
昨日のブログの、みんゴルさんのコメントで思い出したので、フィルム時代の写真ができる仕組みを簡単に述べておきます。
フィルムは「銀塩写真」とも言われ、その名のとおり銀が主役です。銀製品をお持ちの方ならば経験がおありだと思いますが、外に出しっぱなしにしておくと銀色から黒く変色してしまいます。これが銀の黒化現象であり、これを化学的に促進させて生成するのが写真です。銀そのものが黒くなるのを待っていたら、1枚の写真を撮るのにとんでもない時間が掛かってしまいますね。
フィルム中には銀が「ハロゲン化銀(AgX)」という状態であり(具体的にはヨウ化銀や臭化銀など)、感光すると「潜像」ができます。それを現像行程で還元作用を行いAgX→Agへとしてフィルム上に止め画像にするのです(その後未感光部分の銀は取り除かれる。またカラーフィルムでも銀を使う原理自体は同じ。ただし現像処理工程中で感光した銀も取り除かれ、最終的には色素のみで構成されている)。ちなみに写真のデジタル化が進んだ背景には、資源である銀の使用量を減らす、っていう「エコ」な目的があったのですが、半ば使い捨て化しているデジカメの現実を見ると「?」って感じですが
要するに、光が無いと写真には写らないっていうことです。ということは、光が当たっていないナントカが写ってしまう「心霊写真」は理屈の上ではありえないことになりますね。
この手を扱ったテレビ番組で、腹立たしいのは検証をロクにしないで霊能力者の人が出てきてしまうところ。まずは写真を専門に扱っている学校などに意見を求めるべきだと思うのですが…。もっと腹立たしかったのは、透視する人に行方不明者を捜させるっていう番組。そういった化学的な根拠のないことを、公共の電波に載せていいのか???
以前は、この手の番組は、まだ「ネタ」として見ることができる作りだったのですが、どうも最近のは、ね。ちょっと前に少し流行った「スピリチュアルブーム」っていうのも「なんだかなぁー(by 阿藤 海)」って気分なのではありますね。
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2010/12/20 21:15:25