今日の44号車は、クランクなんか磨いて遊んでました。
さて、すぐ本題に行きますか!(^^)
今年の僕の仕事は、レアもののレーシングーカーのレストア、Lotus72の総メンテ、そして、トヨタ2000GTの主要部分オーバーホールと、長期仕事を3つ抱えて動いてきました。
どれもほぼレストアと言える作業なので、普通の整備をするだけでは見られないような部分まで見ることができます。
まあ、よくある事なんですけどね、例えばエンジンのオーバーホールを依頼され、手始めにエンジンをおろす…
すると、ミッションからのオイル漏れを発見→プロペラシャフトのガタ→デフのバックラッシュ過大…
僕の得意な?連想ゲーム状態というか、芋づる式に作業範囲が拡大していきます。
まあ、人間の健康診断でも同じかもしれませんね。
血圧高くて再検査したら、ほかの臓器もダメでしたとか…他人事じゃないな(^^;;
話を戻しましょう(^^)
だいたいそうやって作業する内容が増えて、いろんなところを分解していくのが普通です。
2000GTは一度フレームを分離してリフレッシュすることになり、貴重な体験をさせてもらいました。
この車のフレームは、ロータス・エランの構造とよく似ています。
間近で現物を見て、やはりはっきりとそう思わされました。
賛否両論あると思いますが、ここから先は、トヨタがエランを参考にしたという"体"で話を先に進めていきましょう。
なんせ、エランと2000GTの裸のフレームを同時に見られる工場は、なかなかありませんからね(^^)
両車のフレームは、Xボーン・フレームと呼ばれる、大型のセンタートンネルを中心に前後のサスペンション取り付け部がX状に伸びる形です。
実際にはリヤ側は逆T字に近い形ですが、二車ともフロントのY字型に開いたスペースにエンジンが収まります。
エランは1962年、2000GTは1967年が生産初年度ですから、少なからず先輩を参考に設計したことが窺い知れます。
しかし、そこは日本人の仕事です。
参考にしても、マルコピなんてのはプライドが許しません。(^^)
「真似をした」なんて言う人が居ますが、そういう安っぽい言葉はあまり好きではありません。
スポーツカー先進国である英国に敬意を示し、大いに学ばせてもらったんです。
そして、良くないと思うところは、大胆な改革がなされていたりします。
例えばフロントサスペンション。
エランはすべてのアーム類が固定式のダブルウィッシュボーンに対して、トヨタはアライメントの調整が出来るよう、アッパーアーム・ピボット自体をボルトオン構造とし、ボールジョイントと共にシム調整式にしています。
リヤに至っては、エランのストラット式をやめ、アッパーアームにダンパーピボットを持つ、ダブルウイッシュボーンを採用。もちろんフロント同様アライメント調整が可能です。
やっぱりね、こういうところが日本人らしい。
そして、特筆すべきこと。
エランはご存知の通り?そのボディーはFRPで出来ているが、およそそのフレームなしでは、各デバイスを支えられるだけの強度は持ち合わせていないし、ドアの"チリ"すら合わないのが普通。
対するトヨタ。スチール製のボディー単体でリフトに上げ、ドアの開け閉めをしても、まことにイイ音でドアが閉じる。
このままモノコックに、エンジン回りだけサブフレーム化した方が、軽量でよかったのではないかと思わせるほどだ…
セクシーだよねー
この角度が好き(^^)
やべっ、また変態扱いされる…
まあ、当たり前のことだが、ライバル視するかどうかは別にして、自動車だけでなく製造業は他社の製品を研究するところからモノ創りがスタートするんじゃないのかな?
戦後、多くの外国製品が日本に入ってきて、粗悪なコピー商品を売る時代から、日本独自の進化を遂げ、より良い製品を生み出して、アジア一の技術大国になった。
でもなぁ、最近はどうなんだろ?
せっかくいい事もわるい事も、外国から学んだはずなのに、いつのまにか技術も、人も、機械も、みんな売り飛ばしちまった…
このままでいいのかなぁ???
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国産車 | クルマ
Posted at
2016/12/07 23:52:36