スモールトーク読後感

これはかつて結婚していた女と男の物語。
アルファ145に乗る女。
女とよりを戻そうとする男。
数台のマニアックな車がそのエピソードを彩る。
しかし、すれ違う感情。
やはり二人はまた別れてしまう。
そんな事は1ページ目を読むだけでわかってしまう。
読み進めてみるとこれは男と別れる女の物語ではなく、アルファと別れる女の物語だと思う。
物語の最後に出てくるプリウスが印象的だ。
男と別れた女はアルファの元を去る。
彼女のその後は書かれていない。

しかし女は今後もプリウスに乗ることはないだろう。

物語の最終段落でアルファは別のオーナーが乗っていた。
この続きは読者の想像力に委ねられている。

できればこの続きか読みたい。

オマケとして最後に作者が営業職だった頃の、カローラバンとの係わりが書いてある。これがまた微笑ましく、本文の未来も明るいものを想像させてくれるのだった。