40cmくらい)だと綺麗な四角ではなく、いびつな形(画像を参照)。取れたままの形なんですね。ところどころに傷のような跡もあり、自然のものなんだということを痛感します。
人工セームだと洗車スポンジとして、また洗車後の拭き取りに使うのが一般的ですが、キョンセームの場合は最後に乾拭きすることにより、艶出し効果(前述の加脂性能)もあるんだとか。
早速、再塗装上がりの純正アルミのコーティング剤拭き取りに使ってみましたが、確かに気持ちいいくらいの艶々な触り心地。とはいえ、元々塗装は新品状態ですから、検証テストとしては少々難あり。ここはまだ検証不足ですね。また、キョンセームは滑りがあまり良くないので、作業性はイマイチです。
それから、車の外装に使うと一気にセームが汚れるので、初めての洗浄も行いました。
ここでもキョンセームは特徴があり、洗えば洗うほど効果がアップするんだとか(新品状態では80%程度の効能)。これに関してもまだまだ検証が必要ですね。
また、洗浄はぬるま湯につけて石けんで洗うだけですが、乾燥(陰干し)の際に80~90%の乾きの時点で手揉みして伸ばす必要があり、ここは一手間かかります。ただ、きちんと手入れすれば20年近く使えるとか。こういう高いけど長く使えるものは大好きです。これこそ本当のエコ。
最後に、一通り試してみて現段階での総評です。
外装用に関しては、私の使い方だとあまり使用場面がないことに気付きました…。というのも、私は基本的に洗車しません。ポリマーかけてるので、一年ごとのメンテナンス以外はコイン洗車の水かけ(面倒なので拭き取りもなし)をたまにやっておしまい。基本的にめんどくさがりなもんで(汗)
なので、外装用としてはコーティング剤の拭き取り(ホイールは自分でポリマーのメンテ液塗ってます)とロードスターのリアスクリーン(ビニール製なのでデリケート)の洗浄、あとはコンパウンド研磨に使用する程度。それに、使い捨てのネルと違って使用後に洗浄しないとならないので、手間もかかりますし、あまり洗いすぎると耐久性も落ちます。
汚れ役はネルに任せて、キョンセームは仕上げ用に使うのがいいんじゃないかと。案外万能でもないですね。
もっとも、室内・車内用としては手放しにオススメ出来ます。中で使う分には洗浄もほとんど必要なく、車内に小さなタイプを常備しておけば非常に便利。また、外装用の巨大サイズも、本革のステアリングやシフトノブの手入れには抜群の相性の良さだと思います。まだ試していませんが、自然界の製品同士、例の加脂能力が最大限に活きるかと。
また例によって長くなりましたが、久々に出会った素晴らしい製品なので、詳しく書いてみました。人工クロスや人工セームをお使いの方は、是非試して頂きたいと思います。
温泉もそうだと常々思っていますが、まだまだ世の中には人工物が及ばない自然界の偉大さがあるんですよねぇ。
ブログ一覧 |
その他 | クルマ
Posted at
2010/09/14 22:34:58