2012年02月09日
嵐の聖夜
コペ子でTSUTAYAにDVDを返しに行こうとしたクリスマスの夕暮れ時
エンジンがかからなくなった。
空回りしててブレーキは踏み込めないし
メーターは色々点滅していて、ライトを付けても弱々しい。
どうもバッテリー上がりっぽい。
前乗ったのは一週間前のはずなのにーっと、
一旦家に戻って保険のロードサービスに電話し業者さんに来て貰う事にした。
30分程で「近くに来ましたー」と一報が入りお迎えに。
修理のお兄さんの笑顔が眩しくてドキドキしてしまった。
トラックに乗り、歩いても3分程度のコペ子の駐車場に行く。
「可愛いですね。あぁ、とても大事にされてるようで」
開口一番褒められた。すっごく嬉しくなって
「わかるんですか?」と尋ねた。
「こういう仕事しているとなんとなく車とその人との関係性って見えるんです。
道具としてしか使ってない人と、愛着持って乗ってる人との違いが。
まぁ、赤のコペンって聞いた時からそういう方な気がしてましたけど」
更に嬉しくなった。よくあるお世辞だろうに。我ながら現金だ。
お兄さんがエンジンを掛けても相変わらず空回るコペ子。
バッテリーを調べると、通常12Vあるはずなのが8Vしかない。
そりゃー動かんわとジャンピングする為ブースターで繋いで貰う。
2008年に替えたものらしく、寿命だそうだ。
「出先とかじゃなく自分の家で動かなくなるなんて凄くいい子ですよ。
愛情を注いだ分だけ、車も応えるものですから」
再度キーを捻ると、空回ってたエンジンがいつも通りの唸りを上げ
お兄さんの言葉も相まって更に更に嬉しくなった。
と同時に、私と同様に車を「人間」のように扱うその人に
非常に好感を持った。
バイク好きより車好きの方が断然少ない、とか
車を道具としてしか見ないなんてもったいない、とか
車離れと言うが魅力的な車を作らなくなった自動車産業の責任だ、とか
作業しながら熱く嬉しそうに車への愛を語るその人が
私の琴線に触れてくる。
10分程度の時間で並々ならぬ好意を抱いてしまった。
困った。まさか自分の身に起こると思わなかった。
こんな急降下味わったことがない。
暫く充電した後お礼を言って、今後のアドバイスを聞くと
早い内に、出来れば今、交換した方がいいと言われる。
幸い暇だしカーショップも近い。
次のお仕事に向かうお兄さんと惜しみつつ別れ、ささっと行く事にした。
コペ子へのクリスマスプレゼントだ。
1時間弱でバッテリーを替えて貰い、19時過ぎに家に帰る。
携帯の着歴には、家に来る時に一報をくれた連絡先が残っている。
躊躇うことなく掛けた。
好感を持たれた自信も少しはあったから。
数秒後、声が聞こえて、思わず言葉に詰まる。
改めてお礼と、なんとなくの世間話と、色々喋った気がするけど
殆ど通過してった。
このひとすきだ、と思ってしまった。
気付いたらそう、伝えてしまっていた。
だけど返事は
凄く嬉しいし、この子と一緒に歩けたら楽しいだろうと思ったけど
今はあれこれこういう事情でどうしてもそういう気分になれない、と。
でももしどこかで偶然逢えたら
その時は自分からアプローチさせて欲しい、と。
なんて狡いんだろう。だけどどこかでそんな事が起こらないだろうかと
期待しちゃってる自分がいる。
この人は見事に私の頭の片隅に巣を作り時折中で鳴いている。
私はこの人の頭に巣を作れただろうか。
コペンを見かける度に小さく鳴くような巣を。
その巣の中で成長していつか無視出来ない鳴き声になってくれたら
鎮めようと、携帯が鳴ったりするのだろうか。
珍しい事を仕出かしたと思う。ほんと思う。
もしもこの先その偶然が起こって
その時私にパートナーがいたとして
でもそれが必然だと感じてしまったら
私きっと運命ってやつ信じちゃう。
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Posted at
2012/02/09 18:13:44
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