施設実習第十六日目…『ｼﾞｬｯｶﾙの日』

私はある目的のためにこの施設に年齢を偽り入所している。認知症のふりをし、顔色を悪くするために毎晩密かに火薬を少量ずつ飲んでいる。そして毎晩、皆が眠ってしまった後に体力造りをしている。
昨日私宛てに荷物が届いた。障害者の杖だが中にはﾓｰｾﾞﾙC96別名ﾓｰｾﾞﾙﾐﾘﾀﾘｰが仕込まれている。弾丸は三発。一発は試射用だ。私の腕なら二発あれば十分だ。それにﾓｰｾﾞﾙは初速は速いが銃身が加熱しやすいという欠点もある。
先程見回りに来た実習生に試し撃ちをした。ﾓｰｾﾞﾙは期待通りの性能を発揮し、哀れな実習生は頭を吹っ飛ばされ、死んでいった。死体は組織が始末してくれた。まあ、実習生が明日から来なくても施設は困る事はあるまい。
私の目的は明日この施設を訪問することになっている大統領の暗殺だ。
明日目的を達成したら亡命するつもりだ。


なんていうﾄﾞﾗﾏﾁｯｸな展開はある筈もなく、本日も無事終了しました。