前回チラリと書きましたが、今回の車選びは86とNCロードスターの一騎打ちでした。
最初はNCしか考えていなかったんですが、マツダディーラーのガードが固くて躊躇してるうちに86の市販バージョンが発表。ここから一気に86が追い上げます。
今更感あふれるNCに対して話題沸騰の86、しかも馴染みのトヨタで買える。これは強烈でした(^^;)
まず、今回の車選びの条件は以下の通り。
・
白いFR
・10年は買い替え不可能(金銭的に)
・いじる余裕もないので、吊し(純正)で楽しく乗れること(カスタマイズはEDにお任せ)
・EDとうまく共存できる車(これ重要!)
で、86とNCのいいところをピックアップすると…
86
・デザイン(NCも嫌いじゃないですが、86を見た後だと…)
・新しさ&話題性
・国産スポーツ期待の星を買って応援したい
・馴染みのトヨタで買えてメンテもできる
・維持費(クローズドなので、屋根周りのメンテコストがない)
NC
・やっぱりオープンカー
・手頃なサイズと取り回し
・軽さ(幌なら86比-110kg)
・NC2にMCされて完全に熟成されている
・安い(古い分値引きは大きいし、86は価格設定自体高め)
・吊しで楽しみやすい(ロードスターの美点ですね)
・速さとは距離を置いた価値観(これもロードスターの美点)
一時は86優勢のところまで来たんですが、ご存知の通りNCが逆転勝ちしてしまいました。
以下、86の落選理由です。
●オープンの快楽を捨てられなかった
86優勢の時、一番躊躇したのがこれ。
せっかく二台持つのに、この快楽を捨ててしまうのはやはり…。これはEDを始め、ほとんどの車では得られない特別感です。
86にもオープンモデルの話がありますが、いつになるかわからないものは待っていられないし、今より高くて重くなるのも厳しいです(今でさえ十分値段高くて重いのに)。
そして、どこかの掲示板で見かけた書き込みが非常に突き刺さりました。
「屋根が開けられる車と屋根を閉められる車は違う」
一見するとどちらも一緒に見えますが、オープン前提に作ったNCと、派生モデルでオープンの86では別物です。深い言葉だなぁと。
この一言で86買うならクローズドと腹が決まりました。
予想CG見て、86のオープンは外見イマイチに思ってしまったのもありますが(^^;)
●飛び道具がなく、EDとの差別化が難しい
86を落選させる最終的な説得理由になったのがこれ。
86という名前が付いていますけど、従来のトヨタ車に当てはめるならやはりセリカでしょう。水平対向FRという違いはありますが、それ以外はボディサイズ、排気量、エンジンパワーから言ってもセリカにしか見えません(小回りきかないところまで一緒…)。
であれば、EDとセリカを二台持ちと書けば、無駄具合がわかるでしょうか?(笑)
EDと86を比べたら、2ドアFR、水平対向くらいしか違いがありません。2ドアFRなのはNCも一緒だから弱いし、水平対向は個人的な好みのせいで加点ゼロ。
このくらいの違いだと二台持ちする意義が薄く、それこそ身を固めたときにEDリストラの危険性が…(大汗)
それだけは避けねばなりません。普通の人相手だと、FRだから…は説得力低いですからねぇ。この点は2シーターオープンだからと言い訳できるNCの方がずっと楽です。
86はなまじ中途半端に実用性あるのが裏目に出てしまいましたね。その気になれば一台でがんばれてしまう車なので。
ちなみに、セリカと比較していて気になったのは86の車重です。
トランクボディと言うことで、セリカではなくカレンで比較すると、カレンZSの1170kgに対して86GTは1230kg。60kgも重いんですね。
現代の安全性が付加されたことを考えれば上出来という意見もありますが、ST20#系登場から約20年。20年もの歳月をかけてたったそれだけ??と思ってしまいます。
今ならアルミやカーボンもずいぶん身近な素材になってるんだから、それらを使って軽く作りました、でも300万になってしまいました…と言われたなら今の値段も納得できるんですが…。
古典的テイストは大好きだからいいんですが、平成24年だからこそ出来た飛び道具というのも何か見せて欲しかったと思います。
●満足度の時間的耐久性が低い
冒頭で書いた通り、10年は買い替えできないので、長く満足できることはとても重要なんですが、完全新規モデルの初期型というのは非常にリスキーです(汗)
他のスバル車なんて、年改良でどんどん良くなって、末期は別物になっていると聞くし…。
登場が噂されているG'sやSTIなんかはどうせ買えないし、速さも求めていない(EDより速くなられても困る)からいいんですが、ベースモデルだってどんどん良くなるでしょう。それを指をくわえて見ていないとならないのは正直悔しいです(-_-;)
あちこちで出てきている試乗記事の行間読んでいても、エンジンに関してはまだ煮詰め不足があるように見えますし。
そして、デザイン。フロントは思いの外コンセプトモデルの面影残していて好印象だったんですが、リアはFT-86コンセプトIIの横長テールがツボだったので、ちょっとガッカリでした。札幌モーターショーで実物見たら思ったより良かったんですが。
でも、もしMCでこういうデザインにされたら叫びたくなるほど悔しいはず(汗)
内装のデザインや質感もちょっと不満あったので、これももし改良されたら…。
アフターパーツもそれこそ山のようにリリースされるだろうし、初期型を吊しで乗り続けるのは非常に難儀に見えてきました。
最初は新しさでウキウキでも、後半は…。
●トヨタ、まさかの営業力ダウンで自滅
馴染みのディーラーで買えるというのは非常に大きな武器だったんですが、馴染みの営業マンが何と昨年末にまさかの早期退職(-_-;)
年末に届けたくれた86の冊子が最後でした…。
そして、新たに紹介された営業マンの印象が最悪でして、超がつくほど事務的対応。キーボードをうるさく叩いて目の前で見積もり印刷して、費用と価格がこうなりますと淡々と説明だけ。正直、こんなんで車売れるなら私でも営業マンできますよ(苦笑)
86自体にも熱入っていなくて、うちとは客層が違うから…(トヨタ店)と言ってしまう始末でして、あそこでは少々場違いな車だったようです。
さらにさらに、値引きが雀の涙程度。20万もオプション入れてるから、そこから引く余地はある筈なのに。アンダーコートまで定価です。
スバルでは予約特典として特別金利1.9%、5万円キャッシュバックやってるから、値引きゼロでもスバルの方が安いんですよね。そのこと話してもスバルさんには勝てませんとあっさりギブアップ。
長年会社ぐるみで付き合いあるディーラーより、一見客で行くスバルの方が安いというのはさすがに…(-_-;)
ちなみに、売る気はないけどNAロードスターの下取り額を聞いてみたところ、「原則0円ですね」の一言で終了。自社の車だから有利とはいえ、マツダでは7万と言ってました(EDは5万円…)。
結局86の見積は350万オーバーでしたね。スバルさんじゃなくてうちで決めて頂けるならあとちょっとだけは…とは言っていましたが、恐らく最初の値引きを含めてもBRZのキャッシュバック額に届くかどうかというレベル。350万は切らないでしょう。
いくらローンでも予算的に無理です(-_-;)
そこですっかり絶望していると、トドメを刺すように
サービスフロントの主治医が突然の退職。
売ってくれる人もメンテしてくれる人もいませんでは、何のためにトヨタで買うのか…。
ちなみに、実はマツダもそれほどいい対応ではなかったんですが(アウェーでの辛さがしみじみと)、それでも今回のトヨタに比べればずっとマシでした。
86の見積開始時点が一番86優勢だったときなので、あそこでうまくやってくれれば勢いで落とせたというのに、トヨタは勝手に自滅してしまいましたね。
●BRZの方がかっこいい
ご存知の通り、86とBRZはフロントマスクと足周りの味付けが違う程度ですが、写真で見た限りでは86の方が好みだし、味付けもドリフト志向の86の方がやはり好み。異論はあるものの、やはり応援するなら86という名前の方に一票投じたい。
何度も書いているようにディーラーの意味でもトヨタが圧倒的なので、BRZは全く考えていませんでした。
でも、
札幌モーターショーで実物見たらBRZが予想よりはるかにかっこいい!
特別色のつや消しパールの魔力もありましたが、市販のWRブルーのBRZも置いてあって、そちらも十分かっこよかった。
対して、86は普通のクーペでしたとしか(汗)
何で大して変わらないのにこんなに印象違うんでしょう??
既にNCに軍配は上がっていましたが、これにて完全に86の息の根は止められてしまいました…。
長々と書きましたが、こんな感じで決着です。
今思えば、86祭りに参加したかったのも惹かれた大きな理由だったのかなぁと思います(^^;)
けれども、86には本当にがんばって欲しいです。文句も書きましたが、今回はたまたま私の条件に合わなかっただけ。
これが転けたら国産スポーツは向こう10年は完全な氷河期でしょう。
今は好調みたいですが、最初良くてもすぐに失速するのがスポーツカーですからね…(汗)
「ここでオレを買わなかったのがお前の運の尽きだ!」と86に言われるくらいの大発展を願っています(^^)