突然第一期延命メニューの補足ですが、
NCロードスターで色々あったので、この際情報を整理しようとまとめてみました。
まず、ヘッドライトの黄ばみで考えられる主な原因は…
・物理的な損傷で新品ヘッドライトに施されているハードーコートが剥がれてしまう
・日光による紫外線
・HIDによる内側からの紫外線(ハロゲンなら発熱による劣化)
・ワックスやコーティングなどの油分でハードコートが浸食される
コーティング剤メーカーの営業さん曰く、一番怖いのは一番最初の物理的な損傷で、高速走行による砂塵の影響や、雪国であれば氷によるダメージが大きいそうで。
日光による紫外線は駐車場によっては避けられますが、私も含めてそうはいかない方も大勢いらっしゃるでしょう。
HIDによる紫外線攻撃は、なるべく夜走らないか、UVカットがしっかりしたバーナーを使うくらいしかないですね。
最後のワックスやコーティングだけは知っていれば避けられるので、確実に回避できるのはこのくらいでしょうか。走っても(場所によっては)置いておいても黄ばみが進行するんだから、まあ難しいです。
そして、黄ばむにしても、ハードコート自体が黄ばむパターン(軽傷)と、ハードコートが剥がれた剥き出しのポリカーボネイト樹脂自体が黄ばんでしまうパターン(重傷)の二種類があります。
黄ばんでしまったらコンパウンドで物理的に研磨するしかないわけですが、後者だと研磨量が多くて結構な重労働だそうです(リペア業者さん談)。
ただ、黄ばみを落とすこと自体は研磨あるのみなのでいいんですが、問題はその後。
剥き出しの樹脂のままではすぐに黄ばんでしまうから、何かで保護するしかありません。
しかしながら、コーティング剤メーカーの営業さん曰く、「コーティング剤を用いても新品ヘッドライトのハードコートの足元にも及ばない」ということだそうです。
事実、コーティング剤で決定打になるような商品の話は聞いたことがありません。コーティング剤の場合はマメに塗るか、黄ばんだら研磨してまたコーティングする、或いは割り切って何も塗らずに研磨を定期的にするしか方法がないかと。
ちなみに、
ウレタンクリアを塗装するという話も聞きますが、誰でも手軽に出来る方法ではないですし、耐久性も新品のハードコートには敵わず、それでいてクリアが剥がれて再処理するときは大変なわけで、定番と言えるような手段ではありません。
お店に頼む手段もありますが、やっているところは限られるうえ、場所によっては専用塗料を取り寄せて試してみたけど、金額に見合う効果が得られなくてうちではやっていないと言われたお店もあり、これまた微妙。
ウレタン塗装と言えども、内側からの劣化や深い傷には効果がないですし、それだったら新品ヘッドライトを買うお金に回した方が結果的にコストパフォーマンスがいいのかな…というのが私の感想でした(自分でキッチリクリア塗装できて、手間を惜しまない方なら話は別ですが)。
というわけで、話は新品ヘッドライトを購入して、強固なハードコートを如何にして保護して持たせるかという話に。
で、色々吟味した結果、日本ケミカル工業の
プラスチックコート(業務用)をベースに使い、プレクサスを補助的に使うことにしました。プラスチックコートは半年おき、プレクサスは月一です(夏は車庫で寝ているので、プラスチックコートは実質年一回ですが)。
プラスチックコートは施工が面倒で金額も安くはないため、プレクサス一本に絞ろうとしたこともありましたが、プレクサスは他の部位で使ってみて一ヶ月持つかどうか怪しい程度の耐久性だったので、月一では不安があります。
だからといって、隔週や毎週施工してしまうと、それはそれで磨き傷や施工の手間が気になります。磨き傷というのは皆無に出来ないので、洗いすぎというのもそれはそれで問題であり。
そして何より、プレクサスだと一番大事な物理的な防御力はほぼないと思われるので、結局メインがプラスチックコート、紫外線や汚れ用の補助としてプレクサスとしました。
ちなみに、プレクサスには若干の傷消し効果もあるので、浅い傷なら目立たなくしてくれるメリットもあります。
ちなみに、ここからが最新情報になりますが、プラスチックコートを使い始めて一年半、拭き取り行程に問題があることに気が付きました。
最初は手軽な使い捨てネルを使っていたんですが、これだと拭き取りが不十分になり、拭き残した成分が固着したり、塗りムラが出たりしました。レンズカットのおかげで目立たないんですが、手で触ったらザラザラします。
ディーラー経由でメーカーに問い合わせたところ、「ガラス繊維だから硬化して固着したら溶剤やケミカルでは溶解できず、物理的な研磨しかない」と言われてしまい…。塗装であれば研磨すれば良いんですが、ヘッドライトに研磨したらせっかくのハードコートが剥がれて意味が無くなるので、このまま我慢です。
逆に言えば、それだけ耐久性があるということなのでしょう。このデリケートさはさすがは業務用というか。
そして、それでも足元に及ばないと言うのだから、新品のハードコートの偉大さは恐れ入ります。
で、話を戻して、原因は使い捨てネル。
何故そうしたかというと、「拭き取ったクロスはすぐに洗わないと硬化して再使用が出来なくなる」と書いていたからなんですね。いちいち洗うのが面倒なので使い捨て品にしたわけですが、これが大きな落とし穴に。
あとで試してみましたが、吸水性能は低いし、何より油分の拭き取り性能がイマイチでした。これでも取れないわけではないんですが、ずいぶん念入りに磨かないとならないので色んな意味で厄介です。
メーカーの説明でも拭き取りには同社製のボディーコート用クロスを使えと指定してあるので、そもそもメーカーの指定条件を満たしていないわけですね。不特定多数のユーザーが使うことを考慮せず、一定以上の知識のある人間のみを対象に簡潔な説明書きしかないわけですから、そこが業務用製品の恐ろしさ。
でも、だからこそ効能が期待できるというのもあります。
ちなみに、同社では類似品(コート剤の主成分が湿気効果型のシリコーン樹脂)としてお風呂やトイレ、タイル用のコーティング剤も出しており、ある意味車より過酷な環境下で使われるハードな業務用製品なわけですから(本職が相手なので、効能が低ければ使ってもらえない)、怪しげな市販専用品よりよほど信用できます。
さらに書くと、これらの親戚製品だと塗布後10~20分後であれば、専用下地処理剤or無水エタノールで除去可能という情報もあり、一度失敗したらリカバリー不可能というわけではなさそうです。
事実、NCロードスターでは翌日に同じプラスチックコートの再塗布でほとんど除去できました。この製品は第四類第一石油類なので、恐らく下地処理として脱脂効果も本体に含まれており、それで除去出来たのだと思われます。
というわけでまた話が逸れましたが、拭き取りは愛用の
キョンセームに任せることにしました。使ったらすぐに洗うということで。
実は吸水性能はそう高くなかったりするんですが(少し濡らさないと水を吸いません)、油分の除去に関してはこれ以上のものはないと思っています。磨き傷に関しても最強なので、洗う手間さえ許容すればこれ以上の適任はありません。
(とはいえ、目視では拭き取り確認しにくいので、ベタベタしている部分がないか指触チェックもお忘れなく)
適正な施工さえ出来れば、ハードコートの力強い防御力になってくれるでしょう。
後日追記:
青空での施工だと、結構ホコリが付着します。
塗布の前後にエアダスターなどで吹き飛ばしておくのがオススメです。ホコリ噛んだまま硬化したら、爪で引っ掻いても取れなくなります。
特に塗布後~硬化するまでの間はホコリが張り付きやすいので青空施工は注意です。
後日追記2:
プラスチックコート施工の注意点を
別記事でまとめてみました。
NCロードスターへの施工に伴って色々あり、さらにPVレポートを見ていても結構なアクセスがある記事なので、これを機に総集編としてまとめてみました。
あくまで理屈で組み立てた話であり、実証できるのはずっと先の話になります。
はてさて、どうなることやら…。
しかし、こうまで手がかかるとは、この樹脂ヘッドライトの黄ばみ問題は何とかならないもんですかねぇ…。
もっと根本的な解決方法が出てくるといいのですが。