2006年1月の灯火器技術基準改正で、ディスチャージヘッドライトは
自動光軸調整機構を、ハロゲンヘッドライトは
手動光軸調整機構の搭載をメーカーに義務付けられているが、明るく消費電力の小さい
HID装着車(後付可能)が多くなり、交差点通過や信号待ち停止中にヘッドライトが
エラク眩しい車が増えている。
ヘッドライトは、国土交通省の「保安基準第32条」で正式光軸名称をハイビーム「
走行用前照灯」、ロービーム「
すれ違い用前照灯」と定義し、ロー/ハイビーム
光軸変動範囲も定義し、ハイビーム走行の擦違い時ロービーム切換、市街地走行はロービームで対向車対策を行っている。
左右ヘッドライトのロー/ハイビーム光軸は保安基準で差角固定であり、ライトユニット毎に
左右/上下ネジ2本で調整可能である。プリウスはロー/ハイ分離の4灯式で、ローハイ一体ユニットになっている。
自動車は懸架装置で乗心地を得るが、搭乗人数や積荷でピッチング軸が変動し、上下光軸が変動する。プリウスでは、
ハロゲンヘッドライト車: インパネに
手動光軸調整ツマミ(水平から下へ、0-5の11段切換)
LEDローヘッドライト車:
オートヘッドライトレベリング機構(加重バランスで、車姿勢に合せ光軸自動調整)
を行っている。
前照灯検査における判定基準変更に伴う検査機器の対応について
ヘッドライトの光軸調整
○
オートヘッドライトレベリング機構: 前後(又は後ろのみ)のサスペンションに車高を感知する
レベリングセンサーが取付けられており、乗車人数や荷物の積込みによる車高の変化に応じて自動的に光軸を上下させる機構。レベリングセンサーが後ろのみの車両で車高ローダウンすると光軸が自動的に"
より下向き"となるので、オートレベリングシステムの初期化設定が必要です。
センサーはボディに固定され、センサーリンクがロアアームやショックアブソーバ等に繋がっている。
○
AHB(アクティブハイビーム)制御技術: ハイビームをミリ波レーダーとインナーミラーに仕込まれたカメラで相手車両を検知し、
ヘッドランプ内の遮光シェードを制御して直接ハイビームが当たらないように遮光するヘッドライト。(ロービーム無し)
○
簡易光軸確認法 -- Yahoo!知恵袋 --
平坦地面で壁がある駐車場で、夕方など薄暗い時間帯に車を前向きに壁に直角に近づけて(1メートル以内)停車させハイビームにします。ロービームも同時点灯する4灯式の場合はロービームを段ボールなどで遮光します。
壁に照射されたライトの
一番明るい場所にビニールテープなどでマーキングします。
そこから10メートル車をバックさせて、先ほどマーキングした中心を基点として
適合の範囲は
左右のライトとも左に270mm、右に270mmまで。
上は100mmまで、下はそのライトの高さから5分の一までです。
例えば地面から600mmmの高さにライトがあれば、600/5で=120mm下までとなります。
以前に比べれば左右と上の方向の適合範囲はかなり広くなりました。
上記の数字を覚えるのが面倒だったら、壁に近づけた時も10メートルバックしたときもライトの一番明るいところが同じならばOKです。
参考までに上記の適合範囲の角度は、左右に270mm=約1.55度。上に100mm=0.57度。下に120mm=1.69度です。けっこうシビアな数字です。