18きっぷを使い,西の方へ行ってきました.
というのも,修学旅行での京都よりも西に行ったことがないからです.
今回は,主に文学探訪みたいなものです.
敬語を使うと文が長くなりがちなので,今回は常体(ダ・デアル調)でいきます.
高崎駅を,3:33の“ムーンライトえちご”で出発.
前日寝られなかったのもあり,ここで寝ておきたかったのだが,
相変わらず寝ることはできなかった.アイマスクも枕もあったのに(-_-;)
“ムーンライトえちご”は,新宿の方へ行くが,
私は東京駅を目指しているので,大宮で京浜東北線へ乗り継ぐ.
朝一番でもそれなりに乗客がいる.これから帰る人もいるのだろう.
さて,東京駅に着くと,即座に東海道本線に乗り換え.
3月のダイヤ改正で,東海道線の東京~静岡間を走る373系が,
E231系に代替されたことで気落ちしていたので,グリーン車を使う.

▲道中に見た観音(?).何者だろうか.
早川から根府川の区間では,間近に海を見られる.
この時点で早くも,遠くに来たという感じが漂いはじめた.
大回り乗車では,茅ヶ崎までしか行かなかっただけに,
それ以西は2~3回しか通ったことがなく,新鮮な感じがする.
それ以降もひたすら東海道本線に乗り続ける.
沼津で乗り換えをすると,それ以降はロングシートになる.
快適に移動したくば新幹線を使えという意思表示なのだろうか.
静岡県内は,工場地帯と田園地帯が交雑していて面白い.
豊橋で快速に乗り換えるが,進行方向に背を向けて座る形に.
電車の性格上,そうそう席が空くものでもなく,観念して名古屋まで.
名古屋では,乗り換えに多少余裕があったので,
銀行のATMで金を下ろし,駅の売店で多少補給をする.
ここから,東海道本線と別れて,関西本線になる.
亀山までは特にどうということもない眺めだけれど,
それを越えると,いかにも山という感じのところに入っていく.
そして,最初の目的地である,柘植駅へと到着したのであった.
このような寒駅で降りる理由は,作家・横光利一だ.
文学的な解説は他に譲るとして,なぜ三重かという経緯だけ書く.
横光は福島の生まれ(本籍は大分).柘植には引っ越してきた形だが,
彼の意識としての故郷は,この柘植にあったらしい.
没後,彼の名を冠した公園が作られたため,ここを最初の目的地とした.
他の写真,また公園に到るまでの過程について,
フォトギャラリーに上げる予定でいるので,興味をお持ちの方はご覧いただきたい.
公園まで駅からおよそ2kmある道を,自らの足で歩いた.
重い荷物,照りつける日差しに苦しめられながらも,
なんとか公園にたどり着いたときの感慨は一入であった.
ひとつ心残りなのは,横光の文学碑もあるらしいのだが,それを見逃したこと.
次回こちらを訪うことがあれば,ぜひとも見たい.
もう一度歩いて柘植駅に戻ると,今度は草津行きに乗り込んだ.
次の目的地は灘駅.窓外を眺めれば,どうやら関東と大差ない眺め.
古都・京都も通ったものの,停車しただけであり,歴史的情緒は感じられない.
新快速はとても速く,どんどんと小駅を蹴り捨てていく.
京都と思えば大阪,大阪と思えば兵庫という具合にどんどん進む.
(もっとも,京都は南のほうを少し走るだけなので,無理もない)
灘駅からまたしても徒歩で向かう先は,神戸文学館.
稲垣足穂ゆかりの地を探していたけれど,ネットにはあまり出ていない.
今回,この文学館では,横光と稲垣の展示箇所が並んでいた.
どうやら,新感覚派の括りのようである.こうして,一緒くたにされてはいる.
然りとも,二者の綴る文章,世界観は全く似ていない.
建物の中で,展示スペースの脇に机が置いてあり,
そこに女子学生が3人ほどいて,勉強していた.
なんとなく,情感をぶち壊されるような感じを受けた.
ここで今日見学したいと思っていた場所は見て回ることができた.
あとは,1日目の最終目的地に向かうのみ.
上の写真は,神戸駅から撮ったもの.
途中,新快速に乗るべきところを快速に乗るという疎漏はやったものの,
無事,高松駅にたどり着くことができた.これが,四国初上陸である.
こうして,その日のうちに四国の地を踏むことができた.
この日,普通に行けばかかったであろう料金は,14480円.
青春18きっぷの1日分が2300円であり,グリーン車の950円を合わせると,
3250円となる.つまり,11230円分,得をしたということになる.
(その分時間は大量に使った)
2日目に続く.