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Nanahanのブログ一覧

2010年12月16日 イイね!

目の違いについての考察(2-2)

目の違いについての考察(2-2) H.E.では明度に対する順応性も備わっています。例えば晴れた日の昼間に屋内を見ていて、そのまま屋外に目を向けてもキチンと見えます(多少眩しさは感じるかもしれませんが)。これがH.E.に備わっている明度順応です(走行中にトンネル内に入ったときなどに起こる現象の「暗順応」や逆の場合の「明順応」は、また別の話ですので触れません)。
 C.E.では明度に対する順応性は基本的にはありません。例えば、画面の中に明るい部分と暗い部分が混在していた場合、その明るさの平均値を取るとか、明るい部分を優先する、あるいは逆に暗い部分を優先することで写真としては成立させることができます。しかし、明るい部分を優先すれば暗い部分は暗く沈み込み(俗にツブれると言います)、暗い部分を優先した場合明るい部分は真っ白になったり(俗に飛ぶとかトぶと言います)します。晴れた日中に屋内から屋外を撮ると仮定すれば、屋外を屋内はツブれ、屋内を優先すれば屋外は飛んで街並みなどの様子や色などが解らなくなってしまいます。平均値を取った場合に、そのカメラにおける再現性の範囲内であれば、明るい部分と暗い部分を同時に見せることは可能ですが、写真の仕上がりとしての良否はまた別問題になります。
 
 余談ですが、日常的な明るさの範囲を御存知でしょうか?
 晴天時の日中屋外は約100,000ルックス、夜の星月夜は約1/1000ルックス(ルックスは明るさの単位)です。これは比率にすると1億:1です。人間の目は虹彩の開け閉めでも目に入る光の量を調整していますが、それだけではありません。網膜の細胞の「感度」を変化させているのです。だから明るいところも、暗いところも見ることが可能になっているのです。
 
 現在のデジタルカメラでは、画面内に明るい場所や暗い場所があった場合に、内部の処理で明るすぎることによって起こる「トビ」や暗すぎることによって起きる「ツブれ」を発生させないようにしています。「トビ」や
「ツブれ」は無い方が良いのは確かですが、暗い部分から明るい部分までが均一の明るさで再現されたのならば、それはそれで平板な写真になってしまうでしょう。画面の中に明るさの「差」があるがゆえに、二次元の世界でありながらもモノの立体感や、空間の奥行きを感じられるのが写真だとも言えるのです。


もう少し、この章は続きます。
 
Posted at 2010/12/16 21:05:36 | コメント(9) | トラックバック(0) | 日記
2010年12月15日 イイね!

目の違いについての考察(2-1)

2:順応性
H.E.:さまざまな順応性があり、現実をできるだけ変化無く見る。
 a・色覚恒常…対象を照らしている光源が変わっても、その物本来の色で見える。
 b・明度順応…ある一定の適度な明るさで見る。部分的に極端な明暗も鮮明に見える。

C.E.:順応性無し…科学的正確さで記録する。
a・色覚…恒常性無し。対象を照らしている光源が変われば、色も変化する。
b・明度順応…全体としては可能、部分的には不可能。

 物の色の基準となる光源は、晴天時における日中の太陽光(その際の色温度は5500K:色温度については後述)です。一般的に物はこの下の元で正しく発色されるようになっており、基準値ともなっています。これよりも低い光(例:朝や夕方の太陽光、電球など)では赤みを帯び、逆に高い光(曇天や雨天時など)では青っぽくなります。また蛍光灯や水銀灯などは演色性があり、本来的には物の色が日中の太陽光とは異なります。
 H.E.では、晴天時における日中の太陽光下以外の光でも物の色を、例えば白ならば白、赤ならば赤、青ならば青と認識することができます。これが色に対する順応性であり恒常性ということになります。
 それに対してC.E.では、色に対する順応性や恒常性は持っていません。光源の色温度や色合いが変われば、それに忠実に再現します。白い物が赤っぽくなったり、あるいは青っぽくなったりするのです。
 
 さて現実的な面を見てみれば、C.E.では色に対する順応性や恒常性を持っていないことに疑問を思う方もおられるかと思います。銀塩(フィルム)時代であれば、紙焼きにするのが一般的(ネガフィルムの場合)で、この場合はフィルム上で変になっていた色合いを、焼き付け時に補正していたのです。
 現在主流となっているデジタルカメラでは、光源の色温度や色合いの変化に対して、自動でカメラ内部で補正を掛けていますから、大半の場面では大ハズレにはならなくなっています。ある意味これが表現上の「落とし穴」とも言えます。例えば、白ならば正しく白くしてくれますが、状況によってはそれが好ましくない場面も出てくるわけなのです。
 要するに、現在のデジタルカメラのオートホワイトバランスやシーン別モードなどは、とても優秀で高い性能を持っています。しかしながら万能ではないということです。そこには撮影者の考える「意志」は存在せず、カメラ内部のCPUが演算して下した命令に忠実に従っているだけです。ですからカメラ任せの結果に満足いかなければ、撮影者自身の手で何らかの意志に相当する操作をカメラに与える必要があります。そのためには知識も必要であり、それがあることで写真で表現できる幅も広がるのです。
 
実習:各自のお持ちになっているデジタルカメラでホワイトバランスを「太陽光」にセットして、晴天の日中太陽光以外の光(例:曇り、日陰、電球、蛍光灯、水銀灯など)で撮影してみてください(その際フラッシュは使わないこと)。色合いが変になっていることが確認できると思います(ホワイトバランスが設定できれば携帯電話のカメラでも可)。
逆に、その他のモード(曇りや電球、蛍光灯など)でも試してみてください。
※実習終了後には、必ずホワイトバランスを元に戻してください。忘れると大変なことになります。

 明度順応に関しては次回に記します。
Posted at 2010/12/15 20:28:17 | コメント(9) | トラックバック(0) | 日記
2010年12月14日 イイね!

目の違いについての考察(1)

 写真はカメラを通して対象を画像として記録します。それに対して人間は目を使って対象を見ています。ここからは人間の目(Human Eye:以下H.E.と略)とカメラの目(Camera Eye:以下C.E.と略)の違いについて考えてみましょう。

1:物の見方
H.E.:意識の働きがあって、始めてハッキリと見ることが可能…主観的。
C.E.:基本的にレンズに入る物は全て記録する=必要、不必要の選択はしない…客観的。

 H.E.では、物(対象)を見るときに必ず「意識」が働いて、注視した物だけがハッキリと見えます。それは、例えば興味が惹かれた物だったり、見たいと欲した物、あるいは見ることを強制された物だったりを取捨選択しているのです。現にこのブログを読んでいる時も、目にハッキリと見えているのは追っている文字とその周辺程度になっていることでしょう。
 それに対してC.E.自体に意識はありませんから、レンズの前にある物は全て忠実に記録しようとします。往々にして、できあがった写真に「不要な物」が写り込んでいた経験をお持ちの方もおられると思いますが、カメラは忠実に自分の役割を果たしただけです。
 つまり写真を撮る場合に、H.E.のままファインダーなり背面モニターを見ていたのでは対象物のみを注視した主観的な状態になっていますね。ですから後に写真になって客観視できるようになってから「不要な物や、不要な空間」を発見するということになってしまうのです。それを避けるためには、ファインダーなり背面モニターで見たときに画面の中に「不要な物や、不要な空間」を排除する、H.E.からC.E.へと意識を変えておく必要性があるということですね。

 今回のまとめとしては、

 カメラはレンズの前にある物を忠実に記録しようとする。だから撮影者自身が意識して画面全体を見渡し「不要な物や、不要な空間」を排除して、主題が引き立つように画面処理をしなければならない。

ということになります。
Posted at 2010/12/14 20:01:07 | コメント(11) | トラックバック(0) | 日記
2010年12月13日 イイね!

写真を写すとは?

 毒者のみなさまこんばんは。
 予報どおり本日は雨。これから夜半に掛けて激しく降るとのことです。
 では、最初に写真を写すとは一体どういうことなのか? それから考えてみましょう。手元にあるノートからの写し書きなので、少々解りづらい部分があるかもしれませんが、まずは概要を頭の隅にでも入れておいてみてください。
 
1:写真を写すとは何か?
 写真という表現手段の持っている可能性と制約を理解し、それらを表現の意図や目的対象に合わせて使っていくこと。

a:可能性ー写真の特質を知る。その表現、手段の持っている独自性を理解する。
 イ:光学的特性の存在…レンズの描写力による部分が重要なファクターであるー正確さや精密さによる写実的な表現(現実感)を得られる。
 ロ:瞬間の捕捉…記録の迅速さを持っている(安易さとは異なる)。
 
b:制約ー写真のメカニズムや科学的な特質を知ることが必要不可欠。
 ・現実:三次元←→写真:二次元
 ・写真は現実を縮小する。
 ・写真は全体から一部を切り取る(マイナスの表現)。
 ・写真において動きは凍結される(ストップモーション)。
 

2:写真を作る要素
 
A:対象(被写体)object:写真はレンズの前にモノ(対象)がないと写らない(ただし全てが「真実」ではない)。
 
B:光light:英語で写真を意味するphotographyとはphoto=光、graphy=描くから成り立っている。その場にある光を意識し、積極的に利用、コントロールするのが写真である。

C:作者の視点vision…写した人の眼:写真とはカメラの前の現実(対象)とカメラの後ろの現実(撮影者)との関わり合いである。

D:表現技術…絞りやシャッタースピードの選択、構図など。
 

3:写真的な「見方」とは?
 a:まず写す対象を選択する。
 b:次に写真のメカニズムを通したとき、どのように再現されるか? を意識して見る。
 

今回はここまでです。記した内容について御質問や疑問などがあればコメントを通してお寄せ下さい。尚、カメラは何が良いのか? といった質問にはお答えできませんので、悪しからずご了承ください(普段自分が使っているカメラ以外の事は全く知らないのです)。
Posted at 2010/12/13 20:16:04 | コメント(11) | トラックバック(0) | 日記
2010年12月12日 イイね!

前書き。

前書き。 毒者のみなさまこんばんは。
 この週末は大掃除を開始したお宅もあったのではないかと思います。ウチはといえば当然(?)未だです。そろそろ準備を始めたいなと思っていますが、思うだけなのは毎度のことですね。今回は数年前に整理したフロッピーディスクを処分しようと考えています。その時に箱詰めにしたのですが結局は出番はなく、おそらくこの先もデータを引っ張り出す機会も無いでしょう。そのフロッピーディスクを作成したワープロ専用機や、20世紀製のマッキントッシュコンピューターなども市の処分場に持ち込んで…とも思いますが、当時に思い切って大枚はたいて買ったことを思うと、邪魔ではありつつも二の足を踏んでしまいますねえ。ちなみに、そのマックはハードディスクが4GB、メモリーが前オーナーが増設して126MBという仕様でありますから、現代の機種を思うと隔世の感がありますね。
 さて、どういうわけか何の因果か、拙ブログは毎日更新を果たして参りました。そろそろネタ切れ…には未だなっていないのですが、このあたりで多分それなりに関心が高いであろうと思われる、写真とカメラに関するアレやコレについて記していこうと考えております。銀塩(フィルム)からデジタルが主流になって(余談ですが現行機種の35mmフィルム1眼レフは風前の灯に近い状況です)、ある意味手軽に、低コストで写真を楽しめるようになってきました。しかしデジタルになっても写真が「カメラ」という物を介して記録する以上、そのメカニズム的な理解が必要であることには変わりはないと考えています。といっても、カメラの内部構造がどうたらこうたら的なハード的な意味ではありません。クルマで例えるならばハンドルやブレーキ、変速などなどの操作方法とそれにまつわる部分などのいわばソフト的な面といえるでしょう。読めば一目瞭然、誰もがプロ並みに撮れる…とは生憎ならないと思いますが、少しでも毒者の皆様の参考にしていただけたら幸いなのでありますね。
 では、続きは次回に。
Posted at 2010/12/12 19:45:50 | コメント(11) | トラックバック(0) | 日記

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